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寒山拾得さんのコメント: 点数順

★4殺人に関する短いフィルム(1987/ポーランド)前半はショートコント集の趣がある。運転手ヤン・テサシが待ち客捨てての遁走とか、野良犬に与えるサンドイッチとか、青年ミロスワフ・バカが橋の欄干から石落としたら下で車のクラッシュ音がするとか。 [review][投票]
★4追憶の女(1942/米)入江たか子化の始まったベティ・デイヴィス熱演で関千恵子さん激似、剥いた三白眼が強烈で、拘置所では片目が鉄格子に隠れてもう片目が飛び出して見える。無茶な演出に茫然。 [review][投票]
★4ラスト・ワルツ(1978/米)この映画、演奏はとてもいいのだが、ロビーのギターは後からオーバーダブしているとか、シラケる逸話が多過ぎた。ニール・ヤングが鼻の下につけていたコカインの塊はフィルムからは抹消された、という噂話がとても有名だが結局の処本当なのだろうか。 [review][投票]
★4七つの弾丸(1959/日)東映実録ものの初期の秀作で助監督深作とは出来過ぎた話。ドキュタッチ生々しく三國が冴えまくり、犯罪被害者の悲痛な記録も思えば深作っぽい。 [review][投票]
★4牧笛(1963/中国)水墨画アニメ。高畑『かぐや姫の物語』の評価が存外に高くないのは、こんなすごい元祖があるからでしたか。夢で見る一本だけ紫色の竹がとても美しい。 [review][投票]
★4シモンの空(2012/仏=スイス)ダルデンヌと似た面構えだが倫理観は少し別の方を向いている。中盤に屈曲があり目が離せなくなるいい作劇。PJの右腕ジョン・パリッシュのハードなギターが堪能できる。 [review][投票]
★4お人好しの仙女(1935/米)現在は原題の『グッド・フェアリー』で通っているが、マーガレット・サラバンを勝手に仙女と呼ぶ邦題はいいものだ。コメディは「お人好し」には必ず報いねばならない、という定跡自体が美しい。 [review][投票]
★4偶然(1981/ポーランド)パラレルワールド並置なんて子供っぽい発想の作劇を、すでに21世紀仕様の編集でもって堂々展開、複雑な政治状況が浮かび上がる。上映禁止後に一部カットで公開らしいが、それでもよくこんなの撮れたなとヒヤヒヤさせられる。ラストは秀逸。 [review][投票]
★4セノーテ(2019/日=メキシコ)冒頭「これは私たちの物語よ」と地元娘が宣誓して以降、フィルムはマヤ文明に憑依され続け、『2001年』の終盤を想起させるサイケ描写が暴走する。なんと自由な発想のドキュメンタリーだろうと目から鱗。 [review][投票]
★4あのアーミン毛皮の貴婦人(1948/米)クレジットにはプレミンジャーの「亡き師匠への敬意と称賛の印として」監督ルビッチとだけ表記されている殆どプレミンジャー作品。舞台はベルガモ公国。最後もルリタニアものかと思いきや、イタリアのベルガモという都市のことらしい。しかし本当だろうか。 [review][投票]
★4エドワールとキャロリーヌ(1951/仏)ベッケル流の脇役天国が後半のセレブ・パーティで炸裂してメキシカン・ハット・ダンス(アホの坂田)で踊り狂うに至る。そのため主役ふたりのドラマは雲散しかかっているが気に留める風でもない。大物監督は違う。 [review][投票]
★4天國はどこだ(1956/日)真面目な真面目な松林は木村功を国定忠治で終わらせない。好感を持って観た。金やんは存在感抜群。自身も貧乏だった彼の起用に、込められたものがあっただろう。 [review][投票]
★4伊豆の娘たち(1945/日)戦後はじめて映画館にかかった邦画の由。戦中は検閲で没になっていた、戦意高揚のやる気のなかった五所の松竹伝統結婚喜劇。笑えるし人情充実、そして何より水も滴る超美人女優四元百々生の記録として価値高い。 [review][投票]
★4鋼鉄の巨人(1957/日)Super Giants第1作・前篇。子供向けなのだが爆笑ネタが揃っていて大人も愉しめる。冒頭のシュールな宇宙人会議でまず度胆を抜かれる。池内淳子のシスター姿が麗しく、引率の保護者向けサービスが行き届いており好感度大。 [review][投票]
★4胎児が密猟する時(1966/日)若松映画に共通する、ドン詰まりの状況から加害者の自滅と被害者の反撃を画策しようとする作戦立案の倫理観が、本作でもすでに認められる。 [review][投票]
★417歳の風景 少年は何を見たのか(2004/日)サディスト若松の珍しいマゾ映画。友部かずきの絶叫フォークにのせて、死に場を求めるのか違うのか、柄本佑のヤケッパチな雪国縦断サイクリングは続く。このダラダラした道程がとてもいい。 [review][投票]
★4海燕ホテル・ブルー(2011/日)先祖帰りの室内劇プラス『処女ゲバゲバ』で履歴総括の趣。タイトルは軟弱で『海燕ジョーの奇跡』みたいだが、存外通底するものがあるのかも知れない。 [review][投票]
★4荒野のガンマン(1961/米)進藤英太郎さん似のチル・ウィルスの独立共和国の妄想とともに映画は南軍を揶揄い続ける。ここには南北戦争の対立の傷をインディアン制圧で解消せんとする西部劇のモチベーションへの批評があるだろう。 [review][投票]
★4戦争のはらわた(1977/独=英)ウィスキー瓶ラッパ飲みしながら流し目で笑うコバーンの造形は何かひとつの典型を確実に射止めている。「神はサディストだが、自らはご存知ないのだ」。 [review][投票]
★4彦六大いに笑ふ(1936/日)世代を超えて共感する三多摩壮士とコミュニスト。いい処さらっていく丸山定夫の代表作だろう。地上げされる老朽ビルをキャメラは軽やかに動き回り、同じアングルは殆どなく、加藤泰のようなローアングルがキメに使われて格好いい。 [review][投票]