寒山拾得さんのコメント: 点数順
夏の終り(2012/日) | 温い温い。瀬戸内寂聴氏の逝去時にテレビで流すための再現フィルム程度。美点は頑張っている撮影美術。 [review] | [投票] | |
塀の中の懲りない面々(1987/日) | 主人公の藤竜也が森崎らしからぬ二枚目であんまり似合っていない、ということだろう。ホンが鈴木則文とはすごいタッグで、周辺の群像劇はらしい愉しさだったが。 [review] | [投票] | |
夢見通りの人々(1989/日) | アウトロー森崎のバブル期の居場所は刑務所と廃炭坑とここ鶴橋だった。なのになぜ在日コリアンの話にしないのか半端で残念。本作の白眉は原田芳雄のゲイの真面目な告白で、一般邦画としては先駆でしょうか。 [review] | [投票] | |
美味しんぼ(1996/日) | 味覚表現の空々しい科白で有名な原作だが財津一郎がこれを実に巧みに喋る。俳優の実力ってこういう処でも出るものなのだ。尊敬を抱いてしまった。 [review] | [投票] | |
ソイレント・グリーン(1973/米) | 「人間がいっぱい」の映画化。60年代SFの科学的想像力は「温室効果による酷熱」をすでに予言している優れもの。映画はスケール感の欠落甚だしく、カーペンターを予告しているがそれなりに面白い。 [review] | [投票] | |
受取人不明(2001/韓国) | キム・ギドク観てグロいと云っても何も云ったことにならないけど、この初期作はグロが的外れのように見える。後のいい作品はもっとグロがこなれていると思うのだが。 [review] | [投票] | |
素晴らしい一日(2008/韓国) | 茫漠として取り止めがないのが味なんだろう。コメディのようでコメディではない。チョン・ドヨンの造形が重すぎるように感じるのだけど、女性映画としてはこれでいいのかも知れない。 [review] | [投票] | |
寵姫ズムルン(1920/独) | アラブ風俗は厳格なキリスト教を逃れるための設定なんだろう。本作は有名なウォルシュの『バグダッドの盗賊』(24)やホークスの『ファジル』(28)より早い製作。当然にエロが追及される。 [review] | [投票] | |
男になったら(1918/独) | ルビッチの全盛期は本当はサイレント期ではないのだろうか。本作はオッシー・オスヴァルダ版「男はつらいよ」。驚くべきは撮影美術で、同時代のチャップリンと比べて断然上等。 [review] | [投票] | |
ニーベルンゲン 第一部 ジークフリートの死(1924/独) | 本作の炎の撮影美術は秀逸。開巻間もなく登場する竜はマジで口から火を噴いているように見え危険極まりなく、そのキュートな眼差しと併せて怪獣ファン必見。 | [投票] | |
死滅の谷(1921/独) | ラングの全盛期はハリウッドにあり、サイレント期の大作はどれもやたら長尺なばかりで大したことがない。本作は本邦の地獄絵、百鬼夜行図みたいな作品。 [review] | [投票] | |
人生の乞食(1928/米) | 辛くも愉しい乞食体験は幾つもいいショットがある。藁山の一夜、ジャングルなるホーボーの炊き出し集会、貨物列車へのいろんな飛び乗り。見処はその辺り。 [review] | [投票] | |
百貨店(1926/米) | 本来は真面目な姉が主人公なのだが、時代は悪女の妹ルイーズ・ブルックスを主演に押し上げてしまったんですな。「君って頭はバカだけど服装のセンスはいいね」と云われて満更でもない顔している彼女に驚嘆させられる世界大恐慌3年前作品。 [review] | [投票] | |
魔術師(1926/米) | 話は平凡でサラサラ進んで余りインパクトがないのだが、すでに上等な撮影美術で、50年代のハマープロと騙されても判らないレベルの悪魔信仰映画。原作モームなんだ。 [review] | [投票] | |
霊魂の不滅(1920/スウェーデン) | まだお勉強で観る映画なんだが、ランプや蝋燭の灯りの微妙な明滅は美しい。当時の技術ではほとんど神業だったんだろう。 [review] | [投票] | |
水の娘(1924/仏) | 当該水の娘の年齢詐称と厚化粧が酷すぎる。何かの事情で採用せざるを得なかったんだろうか。いい映画なんだけど愛せないフィルム。替わりにリリアン・ギッシュなら★5だっただろう。 [review] | [投票] | |
婉という女(1971/日) | 増村の下手糞な模倣みたいな前半は弱ったが、元祖『ジョゼ』みたいな後半は面白くなる。岩下志麻が犬になってワンという訳ではない。 [review] | [投票] | |
セーラー服色情飼育(1982/日) | 「ウィークエンダー」の再現フィルムみたい。元来コント的な痴漢というバカをシリアスに演じて下元史朗は絶対的なコント的存在になった。 [review] | [投票] | |
傷跡(1976/ポーランド) | 住環境破壊そのものを問うのか、その段取りを問うのか。どうやら後者の印象が強いのだが、工業化に伴う悲劇はどこの国でも似たようなものだと思わされる。「頼りは安らかな良心だけだ」。 [review] | [投票] | |
歩兵の前進(1956/英) | 何か決まり事のように全てをパロディにするイギリス人は自国の軍隊もパロディにする。イアン・カーマイケルはパイソンのエリック・アイドルみたいだ(小倉一郎さんにも激似)。 [review] | [投票] |