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水那岐さんのコメント: 更新順

★3問題のない私たち(2004/日)事もあろうに、いじめっ子のリーダーが主人公である。そんな物語を陰険→爽やかへと持ってゆく強力無双の力技。設定はきわめて現代の少女に親しいものだが、ここまで突き詰めた認識は残念ながら少女漫画の中にしかありえないと感ずる。もしこの勇気を今の少女達が持てるのなら、それは素晴らしいことであるのだけれど。 [review][投票]
★3パッチギ! LOVE&PEACE(2007/日)根本的に作品全体を観れば、各エピソードの繋がり方が乱雑であり、井筒作品としても高い評価を下すことは出来ない。しかし、70年代から連綿と続く自己陶酔型戦争大作に果敢に挑んでいるという意味で、この作品は勇気ある挑戦作として認められる。 [review][投票(9)]
★3ジョニーは戦場へ行った(1971/米)総てから隔絶された主人公は、妄想の中にのみ擬似現実を見い出す。父、義父、婚約者、会社の上役、キリスト…。彼らは妄想の中でこそ生き生きとしているが、決して彼に何事もしてくれはしない。 [review][投票(2)]
★1バベル(2006/仏=米=メキシコ)堕落と腐敗の世界帝国・バビロニアの首都は現代では日本なのか。『真説・東京バビロン』とでも改題して上映するがよろしかろう。 [review][投票(15)]
★4あしたの私のつくり方(2007/日)ひとつの助走装置としての嘘。これは、他人事としての幸せな青春は見極められても、決して自分に適合させることのできない不器用な少女の、友情の助走だ。 [review][投票(3)]
★2新選組(1969/日)改めて人間臭い演技を身につけていた芹沢鴨役、三國連太郎の存在の大きさを知る。彼の消えた舞台にはスケールの小さな未熟者、そして偉大なる大根三船敏郎が残るのみであった。佐藤勝のセンセーショナルな音楽の鳴り響く中、チャンバラだけが堂に入った空虚なドラマが続いてゆく。[投票]
★4鰐〈ワニ〉(1996/韓国)キム・ギドクの画家という仕事への未練が垣間見られる。青く塗られた亀と手錠、水底の応接間、そして膨大な数の似顔絵たち…。 [review][投票(3)]
★2馬鹿が戦車でやって来る(1964/日)タイトルから昔感じたわくわく感のみに加点。ストーリーはタイトルを裏切る陰惨なムラ社会の悲劇である。こういう物語を軽い茶飲み話として片付ける山田洋次の偽善性を、自分は唾棄すべきものと感ずる。 [review][投票(3)]
★5狼少女(2005/日)大人のシステムから少しだけ離れたところで生き続ける子供たちは、毒と隣り合わせのところでグロテスクな振舞いを真似ながら生きている。それを模倣しているだけだと言い切れないところに彼らの辛さがある。 [review][投票(1)]
★0真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 激闘の章(2007/日)いま創る意義というものを考えてほしい。漫画、TVを忠実になぞるだけなら、21世紀にリメイクする意味は確実にない…と思っていましたが、ロープブレークさんの見事な一撃によって自論は玉砕いたしました。この文章は晒し物として、敢えてこのまま置いておこうと思っております。(2007年5月1日) [review][投票(1)]
★2大菩薩峠 完結編(1961/日)本筋と無縁の脇筋ばかりが延々と続き、玉緒は使い回され、富士子はもはや用済みと切られる。支離滅裂を極めるストーリーは、オリジナルのラストに到って初めて語るべきものを見い出す。完全オリジナルの脚本に取り替える勇気なきばかりに、仏道的無常観は生きることがなかった。破局の中、慟哭する雷蔵の姿のみに加点。[投票]
★4大菩薩峠 竜神の巻(1960/日)仏道思想に貫かれた宿業の物語としての、『大菩薩峠』の輪郭が姿を現わし始めた。俗世の垢を嫌いつつ無用の血を流し続ける雷蔵。目の前に穴を開けた地獄に怯えつつ、雷蔵との逃避行に身も心も捧げゆく玉緒。彼らは一団となって救済の見えざる手なき迷妄の世界へと転げ落ちてゆく。凄絶な情炎は若き本郷、富士子らの手の届かないところまで燃え広がって止まない。[投票(1)]
★2悪名十八番(1968/日)いかにもダレた演出でメリハリがない。田宮のコンビで支えられているものの、全体に精彩に乏しい演技陣も残念。気を吐いているのは森光子くらいか。森一生はプログラムピクチュア作りでも三流どころに堕ちた、と暴露された一作。[投票]
★4ゲゲゲの鬼太郎(2007/日)子供向けに徹し、あえて往年の少年漫画的演出から逸脱しなかったのは正解。登場人物の総ての行動原理と、その倫理は小学生でも理解できる平明さであり、なおかつ親達は水木しげる的ユートピアに肩まで浸れる構造を成している。 [review][投票(3)]
★3大菩薩峠(1960/日)雷蔵がまるっきり狂四郎演技。いつ「音無しの構え」から「円月殺法」に転じるか冷や冷やした。個人的には過度のピカレスク・ロマンへの期待があったので、狂気に蝕まれたかのような机竜之介の殺人行が観たかったのだが、それは無理ってものでしょうね。山本富士子の存在で非人情の世界から少し救われる。[投票(1)]
★1多摩川少女戦争 girls are no good(2001/日)ガチの女の闘いも、連帯も描けない甘ったれた監督が、こんなもの撮るんじゃない。『吉祥天女』の予習のつもりで及川中作品を観てみたが、これでは先が思いやられる。[投票]
★3東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007/日)イラストレーターという立ち位置におりながら普通の男と、限りない優しさをもって接してきた母親の愛情の交錯と、それを神の目から冷厳に見下ろす鉄塔の物語。しかし、物語は多くの純愛物語がぶつかる、本人に感情移入できなければ無意味、という大きな壁の前ではなす術もない。むしろ演技陣の至芸を楽しもう。 [review][投票(3)]
★4幸福のスイッチ(2006/日)上野樹里の憎まれっ子演技で、彼女も一皮剥けたと感ずる。もとより性格俳優の素養はあったのだから、立派に今後も「顔だけじゃない女」を演じてくれるだろう。そして、カッコ良くない沢田研二が、今になってやっと許せてきたような気がする。この物語の暖かい構造がそう見せてくれたのだろう。安田真奈、注目の作家である。[投票(3)]
★3眠狂四郎多情剣(1966/日)カメラワークの無駄な衒い。素直にカメラを引けばいいものを固定してぶつ切りのまま引いたり、アオリや斜角度等等あちこちから撮ってはいるが、如何せん奇を衒う以外の何の効果も作品にもたらしてはいない。ストーリー的には珍しく青臭く怒る狂四郎が見られるのが興味深い。[投票]
★2天使の卵(2006/日)冨樫森のシスターコンプレックス・「ピュア」(というか夢精臭い)少年ものも、『ごめん』『鉄人28号』までは許したがいい加減イライラしてきた。あんたにはそれしかないんかい!? [review][投票(1)]