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[コメント] 羅生門(1950/日)

蜘蛛巣城ほど夜の闇が深い映画はないが、この映画ほど昼が美しい映画は見たことない。
kiona

 “藪の中”は骨格(シナリオ)で、この映画の心臓(テーマ)はやはり羅生門。芥川の原作は、人間の心から不確定要素すなわち揺らいでしまうヒューマニズムが削ぎ落とされてしまう過程を、ほぼ完璧にモデル化しているわけだが、それに対してぎりぎりかつ悲痛な拒否をせざるを得なかった黒澤にこそ、自分は最大の敬意を感じる。それが安っぽく幼稚であるというのなら、その人は、隣人との関わりを、その安っぽさなしで成り立たせることが出来るのかと問いたい。

(評価:★5)

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