寒山拾得さんのコメント: 投票数順
ラインの監視(1943/米) | 序中盤、観客はホームドラマのようにうるさいお祖母さんとうるさい次男坊とうるさい劇伴を我慢しなければならない。これは意図的な演出なのだと終盤に我々は納得させられることになる。 [review] | [投票] | |
ベルリン特急(1948/米) | ただただフランクフルトの瓦礫の山に圧倒される作品。ドイツ統一の希望を語るドラマは成功していないが、現実の失敗の予感がそうさせているに違いなく、リアルタイムの生々しさが真空パックされている。 [review] | [投票] | |
山河遥かなり(1948/スイス=米) | 名画然とした名画。占領下ドイツの瓦礫ばかりの廃墟がロケされていて痛ましい。あんまり批評眼尖らせて観る類ではないが、逃げて川で溺れる子供の件など堂々としている。 [review] | [投票] | |
不意打ち(1964/米) | ジェームズ・カーンが少年院出身と知るとデ・ハヴィランドは突然怒り出す。「あなたは福祉社会がつくった人間のクズね」。デ・ハヴィランドは維新の会の支持者だったのだ。 [review] | [投票] | |
最後の戦斗機(1956/日) | 悪魔のような上官西村晃に立ち向かう渡辺美佐子の姉御が素敵。特攻機に写真が飾られる高野由美の茄子みたいなお婆さんが泣かせる。 [review] | [投票] | |
消えた中隊(1955/日) | 三村明監督第一作で第二作はなかったのだが、ここまで失敗作なら仕方ないだろう。監督の才能がなかったのだ。話は空疎だしまるで纏められていない。 [review] | [投票] | |
最後の突撃(1956/日) | 水木しげる「総員玉砕せよ!」で有名なズンゲン玉砕が描かれる。水木も参照にした原作の映画化で、込められた思いは正反対に見えるが、ともあれ水木ファンは必見。 [review] | [投票] | |
水戸黄門(1960/日) | 1960年に御用提灯の後ろ側にいるのが東映のスタンスだったと判ってシラケる由比正雪もの。東映オールスターの真ん中にいるのが杉狂児と原健策という配列は好ましい。 [review] | [投票] | |
スパイ・ゾルゲ 真珠湾前夜(1961/日=仏) | 電波探知車なる車の天井から突き出てクルクル回るアンテナがとてもインパクトがあり、初期SF映画の間抜けな美術みたいなのだが本物なんだろうか。 [review] | [投票] | |
金門島にかける橋(1962/日) | ロマンスは間抜けなレベルだが、中台紛争を曲がりなりにもリアルタイムでロケした一点で価値高い中央電影公司共同製作作。 [review] | [投票] | |
王将(1962/日) | 演れば演るほど阪妻の影を感じざるを得ないなか三國連太郎は好演、豪勢なセットを慈しむように撮るキャメラが美しい。もう少し日蓮宗が大人しければ、愛してしまいたい映画なんだけど。 [review] | [投票] | |
俺は地獄の部隊長(1963/日) | 東宝の愚連隊シリーズの対抗企画らしくいかにも安物。『沖縄の民』(56)で真面目に戦争を問うた古川卓巳が、一転こんな玉砕を消費するような映画を撮ってはいけないと思うんだが。 [review] | [投票] | |
出撃(1963/日) | 芦川いづみの「貴方が飛んだら日本は勝てるの」なる発言、昨今の右翼映画なら総出で窘めにかかる処だろうが本作では称揚される。『永遠の0』のネタ元のような、死んだら蛍になる、靖国の桜で会おう、なる遺言は、前者は守られるが後者は黙殺される。 [review] | [投票] | |
二人だけの砦(1963/日) | 不覚にも寝てしまった。70年代の新藤を先取りしたような抽象的で奇怪なタッチで、唐突に踊りだしたり変なギャグが展開されて客席も一部ウケていた。何だったのだろう。 [review] | [投票] | |
夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース(1968/日) | この悲喜劇の根源は高速道路の用地補償で山売って儲けた伴淳三郎だと、映画は彼を指弾してやまない。同年に『あゝ予科練』を撮る右翼監督の同時代認識か。オープン屋の蘊蓄が面白い。 [review] | [投票] | |
いい湯だな 全員集合!!(1969/日) | この気楽な歌謡映画に力技で東京大空襲を割り込ませる森崎東に好感度大。生田悦子を取り囲んでミヨちゃん歌うシーンがないのは不満。追加してください。 [review] | [投票] | |
おさな妻の告白 衝撃(1972/日) | ゴールデン街の二階の窓から全裸で手を振る片桐夕子。彼女の儚い造形は田中絹代の再来のよう。本作は彼女の魅力に忠実なのがいい。代表作だろう。 [review] | [投票] | |
虹をわたって(1972/日) | 処は横浜元町、河口に延々続くだるま船の縦列駐車(三重)はセットで組める規模ではなく、当然ロケなんだろうが、本当に水上生活者が住んでいたのだろうか。『泥の河』の加賀まりこのような。 [review] | [投票] | |
嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊(1977/日) | 男前の赤道にコケるし泉じゅんの端役扱いは憤懣やるかたない。面白いのは大阪駅と新大阪駅を間違える件でありがちだ。あとはミミズちゃん捜しの電車内長回しぐらいか。 [review] | [投票] | |
元祖大四畳半大物語(1980/日) | 曽根中生が積み上げてきた遣る瀬無いパッションがここでも反復されているのだがいかにも軽く、80年代への過剰反応に見える。見処は大フューチャーの原泉さんでファン必見。 [review] | [投票] |