★4 | 冤罪事件を描いて、絶望の淵に蹴落とされる『真昼の暗黒』と比べれば、本作は夜中でも独り観られよう。 [review] (G31) | [投票] |
★3 | ごくシンプルに、FBIによる思い込み捜査と、ろくに独自調査もせずにそれを鵜呑みにしたマスコミによる犯人扱い報道の非道さを描いている。 [review] (シーチキン) | [投票] |
★4 | クリント・イーストウッドの『間違えられた男』。「濡れ衣」「取り違え」もイーストウッド的主題だ。むろん彼の作品歴でも屈指の傑作たる『ミスティック・リバー』『チェンジリング』に伍する作劇の殺傷力は望めないものの、それらが忘れていた二の句を失わせる催笑演出でシーンの活性化が図られている。 [review] (3819695) | [投票(5)] |
★4 | 反撃だ!と気合入れたって怒涛の展開なぞ起こらない。現実とはそんなもんさという枯れた達観が映画からアクを拭い去る。悪意や偏見という撃つべき対象への剥き出しの憎悪も影を潜める。その最早境地としか言いようがない掌の上で役者たちは十全に自走してる。 (けにろん) | [投票(5)] |
★4 | 冤罪の理不尽さもさることながら、主人公が終始ナメられ軽んじられているのが見ていて辛いが母親と弁護士の存在に救われる。やられっぱなしじゃなく一矢報いる展開もあるものの溜飲が下がるというほどのカタルシスはなく、そこがまたリアルで身につまされた。 (太陽と戦慄) | [投票] |
★3 | あまりにも凡庸なその人物に、タイトル「リチャード・ジュエル」は事件の名であって人物の名ではない、かと思わせつつ、しかしやはり最後は人物の名として腑に落ちる。「母親と暮らす醜いデブ」にも五分の魂を見出しえるか否か。描き出される人物への距離が、寄らず離れず、たがそれが映画の品になる。それが演出家にとって欺瞞のない距離だからだろう。 (鷂) | [投票(1)] |