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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★5放蕩息子の帰還/辱められた人々(2003/伊=仏)春が来て軌道に乗った農本的結社が、共和国設立により消滅する過程の描写。この道を辿り戻せるか否かはストローブ=ユイレ最大の主題だっただろう。 [review][投票]
★5プリズン・エクスペリメント(2015/米)スタンフォード監獄実験の劇映画化。歯止めの効かない「秩序」とは何と恐ろしいものか。最も興味深い人物はジョン・ウェインの息子と呼ばれた監守だろう。 [review][投票]
★3白毛女(1950/中国)打倒国民党・地主階級の革命劇で、有名な革命歌の宝庫らしい。邦題は原題通りだが「白毛仙女」と意訳すべきだっただろう。これでは犯罪者みたいだ。 [review][投票]
★4寒い夜(1955/香港)戦中の混乱で何もできず嫁姑戦争の間でオロオロするだけの無用者インテリを描いてゴーゴリを想起させる巴金原作の映画化。重慶爆撃が描写されている。 [review][投票]
★4秘めたる想い(1947/香港)同時代の本邦メロドラマ、歌謡映画との共通性が興味深く、映画は本邦以上に予算不足露わだが劇作は一頭地抜いており、昔流のフェミニズムの気障が見事に決まり余韻がある。戦中の上海の中国人の意識がよく判るのが大いなる美点。 [review][投票]
★3黄飛鴻正伝 鞭風滅燭の巻(1949/香港)元祖クンフー映画にして59本続いた寅さんより多い人気シリーズ第1作の由。安上がりのプログラムピクチャーで退屈だが、道を説く主人公、ヤクザや道場間の対決、一方的に惚れる女、脇役のお笑いにドタバタ込みの武術と、フォーマットがすでに出来上がっているのが確認できる。 [review][投票]
★4HHH:侯孝賢(1997/仏=台湾)侯監督(角川春樹に似過ぎている)のインタヴューは多数あり、語られる内容に目新しさはないのかも知れないが、やはり現場からの中継は特別なものがある。映画の舞台となった魅力的な光景が、発想の違う構図で収められるのを観るだけでも愉しい。 [review][投票]
★3義人呉鳳(1932/日)日帝から眺められた『セデッィク・バレ』。呉鳳の偉業は日帝の宣伝に過ぎなかったと否定されているらしい。映画を観る限りは非暴力の立派な人に見える。 [review][投票]
★4未来への迷宮(1935/露)もうすぐ無階級社会、亭主はソ連政府から別荘与えられた外科医。太ったブルジョア婦人が素っ裸で泳ぎ出し、チャップリンそっくりの居候と複雑な目線の交換。円盤投げにパイ投げ。「共産主義のファシズム的解釈だわ」。なんかもう無茶苦茶な映画。監督は粛清された由。 [review][投票]
★2LOVE-ZERO=NO LIMIT(1994/日)昭和天皇の下血とエイズから発想されたらしいがネタでしかなく、エクスプロイテーション映画と云われても仕方ないような吸血殺人鬼話。 [review][投票]
★4Don’t Let It Bring You Down(1993/日)逃亡する自衛隊夫婦と原将人のなれの果てみたいな8mm青年との交流が描かれる。ひとつとてもいい科白があった。「でも空はとてもきれいよ」。 [review][投票]
★4End of The World(1995/日)鉛色の三宅島に於ける詐欺師男女とインポ巡査の『気狂いピエロ』。ただ無茶苦茶の限りを尽くすだけの作劇に短尺ならではの疾走感がある。ラストも決まった。 [review][投票]
★3死なない頭脳(1962/米)20年代制作なら快作だが60年代にしては温い。しかし幾らでもグロくできるのにあっさり纏めるのは上品で好ましいかも知れない。ともあれ忘れ難いヴァージニア・リースの画一発で記憶から離れなくなる一作。 [review][投票]
★3ソ満国境 15歳の夏(2015/日)ソ連参戦、匿う中国人、朝鮮族、フクシマ事故と話題テンコ盛りで纏め切れず、小説より奇なりな事実を描いて奇が過ぎたように見える。良心的なスタンスは判るように思うけど。 [review][投票]
★5コントラ(2019/日)堂々たる不条理劇。逆走は判りやすく逆コースの隠喩なんだろう。 [review][投票]
★3今日から明日へ(1997/仏=独)モロクロと屋内セットで厳密に撮られた舞台劇。貞淑な妻が女になって亭主は驚愕という喜劇で、余り興味を覚えない。これなら洒落のめしたハリウッドのスクリューボールのほうが上等と思われる。 [review][投票]
★5シッダールタ(1972/米)密教系らしき享楽描写の連続は当時のヒッピー文化そのものだが、これを経て老年期に至ると映画の様相は一変、人間の運命を深掘りし始める。心に残る一篇。ニクヴィストのインド描写がまた美しい。 [review][投票]
★4千羽づる(1989/日)佐々木禎子の伝記映画で、木村荘十二『千羽鶴』(58)に次ぐ2作目の由。主演の子役広瀬珠実の佇まいが素晴らしく、その他配役ですでに半分成功。倍賞千恵子前田吟のお馴染み夫婦は、いつも理性的な前田が本作ではすぐ泣くのが面白い。 [review][投票]
★1非常時日本(1933/日)必殺デマゴーク荒木貞夫の演説実況と寸劇から成るバカ映画。本作は東京裁判の資料に採用された由。ネガが出回っているから証拠隠滅は無理だったのだろう。 [review][投票]
★1迎春花(1942/日=中国)戦中なのに丸々肥えたブルジョア子息近衛敏明が、ヘイコラする満州人の間を鷹揚に闊歩して退屈なギャグを飛ばしまくるというだけの、正視に耐えない愚作。 [review][投票]