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ジェリーさんのコメント: 点数順

★2ルパン(2004/仏=伊=スペイン=英)多くの日本人が抱いているであろうルパン像を悪い側に完璧に打ち壊してくれたが、それでこの点数というわけではない。説明不足の展開と、観客のエモーションの捉えかたを分かっていない緩急の悪さによってこの得点。[投票(1)]
★2火刑台上のジャンヌ・ダルク(1954/伊=仏)天から降りてくる、或いは天に昇るというイメージの創造に見るべきものがあるにしても、意図的に舞台劇的な演出やローアングル撮影で映画的な興奮を掻き立てられることはなかった。笑顔のジャンヌ・ダルク像は、異彩を放つという次元を超えてとにかく異様。[投票(1)]
★2お遊さま(1951/日)失敗作。自らのサディスト性にもマゾヒスト性にも自覚ないまま異様なシチュエーションに突き進む3人の演技によって、もし、本作がアンチ・リアリズム作品として見えてくれればこの映画は成功だったはずだが、残念ながらリアリズム欠如にしか見えなかった。 [review][投票(1)]
★2楢山節考(1958/日)極低所得階層の家庭において今も決してありえないわけではない事象が、共同体のレベルでシステムとして存在することの恐怖。しかし文楽やオールセットなどのアンチリアルな意匠がこのテーマにあまり適せず、才走りすぎた作品となった。それでも田中絹代の演技は一級品。[投票(1)]
★2ダ・ヴィンチ・コード(2006/米)プロットを追いかけるのに悪戦苦闘した様子ばかりが伝わってきて、痛々しいことこの上ない。ヒロインが普通すぎる点に、この映画の中途半端さが象徴されている。劇中劇などを使って、血統伝説のファンタジックさを強調する方向に持っていくなどの工夫がほしかった。[投票(1)]
★2ネバーランド(2004/英=米)ハリウッド・スタイルに依拠しなければ盛り上がることができない程度の題材なのに、単なる現実を低回してみせるだけの演出をご丁寧に見せた後、申し訳程度に幻想のネバーランドをご披露にいたる演出の一貫性のなさに脱力。ケイト・ウィンスレットの立派さには拍手を贈る。[投票(1)]
★2冬の華(1978/日)ブルーを基調としたローキーの画像に見るべきシーンが数箇所あったにしても、東映仁侠映画の文脈に依拠しつつ、既に流行を過ぎつつあったろうフランス暗黒映画の映像感覚と港横浜の西洋意匠を採用して新味を出すという構想は無理で、ストーリーは失笑を誘う破綻状態。[投票(1)]
★2オリバー・ツイスト(2005/英=チェコ=仏=伊)このフィルムの痛ましさはどうだ。霧は霧らしくなく、室内光は室内光らしくない。そこに露呈されているのは、ただひとつロマン・ポランスキーの映画へのむき出しの支配欲。 [review][投票(1)]
★2アビエイター(2004/米=日=独)ハワード・ヒューズが本当にこんな男であれば、こんな男を映画にすることをひきうけたマーティン・スコセッシは凡庸といわざるをえないが、仮にハワード・ヒューズがこんな男でなくてもこの程度の男にしか造形できなかったマーティン・スコセッシは凡庸といわざるをえない。[投票(1)]
★2笛吹川(1960/日)橋と川のもつ映画的効果を最大限に活かした作品。川のほとりの古いあばら家や、この家にまがまがしいものを持ち来る橋などの舞台設定はとても秀逸。川の土手をスクリーンの右端から左端まで走っている若者をキャメラで遠くから捉えた場面は気が遠くなるような映画的美しさに満ちる。しかし、 [review][投票(1)]
★2赤い波止場(1958/日)絵的には日本製ノワールという作り方で、軽いローポジから影の濃淡濃く描写して見せる室内や酒場のデザインはなかなか。それに外光を積極的に取り込んだ神戸市街ロケ撮影も割りにいい。こうしたバタ臭さに比べてどうにも主人公のウェットさがおさまり悪過ぎる。[投票(1)]
★2アンナ・カレニナ(1935/米)夫ある女の不倫という意味で『風と共に去りぬ』との類似点が目に付くのは同じセルズニック作品だからか。グレタ・ガルボの存在感が圧倒的でフレドリック・マーチを呑み込まんばかり。この濃厚さが大女優の真骨頂なのだろう。単純な筋を補って余りある。[投票(1)]
★2媚薬(1958/米)人間関係が映像に表れない回想や会話の部分で描かれているところも多くて、進行が妙にもったりとして停滞気味。キム・ノヴァクの赤と黒のトーンを基軸にしたドレス含めジャン・ルイの衣装デザインと、小道具の立派さには降参する。猫の演技は一級品。[投票(1)]
★2黒い罠(1958/米)一人の人物の中に威容と異様とが全く同時に感知される映画。グロテスク・リアリズムという文学用語を思い出してしまった。筋はつまらない。[投票(1)]
★2モガンボ(1953/米)クラーク・ゲーブルという俳優は、1940年以降は、どうやら自己模倣しかやらなくなったらしい。ジョン・フォード監督作品ながら、制作テンションの低さは歴然としている。アフリカという状況設定だけがこの作品の命綱であるという情けなさ。[投票(1)]
★2地上に降りた女神(1947/米)リタ・ヘイワースの出る映画はすべて、彼女のMTV、と思って間違いない。足の綺麗な女優はそれこそ何十人も登場するが、見た後、彼女以外の顔を一人も思い出せないくらい、キャメラは彼女に集中する。それでよいのだ。[投票(1)]
★2ハーヴェイ(1950/米)ジェームズ・スチュアートが、ジェームズ・スチュアートのパロディ演技を行っているかのようでおぞましいことこの上ない。ハーヴェイの存在のリアリティは彼の演技一本にかかっているだけにこの欠陥は致命的だ。撮影は特上、他の演技者も特上なのに残念。[投票(1)]
★2ゴースト・ストーリー(1981/米)フレッド・アステアこのとき82歳。ハリウッド・ミュージカルの頂点に君臨した名優の最後の映画がなぜ、このくずのようなB級ホラーなのかと思う。雨降る森の中でフレッド・アステアが濡れそぼってたたずむ終わり近いシーンを見ていて感慨深かった。ところが、後年、 [review][投票(1)]
★2ミスター・グッドバーを探して(1977/米)あらゆる行く先に通行止めとその抜け道が同時に作られてしまうこの不定形な時代に今生きて、生き延びるパターンすらうまく描きえなくなっている我々から見ると、昼と夜の顔を使い分けるというキャラ設定で女主人公を一人作れる時代があったということが実に懐かしい。[投票(1)]
★2五線譜のラブレター De-Lovely(2004/米)せいぜい書けるのはアシュレイ・ジャッドの好演だけで、あとはコール・ポーターの名曲順に脚本を辻褄あわせした凡作という評価しかできない。一見良心的作品づらしているだけに始末におえない。音楽映画ははずすと失望が大きいことをまたしても実感。[投票(1)]