A | ★5 | ハード・トゥ・ダイ(2000/米) | 惜しみなく消えゆくナイス・キャラ達が皆良く話の展開が全く全く読めない素晴らしさ。ジョン・ウーのハングリースピリッツを継承し無節操な男節を歌い上げる注目株スコット・ワイパーに泣け!その熱波が伝播しとにかく皆とことん入れ込んでる男騒ぎ。 | 投票 |
A | ★5 | ぼくの伯父さん(1958/仏=伊) | 一芸だけを只管な拘りと信念で繰り返し続けた孤高の作家の理想的到達点。独善的な文明批判と潔癖主義なユーモアは軽妙な音楽と膨よかな色彩で丸められ、更に少年視線によって客体化される。ある意味、無欲な享楽や逆しまな愚鈍はファシズムと紙一重なのだが。 | 投票(1) |
A | ★5 | 島国根性(1990/日) | 極めて日本的私小説世界を描いても他の同系作品から遙かな地平に到達し得たのは渡辺文樹作であったという1点に尽きるとは思うが、とにかく腹を抱える事請け合いの抱腹絶倒ムービー。全てを曝け出すこいつの前で小手先の脳内映画は総てひれ伏すしかない。 | 投票 |
A | ★5 | 地球は女で回ってる(1997/米) | フェリーニのようなものではなく混沌とした内実が希求する表現が深層のところで合致し吹っ切れた領域に突入したアレンの里程標。ゲスな女狂いは必至こくメガネ親爺の七転八倒によって緩衝され小説世界のナンセンスと混濁してフィナーレに雪崩れ込む。 | 投票(1) |
A | ★5 | 市民ケーン(1941/米) | ヒッチ的マクガフィンと等価の「バラのつぼみ」。ケーンはウェルズに本気で語られる対象ではなく、己の内の圧倒的表現渇望を吐露する方便でしかない。真の天才とキャリア終焉期の老獪な撮影者との邂逅。パンフォーカスに留まらぬ超絶技巧の釣瓶打ち。 | 投票(1) |
A | ★5 | ソナチネ(1993/日) | ルイ・マル『鬼火』と並べてもいい「死にたい男」の厭世観が蔓延するキタノ・ブルー代表作。死に場所を探すでもなく唯待ち続ける倦怠感が沖縄の海と空の空虚さに助長される遣り切れなさを精緻に描いて奇跡的な達成度と思う。 | 投票(7) |
A | ★5 | モダン・タイムス(1936/米) | ラング・クレールの延長線上に立脚したチャップリン集大成にして最高到達点。工場とスケートリンクの至宝級の芸に加えて「悪声」の不協和音爆弾が歴史を刻印する。ドライなユーモアと程良いペーソスが絶妙の配合。完璧である。 | 投票(4) |
A | ★4 | ロッキー2(1978/米) | 前作の成功を受けつつも未だ清新な気持ちを保ちつつで望んだであろう本作。どん底の寂寥感は消失したが予算は増えて終局へのカタルシスは倍加した。ファイトシーンの装置を含めた圧倒的質量感。スタローン自らの演出も予想外に過不足なきシリーズ最高作。 | 投票 |
A | ★4 | 鉄道員(1956/伊) | 人の営為なんて苦難続きなのだが、問題を若干は解消し大半は折り合いつけ生きていく。そして、ささやかな未来への展望に安堵するのだ。少年の真摯や姉の憂いや兄の反抗や母の慈愛が錯綜し軋轢が生じるが親爺はギターを爪弾き目を閉じる。慎ましやかで泣ける。 | 投票(1) |
A | ★4 | から騒ぎ(1993/米) | ブラナーとトンプソンのいちゃいちゃもワシントンとキアヌが兄弟という適当さも、馬鹿騒ぎなハイテンションで突っ走る展開の中で、どうでも良くなっていく快感。下手な現代的再解釈ものより本質をわきまえていると感じた。 | 投票(4) |
A | ★4 | レッズ(1981/米) | リーン映画のようなロマンティシズムは希薄だが、2年をかけストラーロと行脚した実インタビューを起点とする意外な腰の据わり方やニコルソンやハックマン等ニューシネマ人脈の参画等ベイティプロデュース力が米映画の底力を引き出した。 | 投票(2) |
A | ★4 | 息子の部屋(2001/仏=伊) | 喪失がもたらす長い閉塞感のトンネルを抜け、日常から隔絶した海岸の国境検問所で互いの顔を見合わせ笑顔を交わす3人。何も解決されたわけではないのだが取り敢えずはここで観客も一気に開放される。これからの長い道のりを暗示するラストも含め秀逸だった。 | 投票(2) |
A | ★3 | 座頭市(1989/日) | 10余年のブランクを経て待望のと言うより結局それっきゃないかの煮詰まりが勝専制下の閃き統御で払拭されたとも思えぬがのり平から裕也に至る横断的キャスティングの多彩が歪な活力をもたらしている。雄大もいい味出してるのに不幸だった。 | 投票 |
A | ★3 | バッファロー’66(1998/米) | カサヴェテスや小津へ尻尾を振れば欧州発NYインディーズの一丁上がりとでも言いた気な浅薄さ。ギャロが天然なら可愛げもあるのだが。どっちにしても、ナイーブ野郎が真の愛を得るまでのお話ってか?…甘ったれてんじゃないよアホ。 | 投票(4) |
A | ★3 | 狂わせたいの(1997/日) | リンダやみちよの70年代歌謡に郷愁を感じたかったのだが刑務所の面会所での「他人の関係」だけが強烈に画面とフィットしただけで、あとはどうも何か違う感じだ。寺山の暗部とフェリーニの陰部を足し廉価に俗で割った挙句に内向している。 | 投票 |
A | ★3 | ウーマン・イン・レッド(1984/米) | 気が弱いのか強引なのかよくわからん主人公も不倫を扱いながらサラリと流すブラックな背徳も題材としては面白いのだがどうにも微温的でパンチが無いのでナンセンスは自走し損ねる。全盛期のメル・ブルックスならと思わせたビリー・ワイルダー的世界。 | 投票 |
A | ★3 | 最後のブルース・リー ドラゴンへの道(1972/香港) | 蹴り上げた足先で瞬時にこなす2つの動作に目を疑い、殴り蹴る際の烈迫の気合は「闘う」ことの初源的な意味を思い知らせる。バレエの如き振付けクンフー映画では味わえない本物の興奮。敵役ノリスの扱い良く、リーの三文芝居もご愛嬌で許せる。 | 投票(4) |
A | ★2 | インテルビスタ(1987/伊) | 『ローマ』や『道化師』で遣り尽した筈のドキュメントとフィクションの融合を今更ながらに又も繰り返し尚且つ先鋭さを失い弛緩している老醜ともいうべき作品。ここには光明の欠片も無い。同じことを繰り返す老人の自慢話に付き合わされるのと同じうんざり感。 | 投票(1) |
A | ★2 | バレット・バレエ(1999/日) | モノクロ撮影が塚本初期のテイストを匂わすが、やってることもまんま同じで、うんざり感も弥増す。何より抗チンピラ戦が女ごときにコロッときて、いつしか抗井川ヤクザにすり代わってしまうのでは勃ったもんも萎む。破綻を描く自らが破綻した帰結。 | 投票 |
A | ★2 | ズーランダー(2001/独=米=豪) | 内輪でやってる感が強固に過ぎて不愉快だ。大体肝心のキメ顔ってのが丸っきり面白くないし、パロディやるなら徹底的にやってほしいのに学芸会レベルの茶番でシラける。構成も敵役と仲良くなっちまうのが早過ぎて手緩い。ガソリンスタンドの場面だけは笑った。 | 投票 |