グラント・リー・バッファローさんのコメント: 点数順
DEAR WENDY ディア・ウェンディ(2005/デンマーク=仏=独=英) | 銃を持つことで初めて「平和」を語り、「主義主張」を唱えることができる。若者たちの目覚め、もしくは「社会」の生成。前者だとラース・フォン・トリアーっぽくない脚本だが、後者ならなるほどと思う。 | [投票] | |
キッズ・リターン Kids Return(1996/日) | 友情や愛情、ましては共闘など微塵も許されず、孤独な道行きを強いられるあまりにも無防備な若者たち | [投票] | |
家族ゲーム(1983/日) | この作品を観て真っ先に思い出したのは、はるか昔にやったゲーム「ポートピア連続殺人事件」だった。警告音と寄る辺なき不安定感 | [投票] | |
父の祈りを(1993/米) | このチンピラにとってIRAも暴れたいがための口実でしかなかった(だからこそ追い出されてしまう)。その後、どこまでも堕ちていった男が闘うための本当の理由を見出していく部分には迫力があった。が、そこに至るまでに失われたものはあまりにも大きい。 | [投票] | |
亀も空を飛ぶ(2004/イラク=イラン) | サテライト少年は、『天才マックスの世界』の主人公に似ている。まったく舞台背景の異なる両作品だが、ひねくれながらも自分なりの努力を一途に重ねる主人公の姿に心うたれる。 | [投票] | |
モ’・ベター・ブルース(1990/米) | 自分の妹にヒロインを任せ、ラブシーンの演出をつけるスパイク・リーの胆力。(レビューはラストに言及) [review] | [投票] | |
自転車泥棒(1948/伊) | これを観ると、ダルデンヌ兄弟作品は現代の「ネオ・リアリスモ」であることがわかる。対象を執拗に追い回しながらも突き放したまま展開させ、あるポイントで急にぐっと対象に寄っていくカメラ。 | [投票] | |
運命じゃない人(2004/日) | 半径数メートルの「四畳半」を描いた自主映画と思いきや、語り口がどんどん広がっていく。それでいて散漫になってしまうわけではなく、人間の「どうしようもなさ」への愛情がベース音を奏でている。独特の爽快感があった。(★3.5) | [投票] | |
ルールズ・オブ・アトラクション(2002/米=独) | 自分から勝手に汚物にまみれていく青春。90年代的グランジ感覚。 | [投票] | |
es [エス](2001/独) | 厳粛な題材になんとか娯楽作を絡めようとする努力が、そもそも間違っていると思う。ひんやりとした実験監房の意匠などいいところもあるが、全体的には中途半端感が否めない。ラース・フォン・トリアーなんかは、この実験風景を直接借用せずとも、いつもこの題材に向き合っているようにも思える。 | [投票] | |
殺人に関する短いフィルム(1987/ポーランド) | 殺人への眼差し。(レビューはラストに言及) [review] | [投票] | |
パリ・ルーヴル美術館の秘密(1990/仏) | 淡々と撮っているようで、この監督の切り取る画や、シーンのつなぎ方は独特で、まるで劇映画のようだ。被写体に迫るというよりは、目の前に映るものをもてあそぶような感じのドキュメンタリー。ルーヴル美術館は、その視点を活かすには格好の題材だったのかもしれない。 | [投票] | |
フル・フロンタル(2002/米) | あくまで客観性を維持するスティーブン・ソダーバーグのスタイル。 [review] | [投票] | |
ウェルカム・ドールハウス(1995/米) | ここにはいる場所があまりないのに、ここにしかいられない少女の悲しみ。絶望的に悲しいのではなく、ただぼんやりと寂しい。 | [投票] | |
愛の神、エロス(2004/米=伊=香港) | ウォン・カーウァイ編が出色の出来。『花様年華』から続けてきた耽美路線が完全なる成熟を迎えたような気がした。このような湿っぽい映像を他で見たことがない。それに比べるとミケランジェロ・アントニオーニ編は乾ききっているようにも思える。(★3.5) | [投票] | |
友だちのうちはどこ?(1987/イラン) | あくまで日本からイランという異文化を見た観点でしかないのかもしれないが、実際に人々がそこで生活もしているのに、隣の村のあの佇まいは、子どもの頃「不思議の国のアリス」を読んだときの心細さや不思議な世界観を思い出させてくれた。 | [投票] | |
ゴースト・ドッグ(1999/独=米=仏) | 多少装いが変わろうとも何のことはない、いつものすれ違いで噛み合わないジャームッシュ。だから安心して観られる。 | [投票] | |
サマリア(2004/韓国) | 行動の連鎖。(レビューはラストに言及) [review] | [投票] | |
エリン・ブロコビッチ(2000/米) | チェ・ゲバラのように、人々とともにあることにこだわった主人公。汚染されているはずのカリフォルニアの砂漠がさらりと描かれているように、撮り方によってはいくらでも泥臭く撮れるはずの作品をさらりと描いたスティーブン・ソダーバーグのそつのなさ。(★3.5) | [投票] | |
天才マックスの世界(1998/米) | 大人ばりの豪腕でやりすぎてしまうとっつぁん坊やと、大人げのないおっさんとの、憧れの女性をめぐるガチンコ対決。奇抜な設定やストーリー展開の中で描かれているのは、気恥ずかしくなるぐらいの愛情と友情。何の変哲もない無遅刻の勲章を大事にする熱き魂。 | [投票] |