根上淳の映画ファンのコメント
ゑぎのコメント |
細雪(1959/日) | 大映・島耕二版はシーンの繋ぎを短いディゾルブで処理し淡い色を付けたり、室内シーンで(それは京マチ子の邸宅の中でも)照明とフィルターワークを凝ってみたりと一所懸命やろうとしているのは判るのだが、題材とマッチしていない。 [review] | [投票] | |
浅草紅団(1952/日) | 全体にかっちり作られている。何と云っても、2つの劇場での舞台シーンが、いいタイミングで挿入されるのが楽しい。タイトルは紅龍子という京マチ子の役名からとったもので、剣劇を中心にする芝居を見せる。 [review] | [投票] | |
母のおもかげ(1959/日) | これが清水宏の遺作か!いやあ、演出力の格の違いを見せつけられた気がした。 [review] | [投票(1)] | |
妻は告白する(1961/日) | シネスコの画面左に男の顔。来たぜ!レンズを3つ付けた16ミリのシネカメラ(ボレックスみたいな)を回し始める。裁判所の前。画面右奥にもカメラを回す男がいるディープフォーカス。 [review] | [投票(1)] | |
殺されたスチュワーデス 白か黒か(1959/日) | 冒頭は、殺人事件の容疑者、指名手配の修道士が出国する空港でのシーケンス。続いて場面は、中禅寺湖での死体発見シーンに遡り、序中盤は、警察と報道機関の捜査や事情聴取のシーンが続く。 [review] | [投票] | |
からっ風野郎(1960/日) | 勿論ラストのエスカレーターでの一人芝居(「たたら」を踏む!)を筆頭に三島由紀夫を面白がることが本作の楽しみ方だとは思うのだが、文豪の演技を楽しむだけでは勿体無い、良い場面が散りばめられている。増村保造の仕事としては中程度かもしれないが、それでもとても面白い映画だ。 [review] | [投票(2)] | |
稲妻(1952/日) | これも成瀬巳喜男らしく広げたプロットを全て広げっぱなしで閉じてしまい、問題が何も解決されない映画なのだが不思議と幸福感がある。中盤からはずっとニヤケっぱなしで見てしまった。まず、高峰秀子がどのシーンもとても可愛いので嬉しくなるが、ただ、本作の肝は母親役の浦辺粂子だ。彼女があの奇跡的な稲妻のカットを導く。 [review] | [投票(8)] | |
川のある下町の話(1955/日) | 全編の8割ぐらいは、あおり、つまり仰角ショットだ。特に病院内等の室内で目立つ(天井が映る)。あとの2割はほゞ俯瞰。目線の高さの水平のショットはほとんどない。 [review] | [投票] | |
暖流(1957/日) | 門が開いて、病院の塔へ寄って行くクレーン撮影?斜め上へゆっくりと上昇移動する。このショットにクレジット。エンディングもこの逆回転のようなショットで締められるという落ち着きの良い構成だが、本編は全然落ち着いていない。 [review] | [投票(1)] | |
大菩薩峠(1960/日) | ラスト近く雷蔵と山本富士子が二人きりになる部屋でのテンションは文句無く素晴らしい。こゝは内田吐夢版の同シーンよりも傑出していると云えるだろう。霊的存在を画面に出さずに強烈に印象付ける三隅演出の手腕は怪談ものとして見ても第一級だ。連作として次作に繋げるクロスカッティングもこれはこれで見事なものだと私は思う。 | [投票] | |
牝犬(1951/日) | あゝ、素晴らしい!京マチ子!対して、志村喬は、中盤までは真面目過ぎる演技でイマイチ面白くないと思っていたが、ラスト近くになって鬼気迫る演技を見せる。やっぱり凄い。『嘆きの天使』の見事な翻案だ。 [review] | [投票] | |
蜘蛛の街(1950/日) | 設定はいい加減なのだが、しかし画はよく撮られている。男の子が団地の階段を上がるカットがクレーン撮影、なんてところも、まさかこゝでクレーンが出てくるとは思ってもみないので吃驚してしまう。 [review] | [投票(1)] | |
女経(1960/日) | オムニバス三作。これが三作ともなかなかの出来。中でも、実を云うと市川崑編が一番気に入った。 [review] | [投票(3)] |