★5 | ダークナイト(2008/米) | 見た瞬間、直覚的に“カオス”を感じた。20世紀の思想に見られるような、構造主義的な思索の結果ではなく、純直覚的に、である。しかし、後になってこの作品の構造を見返してみると、構造主義の“カオス”の理論と完全に一致が見られるのは非常に興味深い。この作品は5回ほど見ているが、回を重ねるにつれてこの念は強くなるばかりである。
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★4 | スター・トレック(2009/米) | 指揮系統の判断に物語の展開を任せるところ、非常に理知的な設定である。しかし、理知的な設定でありつつも、この監督はしっかりとアクションシーンを織り交ぜてくることを忘れない。 [review] | [投票] |
★4 | マーティ(1955/米) | だらだら見てしまえばお手軽な恋愛映画であるかもしれないが、実際には現実への透徹した視線で貫かれている、少し怖ろしい映画。特に、アーネスト・ボーグナインを選んだことは非常に巧妙である。 [review] | [投票] |
★4 | 國民の創生(1915/米) | 音を消して鑑賞。映像にだけ集中。映画がいかにして独自の文法でナラティブを構成できるかという点に着目。エイゼンシュテインとの比較において。 [review] | [投票] |
★4 | からっ風野郎(1960/日) | 三島からは多少演劇臭がしたが、それは増村的な作風においてはあまり気にならなかった。というのも、やはりこの作品でも、増村は“個人”をその物語構成の根底に持ってきているからである。したがって、物語は、主に特徴的なキャラクターとキャラクター同士のぶつかり合いにおいて形成され、そのような中での三島の演劇的な誇張性は、キャラクターの印象を強く残すという点においてむしろ心地よくすらある。 [review] | [投票] |
★4 | 禁じられた遊び(1952/仏) | “恋愛”ではなく“崇拝”の観点から。 [review] | [投票] |
★2 | 空気人形(2009/日) | 例えどれ程人間の心が空洞化していたとしても、表現の世界において、ダッチワイフの人間化を完遂することは可能なのか? [review] | [投票(1)] |
★4 | 母なる証明(2009/韓国) | 最初のダンスは私たちに対する謎かけである。
「なぜ、監督はこのような演出をしなければなかったのか?」 [review] | [投票(2)] |
★3 | ミッドナイト・エクスプレス(1978/米) | 刑務所の悪臭が画面から漂ってきそうなまでの空気感を演出したのは見事だと思うが、作品の構成自体は非常に単細胞であると感じる。面白いが、人権の奪還の映画として観ることに、疑問が残る。 [review] | [投票] |
★4 | TOKYO!(2008/仏=日=韓国=独) | TOKYO!というタイトルを冠してはいるが、内容はその枠からはみ出し放題。それは、監督がこの三人だから。しかし、そのはみ出した部分こそが、この映画において最も魅力的な部分でもあるのだ。だって、監督がこの三人なのだから。“監督の個性への接近”を求める人にとっては、素晴らしい企画。 [review] | [投票(1)] |
★4 | 鬼畜(1977/日) | 親と子供の間に立ちはだかる現実の壁。緒方拳演じる父親(素晴らしい演技だった)は、決して“完全なる鬼畜”ではない。むしろ、社会的にも人間的にも、最も弱き存在として描かれている。彼の演技を通して、作中では常に「生活が維持できない時に、親はどのように子供と向き合えば良いのか?」という疑問が我々に投げかけられる。 [review] | [投票(5)] |
★4 | 青春の殺人者(1976/日) | 主人公と監督。二人の青春における挑戦はいかなる結末を見るのか。この作品は“等身大の作品”として、稀有の存在感を放っている。 [review] | [投票(3)] |
★4 | PERFECT BLUE(1997/日) | サイコサスペンスとしてかなり秀逸。主人公が精神的に追い詰められていく様は、製作者がその画を完全に統制することが可能であるアニメーションという技法によって、内包する閉塞感/恐怖をさらに増幅させ我々に迫りくる。 [review] | [投票] |
★3 | 人狼 JIN-ROH(1999/日) | 細かく表現された昭和レトロな街並みと赤ずきんをオーバーラップさせることで、この映画は古き時代を回顧するときに付きまとう哀愁を童話的なイメージの中に再現している。それは単なる懐古趣味にとどまらず、その内において語られる男の孤独な物語は、哀愁の中でより一層印象的なものとなる。感覚的なものではあるが、この辺りは雰囲気の演出として巧い。 [review] | [投票] |
★2 | 千年女優(2002/日) | 突飛な表現に頼った中身の薄い映画という印象。永遠を唄うならば、歴史に頼って欲しくはなかった。 [review] | [投票] |
★4 | WALL・E ウォーリー(2008/米) | 愛情を感じさせる“遊び心”に溢れた映画。アトムはピクサーが映画化しろ。 [review] | [投票(4)] |
★4 | イーグル・アイ(2008/米) | ちゃんと面白いじゃん。でも・・・ [review] | [投票] |
★4 | バトル・ロワイアル(2000/日) | 僕はまだ成人してないし、かといって子供というような歳でもない。よってこの映画で起こっていることは、大人や子供との対比としては、他人事だ。この利点を生かして、この度傍観者の立場で純粋にこの映画を楽しませてもらいます。不謹慎すか?笑 [review] | [投票(2)] |
★4 | オアシス(2002/韓国) | 主演の2人が障害を持った人でないと後で知って驚いた。それほどリアルに迫った演技だったように思う。特にムン・ソリの場合、それは今までの“常識”に挑戦することでもあった。「男の場合ならともかく、女優がこのような役をする訳がない」という常識に、である。そして見事に僕の常識は転覆させられてしまった。参った。 [review] | [投票(2)] |
★3 | 運命じゃない人(2004/日) | “なるほど”と何回も思わされたし、“よく出来ていて、面白い”というのが全体を見ての感想。ただ、観客を楽しませることに終始したためか、“面白い、巧い”以外にこれといった良さを見いだせなかった。僕にとってこの映画の鑑賞は、構成の巧さを淡々と確認していく作業に近い。 [review] | [投票(1)] |