★2 | 悪徳の栄え(1988/日) | 戦争の影がひたひたと忍び寄る昭和10年の東京。不知火侯爵(清水紘治)の晩餐には夜な夜な女伯爵(米沢美智子)、裁判長(寺田農)、金貸し(石橋蓮司)が集まり、おのれが犯した悪徳の自慢話に花を咲かせていた。不知火邸内には劇場がしつらえてあり、そこで侯爵は妻(李星蘭)と男(牧野公昭)にサドの『悪徳の栄え』を演じさせ、賓客たちに彼らの性交を覗かせるのであった。だが、男と妻の絆は次第に真正のものとなってゆき、侯爵はジェラシーを募らせてゆく…。〔日活/96分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | 野良犬(1973/日) | 70年代の横浜。村上刑事(渡哲也)は女性への職務質問中に六人組のチンピラから拳銃を奪われ、「危険」マークのついたクルマで逃げられた。重大な過失から村上は保護監察を受け、佐藤刑事(芦田伸介)がナンバーを外したクルマの尾行を図る村上の手伝いをしてやることになった。だが犯人の行方は杳として掴めず、彼らが叫んでいた琉球弁のみを手がかりに聞き込みは続けられた。そして村上は佐藤の家での謹慎を命じられるのだったが、拳銃が使われた事件の勃発とともに家を飛び出す。佐藤と合流した村上は、琉球民謡を口ずさむひとりの少女(中島真智子)に怪しいものを感じとるのだった…黒澤映画に大胆なリニューアルを施した問題作。〔松竹/104分/カラー/シネスコ〕 | [投票] |
★2 | 悲しき60才(1961/日) | 九左衛門じいさん(坂本九)がトルコから日本へ帰ってきた。現地で儲けた金だけが目的の親戚とは違い、優しく迎えてくれたのはお加代ばあさん(森山加代子)だけだった。わびしく食事中、入れ歯を喉に詰まらせた九左衛門の魂は天へと飛び、天使のジェリー(ジェリー藤尾)に全財産をはたいて生き返らせてくれと頼む。かくして電器屋の九助(坂本二役)の体を借りて甦った彼は、金に見放された人生を手に入れたのだった。加代子(森山二役)と母親のためにボクサーを続ける藤夫(藤尾二役)は、八百長がバレてボクサー生命を絶たれた。その弟・九助はけなげにその後を継ぐのだが…。〔大映東京/71分/カラー/シネスコ〕 | [投票] |
★1 | ラストコンサート(1976/伊=日) | かつて天才の名を欲しいままにしたピアニスト、リチャード(リチャード・ジョンソン)は、今や場末のピアノ弾きに身を落としていた。そんな彼が出会った少女、ステラ(パメラ・ヴィロレージ)はいかにも幸福な人生を満喫しているようだったが、その陽気さの裏に死病の影を隠していた。父と子のように年の離れたふたりは、次第に恋人同士のように親密になってゆく。ステラの励ましに応えるように、奮起したリチャードは一曲のコンチェルトを書き上げ、発表しようとする。しかしそうしている間にも、ステラの病状は刻一刻と悪化してゆくのだった。(94分/カラー/ヴィスタ) | [投票] |
★4 | メガゾーン23 PARTII 秘密く・だ・さ・い(1986/日) | 偽りの都を内部に秘めた「メガゾーン」は、外宇宙の敵といつ終わるとも知れない闘いを繰り広げつつ、安住の地を求めて宇宙を進行していた。司令官たるB・D(塩沢兼人)も、惨殺されてゆく部下たちにただ指示を与え続けるのみであった。一方、世界の秘密を知り一時は敗北感に打ちのめされていた矢作省吾(矢尾一樹)は、暴走グループ「トラッシュ」に身を寄せていた。彼はあれ以来顔を合わせていなかった高中由唯(川村万梨阿)と再会したものの、ふたりの間に横たわる壁になす術もなかったのだ。そんな時、ラジオが時祭イヴ(宮里久美)のSOSコールを流し始める。「トラッシュ」は動き出そうとしていた。作画監督:梅津泰臣。〔80分/カラー/ワイド〕 | [投票] |
★4 | どっこい生きてる(1951/日) | 「東京ブギウギ」が鳴り渡るドヤ街。今日も職安に人々が殺到する。毛利(河原崎長十郎)が仕事にありつけず帰ってみると、彼の家が取り壊しに遭うと地主に聞かされる。やっと仕事を見つけたその日には、女房のさと(河原崎しづ江)は子供たちを連れて田舎へ帰ると決めていた。はしゃぎつつ帰郷する電車内の子らを尻目に、毛利はニコヨン生活へと戻ってゆくのだった。そんな折、旋盤工募集のポスターを見た毛利は、わき目もふらずその工場へ出かけ、自分の腕を認めてもらうことに成功する。仲間たちからのカンパを受け、給料日までの食費を稼いだ彼だったが、翌日工場を訪れてみると…。〔新星映画/103分/モノクロ〕 | [投票] |
★3 | 台風騒動記(1956/日) | その年、富久江町を大規模な台風13号が襲った。町長(渡辺篤)や町会議員(三島雅夫ら)は台風被害の助成金を受け取るべく議論していたが、小学校をぶち壊せば補助金が得られるとの暴論にまで発展した。被災した子供たちの援助に忙しかった妙子先生(野添ひとみ)は学校破壊の暴挙に怒り、代用教員の務先生(菅原謙二)にもその糾弾に協力を願うが、臆病すぎる彼に幻滅するのだった。そして学校取り壊しの日、大蔵省の調査員とおぼしき余所者(佐田啓二)が町にやって来た。町長の妻は見逃してもらおうと酒と料理でごまかそうとする。町会議員は札束を差し出し、芸者を寄り添わせる。だが、その男の正体は…。〔松竹/107分/モノクロ〕 | [投票] |
★3 | 原子力戦争 Lost Love(1978/日) | 原発のある大浜海岸で心中死体が打ちあげられた。この事件がもみ消されたことで、新聞記者・野上(佐藤慶)はこれが特ダネになると確信する。同じ頃、「青葉のぞみ」という女のヒモだった坂田(原田芳雄)が消えた彼女を探していた。家族たちは娘の安否について黙して語らないが、妹のつばさ(風吹ジュン)だけは何かを言いたげであった。そんな時、坂田の前に野上が現われ、のぞみと原発の技師が心中死体の正体だと告げる。そして野上が取材に勤しむ頃、坂田は死んだ技師・山崎の妻(山口小夜子)の誘惑を受けていた。この事態、何かウラがありそうだ…。〔ATG/106分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | 乳房(1993/日) | サブ(竹中直人)は病床の里子(及川麻衣)を矢沢永吉の物真似で励ます。立原(小林薫)は彼女のために好きな蕎麦を食べさせてやる。里子が白血病であること…そのことが、ふたりを妙に親切にさせていた。コンサートディレクターとして、照明係の里子に怒声を浴びせていた立原。彼はその裏では、酒と女に溺れる典型的な不良中年だった。妻にも愛想をつかされて自暴自棄になっていた立原を大きく包んでくれたのが里子だった。だが、彼と結婚して間もなく彼女を病魔が襲う。里子は囁く、「あたしは子供なんて要らないから…パパ、あたしがあなたの子供になってあげるね…」。〔東映/57分/カラー/ワイド〕 | [投票] |
★2 | 1980 イチキューハチマル(2003/日) | 1980年、ジョン・レノンが死んだその翌朝に、B級アイドルのレイコ(ともさかりえ)は英語科の教育実習生として星降高校にやってきた。その姉で教師のカナエ(犬山犬子)は彼女の恋愛依存症に、妹で高二のリカ(蒼井優)は彼女の教師としての適性のなさにそれぞれ危惧を抱くのであった。だが、レイコ、カナエ、リカともにそれぞれ人には言えない当面の悩みを抱えている点では一緒だった。アイドル暴露本を出すマネージャーにやきもきのレイコ、夫の風俗通いの度が過ぎるカナエ、自主映画でオールヌードになることを強要されるリカ…乙女心を踏みにじる奴らに姉妹の怒りは頂点に達するのだった。〔123分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 誰も知らない(2004/日) | そのアパートに引っ越して来たのは、軽いノリの母親・けい子(YOU)、そしてしっかり者の長男・明(柳楽優弥)のふたりだけの筈だった。やがてアパートに届けられた荷物から、長女・京子(北浦愛)、次男・茂(木村飛影)、次女・ゆき(清水萌々子)が顔を出す。彼らはいずれも父親の違うけい子の子供であり、子供の騒がしさを嫌がるこのアパートには届け出ていない家族たちだった。けい子は子供たちを学校にも通わせず、明に家事を任せてずっとやってきたのだ。だが彼女のいつもの浮気の虫が騒ぎ出し、明に全てを託してわずかな金を残し雲隠れしてしまった。この日から、四人兄弟の一見平穏だが過酷な日々が始まる。〔141分/カラー/ヴィスタ〕 [more] | [投票] |
★3 | 猿飛佐助(1955/日) | 天下の悪童・猿飛佐助(フランキー堺)は女たらしで村の厄介者であった。彼は親友の清海(市村俊幸)とともに鷲塚家の息女・かめ女(矢吹寿子)の夫に選ばれるが、あまりの醜女ぶりに逃げ出し、松代藩の足軽になった。そこで鷲塚家の人質になっている白菊姫(遠山幸子)に出会った佐助は、その不幸にいたく同情して彼女をかばい、かんざしをいただく。しかし姫は山賊に攫われ、佐助は奪い返そうとし銃で撃たれて生死の境をさまよった。その彼を救ったのが戸沢白雲斉(小川虎之助)であり、佐助は彼に仕えて忍術を学んだ。いつの日か白菊姫を救い出すために…。佐助はかんざしを抱き、姫の面影に誓うのであった。〔日活/97分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★1 | スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねぇ(1962/日) | 信一(川口浩)と春夫(川崎敬三)は、それぞれに家族の期待を一身に集めて日の丸商事に入社した。同じ部屋に下宿することになった二人のうち、信一はあくまでガメツく生きる男、春夫は何につけてもお調子者の男だった。課長(ハナ肇)はそんな彼らを含めた「七人の侍」こと新入社員たちを閻魔帳片手に睨みつける毎日なのであった。そして二人は、英語学校で社長令嬢のルリ子(浜田ゆう子)と出会う。信一と春夫は、彼女とともにアメリカに赴く随行員の地位を賭けて、火花を散らすのであったが…?〔大映東京/69分/カラー/シネスコ〕 | [投票] |
★4 | 父と暮せば(2004/日) | 広島に原爆が落ちて以来三年。美津江(宮沢りえ)は図書館に勤めながら、おのれひとりが無傷で生きていることに負い目を感じるように、ひっそりと生きてきた。そんな彼女が、図書館をたびたび訪れる大学助手・木下(浅野忠信)を想いながら、その感情を押し殺していることに業を煮やした父・竹造(原田芳雄)は、亡霊となって娘の前に現われる。美津江の「恋の応援団長」を自認する竹造はあるいはユーモラスに、あるいは力強く娘を励ます。だが、「自分は幸せになってはいけない」と思い込む美津江は、頑として父の助言を聞き入れないのだった。〔99分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票(1)] |
★2 | 裸の大将放浪記 山下清物語(1981/日) | 勉強せずとも文句を言われない山下清少年(南沢一郎)はいじめに遭っていた。母(中村玉緒)に「兵隊の位なら大将になれ」と諭された清は、反対に暴力的な少年になり、特殊学校に移される。そこで彼は、貼り絵では天才的な力を発揮し、画壇でも「日本のゴッホ」と賞賛されるに至った。しかし学校の窮屈さが嫌になった清青年(芦屋雁之助)はそこを抜け出し、あてもない旅に出る。下男、弁当屋など職を転々としながら放浪し、兵役検査も切り抜けた彼。だが戦後、再び彼の名声が上がるとともに、それを利用しようとする者は後を絶たなくなるのだった。〔松竹=現代プロ/117分/カラー〕 | [投票] |
★3 | エノケンのちゃっきり金太(総集編)(1937/日) | 1867年、明治維新も近づく頃。江戸の一角では名うてのスリ、ちゃっきり金太(榎本健一)が活躍していた。巾着切りで儲けた金を、金太はすべて博打に費やしていた。ところがある武士たちから掏り取った財布の中には、薩摩藩の密書が忍ばせてあったのだ。追われる身となった金太。その場は逃げおおせたものの、岡っ引きの倉吉(中村是好)に現場を押さえられてしまった。だが、倉吉を押しとどめ金太を追う薩摩侍たち(南弘一ほか)。金太と倉吉は奇妙な縁で急ぎの道行きを続けるのであった。〔東宝/72分/モノクロ〕 | [投票] |
★3 | 九ちゃんのでっかい夢(1967/日) | スイス。貴婦人クリスチーネはかつての恋人の孫・源九太郎(坂本九)に巨額の遺産を残して息絶えた。その親戚アラン・ポー(大泉滉)は殺し屋カルダン(E・H・エリック)に九太郎の殺害を依頼する。その頃横浜では、当の九太郎がミュージックホールの穴埋め芸人をしながら人生をはかなんでいた。喫茶店の看板娘・愛子(倍賞千恵子)を思ってはいたのだが、船員の清彦(竹脇無我)と幸福になって欲しいと願うのだった。それというのも、彼は死病にむしばまれ、あと少しの命だからなのだった…。時を同じくして、貴婦人の弁護人バルタザール(ジェリー藤尾)も遺産を届けようと九太郎を探していた。〔松竹大船/89分/カラー/ワイド〕 | [投票] |
★3 | 油断大敵(2003/日) | 関川(役所広司)は駐在から泥棒専門の刑事になって一年。妻を失い、ひとり娘の美咲(菅野莉央)を男手ひとつで育てる多忙な日々を送っていた。娘が盲腸を患ってもろくにかまってやれず、犯人逮捕の現場にもひと足遅れて到着する。そんなどっちつかずの二足のワラジ生活のなかで、知る人ぞ知るプロの大泥棒・猫田(柄本明)を捕まえるという、どでかい仕事を成し遂げた関川。猫田は並の刑事の前では尻尾を出さない男だったが、実直な関川に惚れ込んだ彼は、犯行を語るとともに、泥棒のテクニックを詳しく教えはじめるのだった。〔110分/カラー/アメリカンヴィスタ〕 | [投票] |
★5 | 茶の味(2003/日) | 花の春。田園地帯に在る春野家の長男ハジメ(佐藤貴広)はまたしても失恋し、失恋エクスプレスが頭蓋を通り抜ける思いを味わった。妹・幸子(坂野真弥)はところ嫌わず出没する自らの巨大な分身に苛立つ。昔鳴らしたアニメーターへの復帰を図る母・美子(手塚理美)、冴えない催眠治療士の父・ノブオ(三浦友和)、ミキサーの仕事以外は遊び暮らす叔父(浅野忠信)とCD進出を目論む漫画家の叔父(轟木一騎)、そして変人のオジイ(我修院達也)。いまいち憂鬱な春を通り過ぎる家族は、それぞれに打開点を発見し、おのおのの道を自ら見出してゆく。〔143分/カラー/ヨーロピアン・ヴィスタ〕 | [投票(1)] |
★2 | スチームボーイ(2004/日) | 19世紀半ばのイギリス。発明王一家のスチム家には、祖父ロイド(中村嘉葎雄)、父エドワード(津嘉山正種)に次いで少年レイ(鈴木杏)が健やかに育っていた。だがある日、エドワードとともにアラスカで研究に勤しんでいる筈のロイドから謎の金属球と手紙が届く。「これを誰にも渡してはならぬ」と…。それを追うかのようにオハラ財団の使者がスチム家を訪れ、暴力的にこれを奪おうとする。金属球の正体とは何か?それを考える間もなくレイは追跡劇に巻き込まれ、万国博に沸くロンドンへ。そこに待っていたのは父エドワードだった。そして彼は「スチームボール」を財団のため役立てようとしていた。作画監督:外丸達也。〔東宝・サンライズ/126分/カラー〕 | [投票] |