★4 | 間違いなく戦争と殺戮が背景にある物語であるのに、画面いっぱいに満ち溢れる幸福感。ナチスの宣伝映画を撮ったレニ・リーフェンシュタールは「私は政治には全く興味はなかった。興味があったのは美だけ」と言ったそうだが、この映画にもそういう精神性を感じる。 (太陽と戦慄) | [投票(3)] |
★5 | 『ポニョ』に立ち込めていた死の匂いが転化し、老境の官能とでも呼ぶべき鮮やかさが全編に漲っている。傘、帽子、雨、雪、火事で舞う火の粉、煙、流れる雲、そして飛行機。それらを包む「風」。文字通り「風が立つ」瞬間を可視化させるための、一連の浮遊物。飛翔と風に対する狂おしいまでの表現欲。嗚呼、説話の経済的効率など大空の向こうへ吹っ飛ばす、瞬間瞬間のみの運動に立脚した宮崎駿の最新作はやはり傑作であった。 [review] (赤い戦車) | [投票(6)] |
★4 | 宮崎駿監督の夢が凝縮された力作。ちょっと違和感を感じる点もあるが、その弱点を補って余りある潔さと"ワクワク感"。
[review] (ワトニイ) | [投票(1)] |
★4 | おそらく、思想的な感情の表出を最低限にとどめ、さらにプロット展開も極めて直線的なものとし、映画らしい画面の躍動に純化しようとしたのだ。この志向は実に好ましいと思う。
[review] (ゑぎ) | [投票(7)] |
★5 | 恋も仕事も限定期間の最も美味しい部分のみを抽出し、人の一切の邪心・悪意は隠蔽される。水彩画のように儚い今際の際の美しいだけの思い出は、それでも黄泉の国と隣接し境界は融解してる。出会いと再会の場に於ける風の突発的な表現は鮮やかというしかない。 (けにろん) | [投票(6)] |
★3 | 無邪気な映画である。夢のシーンが頻出するのも、歴史的現実を題材にしながらも奔放なイマジネーションの推進力だけで飛翔していくこの映画の無邪気さの免罪符、とまでは言わなくとも、無邪気さの純粋さと残酷さと無倫理性の証しだとは言える。 [review] (煽尼采) | [投票(3)] |