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ジェリーさんのコメント: 更新順

★3非難(1950/伊)不倫からスタートするサスペンス劇。主要4人の登場人物の顔がいかにも20世紀中葉の俳優らしい立派さ。発端から事件発生、その後の展開が実にスムーズに進む。ノワールらしい手のアップ、表情のアップもいい。事件の回収があっさりしすぎているのが玉に瑕。 [投票]
★2今日子と修一の場合(2013/日)主役二人の側に立った映画を撮りたいという思いが伝わるが、人間観察がまるで見えてこない。また、つらい人生に家族の地震被災という追い打ちをかけるという欲張りに大した付加価値がなく、焦点がぼけてしまった。不幸の話にはトリア―なみの人生洞察力が必要。[投票]
★5この空の花 長岡花火物語(2012/日)大林監督の共感的想像力が発見した一地域の精神史の記録。傑作である。長岡というローカルの思いが障碍を越えて地球大(グローバル)に拡大し、別のローカルの思いと融けていく可能性を見せる。フリーでファンタジックな表現が斬新だ。観客は至福を経験できる。[投票]
★3腕の男(1931/米)詐欺を働く男女の話。手口の鮮やかさに惹きこまれてしまい、時間を忘れてストーリーに伴走できる。女が頬をはる演出の繰り返しが面白い。悪ガキがそのまま大人になったようなキャグニーの魅力に負うところ大で、今観てもスター性は失われていない。[投票]
★3キングダム2 遥かなる大地へ(2022/日)馬百頭と清野菜名。これが本作成功の理由。 [review][投票]
★3千利休 本覺坊遺文(1989/日)三船や萬屋の最終進化を見る思いだが、音響や音楽に俗が残る。奥田瑛二を影薄く見せたのは監督の慧眼。文献に残っていない利休の死の原因に関する仮説を、権力と芸術の相克としてとらえた原作者の工夫を映画として実現するにはこういう人物にする必要があった。[投票(1)]
★4野火(1959/日)船越英二が壮大な虚無の熱帯森を彷徨するだけの映画である。いつも都会人を巧みに演じる彼の、目元の気取った表情がきれいに消えた。空井戸のようにうつろな眼窩があるのみ。耐え難い無意味を経験した男の意思を唯一表現した最後のシーンに心震える。[投票]
★1氷点(1966/日)演劇演出臭さが強烈。きつい言葉の応酬がまず入ってきて、そのあとから効果性のない映像がよろよろとついてきて情けない。クローズアップが多用され、観客に絡みつく演者の視線が不快である。出演者ほとんどが駄目というのは、監督の責任以外にあり得ない。[投票]
★3太平洋奇跡の作戦 キスカ(1965/日)團伊玖磨の長調の音楽とこのストーリーは、描かれた太平洋戦争ものとしては極めて特異な位置を占める。スクリーンプロセス、島嶼沿岸を進む艦隊ミニチュア、日本軍基地に落とされる米軍の爆撃など特撮が素晴らしい。三船敏郎のリーダーぶりがいい。[投票]
★3不知火檢校(1960/日)悪知恵で盲人の最高位にのしあがった男の銭欲、色欲、支配欲が余すところなく表現され申し分なし。勝新太郎の好演には爽快感すら漂う。 歩き方、表情、手の使い方は実在の視覚障碍者と比べて誇張が過ぎるが、主人公の薄気味悪さに見合う。[投票(1)]
★4肉体の門(1964/日)獲れたての魚がぴちぴちと跳ねているようなイキの良さ。敗戦の傷が癒えないまま生きぬく女たちの、ふてぶてしさ、逞しさが巧みに表現されるが、国家への両義的な感情と、哀切な自己憐憫、生無垢の食欲性欲まで掘り下げた鈴木清順の腕前に唸る。[投票]
★4永い言い訳(2016/日)終わった時から始まる人間関係の細密描写。去ってしまった人間に、何かをつぶやきながら生きていくのが人間。その営みを暖かく見守った映画だった。怜悧で皮肉な視線を今回は捨て、力みない描写と王道の進行で一層強靭さを身につけている。[投票(3)]
★3新座頭市物語 笠間の血祭り(1973/日)故郷に戻る座頭市。シリーズラスト作品は望郷の甘さと失望の苦さがよい味付けとなる。行く先々で血の雨を降らせいたたまれなさに旅を続ける男の寂寥が伝わってきた。乳兄妹十朱幸代とその祖父志村喬の哀れさがより濃かったら傑作となったであろう。 [投票]
★3新座頭市物語 折れた杖(1972/日)近接や望遠レンズの多用で、前ボケ後ボケが生まれ、主観的な表現になる。座頭市の声にならない感情が聴こえてくるようだ。後半部の大半が海浜が舞台となる。生きる悲しさを表すのに潮騒の無表情な繰り返しが実に効果的であった。[投票]
★3日本女侠伝 鉄火芸者(1970/日)手練れた任侠映画に、芸道もののテイストを追加し、ドスを使わない主人公と周辺の女たちの絆をしっかりと見せるという狙いが斬新。しかしこの着想のこなれが悪く、結局殴り込みの解決手段で竜頭蛇尾に。藤純子のお竜イメージ転換を狙うがお人好し過ぎて失敗。[投票]
★3大怪獣ガメラ(1965/日)核使用の結果登場する⇒暴れまわる⇒駆除される。明らかに『ゴジラ』の影響を受けている。ルックス、規模感、得意技(火炎や飛行)は引けを取らなかったが、破壊に凄みがなく学者が『ゴジラ』ほど思慮深くなかった。少年との絡みも今一つ不明確。[投票]
★1人間の証明(1977/日)岡田茉莉子三船敏郎鶴田浩二ジョージ・ケネディに冒涜的な役割を振る佐藤純彌を憎む。脚本や撮影以前の段階でこの映画は糾弾されねばならないと感じる。当たった/当たらなかったとは別の問題。佐藤作品の音楽センスは相変わらずひどい。[投票]
★4ダンケルク(2017/英=米=仏)時制操作に凝りすぎて失敗することがあるノーラン監督作品の中では、並列時間の描き方が分かりやすい。映像の質が驚異的に高く、これだけでも名匠の証。極微局所の戦闘と戦の勝敗の帰趨は別物という戦争の複雑性を視覚的に了解させた語り方にも脱帽した。 [投票]
★3座頭市あばれ火祭り(1970/日)もはや完全に剣戟シーンのためにストーリーが構築されているような映画になった。橋上の座頭市と浪人の戦いの刃のきらめきが冬の三日月のように冷たく冴え美しさの極値。仲代達矢渾身の演技も、森雅之の悪党造形には及ばない。[投票]
★3すべてが狂ってる(1960/日)戦中戦後の重さを何とか振り切りたいという青年の願望が生々しい。直情で透明な一方で幼児退行的な行動を手持ちキャメラが見事に追う。乱暴なズーミングが美しい。登場人物たちを照らす乾いた陽光とモダンジャズの決まり具合ったらない。鈴木精順は大人だ。[投票]