フランシス・マクドーマンドの映画ファンのコメント
ゑぎのコメント |
ムーンライズ・キングダム(2012/米) | 徹底したシンメトリーな構図と縦横無尽なトラベリング。特に横移動カットの多用。アクション場面の漫画のような簡潔なカット割り。超ロングとアップカットの対比。このようなウェス・アンダーソンの画面の特質が、少年と少女の逃避行という題材とマッチし、もう全てが奏功したと云いたいぐらいの、とてつもなく可愛い映画だ。 [review] | [投票(3)] | |
あの頃ペニー・レインと(2000/米) | これは悪くない。とてもきめ細かな演出で好感が持てる。映画を見ながら時折「これならシナリオを読んだ方が面白いんじゃないか」と思えることがあるのだが、この映画はそんな類の映画ではない。キャメロン・クロウの演出家としての創造性、撮影現場での創意を感じさせるシーンが沢山ある。 [review] | [投票(7)] | |
ファーゴ(1996/米) | マクドーマンドと旦那とのやりとりや日系の旧友とのやりとり等、少々鼻につく部分もあるが「映画は物語ではなく良いシーンがあればいい」という確信が見える。忘れがたい面白いシーンがいくつもある。ブシェーミは勿論、ピーター・ストーメアが良い。 | [投票(1)] | |
スリー・ビルボード(2017/米=英) | ラストもいい。このラストでポイントを上げる。このカットで終わればいいな、と思っているカットで終わる。 [review] | [投票(9)] | |
犬ヶ島(2018/米) | 墜落する一人乗り機、ゴンドラ、カゴ等の宙吊りのモチーフ。これらを含めて極めてアナログ的な、面倒臭そうな仕組みが尊重される世界観が面白い。あるいは、犬もアタリも、いちいち目に涙を溜める描写が強調され挿入される細部も、人間臭い、心の通ったキャラクタリゼーションを印象付ける。 [review] | [投票(2)] | |
ノマドランド(2020/米) | 貸倉庫の中に置かれたカメラから撮ったカット。ドア(シャッター)が開き、マクドーマンドが現れる。エンディング(正確には最後から2番目のカット)はエンパイアの社宅の中のカメラから、ドア外を撮ったカット。マクドーマンドが屋外へ出て行く。 [review] | [投票(9)] | |
ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022/米) | 佳編。溶明前に少女の独白。これはオーチャ−ケイト・ハレットの回想モノローグだ。メインのプロットは、ほゞ丸1日のお話だが、この日から見れば、後に生まれる赤ちゃんに向かって語りかけられた独白だ。なので、本作は、オーチャの回想を映像化した映画だ。 [review] | [投票] | |
ヘイル、シーザー!(2016/米) | コーエン+ロジャー・ディーキンスとしては、中程度の出来、というか、いかにも肩の力を抜いてリラックスして作ったという感じがするが、しかし、映画ファンとしてはとても嬉しい映画への愛と侠気溢れる作品だ。 [review] | [投票(4)] | |
フレンチ・ディスパッチ(2021/米) | 何という情報の質と量。俄かには処理できないが、簡単に云えば、めっちゃ面白くて美しい、という(陳腐な)感想に尽きる。ただし、こゝまで来ると、愛好者をターゲットにし過ぎているのではないか、という思いも起こる。いや愛好者が増えてくれればいいのだが。 [review] | [投票(1)] | |
ミラーズ・クロッシング(1990/米) | しかし見事な演出だと思う。ホークスやヒューストンの暗黒映画みたいであったり、『未来世紀ブラジル』を想起させたり、ラストは『第三の男』であったりと、映画的記憶がいっぱい詰まっている。アルバート・フィニーのこのキャラクター造形!ジョン・タトゥーロのこのキャラクター造形!お見事です。 | [投票] | |
デブラ・ウィンガーを探して(2002/米) | カトリン・カートリッジとシャーロット・ランプリングが二人して登場する呼吸には心震えるものがあった。正直泣きそうになったぐらいだ。後半に至ってアークエット姉妹のプロモーション映画のような印象を持ってしまうし、もとより一貫性に欠けるドキュメンタリーだが、意外と嫌味が無く好感が持てる。 | [投票] | |
ブラッドシンプル(1985/米) | 突然投げ込まれる新聞の、その唐突さが素晴らしい。探偵役のM・エメット・ウォルシュが実にいい。そして、ラスト・カットのキレの良さ!『ファーゴ』を彷彿とさせるお話ですが、『ファーゴ』よりもこちらの方が上だと思う。 | [投票(1)] | |
バーバー(2001/米) | ビリー・ボブ・ソーントンの風情が圧倒的に素晴らしい。このエド・クレインというキャラクターの造型は映画史上に類例の無いものだろう。聡明さと馬鹿らしさ。寡黙と饒舌。複雑さと単純さ。ヒロイズムとアンチヒロイズム。とても格好良く同時にとても格好悪い。そして何よりもとても愛おしい。 [review] | [投票(12)] | |
ダークマン(1989/米) | このように、とても一所懸命に作ったことがありありと判る、熱意と創意の伝わる映画は大好きだ。この映画のハイライト、ヘリコプターに吊り下げられたままビルの谷間やハイウェイを飛ぶダークマンのシーンは、驚愕するくらいアイデアが詰まっている。 | [投票(6)] |