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disjunctiveさんのコメント: 点数順

★4クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021/日)結論としては人の情熱を嗤うな。本作のエリーティズム批判の文脈に当てはめると、階級脱出の試みを妨害するな。しかし、これがよくわかない。 [review][投票]
★4モンタナの目撃者(2021/米)グロリアをアンジーのアイドル映画にしては疑似母性どころではない。性欲を不幸の顕示癖として叙述するシェリダン節が今回は分裂している。アンジーは惜しげもなく不幸を衒うがカワイイから許したい。語り手の性欲は少年に仮託されたといえなくもない。 [review][投票]
★4A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017/米)ケイシー・アフレックの髭面が被り物をしている。これは評価が難しい。髭面はシーツ幽霊の可愛さを損なうのか。中身が髭面だからこそ切なくなるのか。ベートーベンの講話を何分も聞かされる。何が悲しくてハゲを延々と見せられるのか。しかし [review][投票]
★4白頭山大噴火(2019/韓国)いつものことながら、イ・ビョンホンの、つまり北のエージェントの動機が強すぎてハ・ジョンウの本編が延々とコメディリリーフになるアジア的映画風景が展開する。ビョンホンに対抗できるようなジョンウの悲劇はいかにして可能か。 [review][投票]
★4search/サーチ(2018/米)GUIがなぜラスターでなくベクトルで描画されるのか。そして、オヤジさんに凌駕される警察はどれだけ無能なのか。いずれも合理化はされるのである。が、 [review][投票]
★4ワンダー 君は太陽(2017/米)少年を見た大人たちの反応は自分の善性がかき立てられる機会を得たよろこびを湛えている。徳のかかる反匿名性は少年に受恵者のプレッシャーをもたらし、その顔に異化を絶やさない。かつ、善の衝動は流れるように円滑な懲悪をも成功させている。[投票]
★4バーフバリ 王の凱旋(2017/インド)マザコンの愛妻家は性欲の未分化と思うのだが、性欲よりも分化の方に重点はあるようで、事態を動かす母と息子の共犯関係に沿って怨念が分化して精緻化される。ダメ母を暗黒面に落とす勧善懲悪の含みは、二百三高地のようなストレスとの対峙劇に代わる。 [review][投票]
★4ウインド・リバー(2017/米)テイラー・シェリダンの男たちは性欲に負けない。むしろ性欲を恃みとする。そのままではキャバクラ説教の背徳になりかねないジェレミーの眉間の皴が社会化すれば、啓蒙思想家が頭で考えたような正義の有り様となり、 [review][投票]
★4映画大好きポンポさん(2021/日)フィクションの侵食先は現実にとどまらない。その侵食力が編集者の躯幹と交織すると、土着メディアが異文明を併呑する量感に圧される。劇中劇の劇伴に本編のそれが被るような現実腐蝕の力は欧米人に土下座をも強いる迫力で希望の押し売りを超えていく。[投票]
★4アクアマン(2018/米)地上人の啓蒙はそのまま肯ずるには気持ちがよすぎる。肉体派の楽園がそこに掣肘を加えバランスはとれたように見える。が、ラブコメの冴えわたる手腕が肉体派を無邪気なロマネスクに隷属させ、全ては文系男の極彩色の邪念に飲み込まれるうれしいオチである。[投票]
★4海底2万マイル(1954/米)触手に見舞われてもカーク・ダグラスの逃亡癖が危機を中和する(なぜ艦を救う必要が?)。ひげ面まみれの叙景にかろうじて一体感をもたらすのは動く非日常ピーター・ローレの困惑顔。精神安定を希求するかのように、そのイガグリはやたらと撫でられる。[投票]
★4アメリカン・サイコ(2000/米)80年代に見えるか? 見えるはずがない。にもかかわらず、クロエ・セヴィニーの巨大な肩パットを目撃すると無性に泣けてくる。郷愁の催涙感を人間への憐憫にすり替えるのである。 [review][投票]
★4ファーザー(2020/英=仏)景物映画に相応しく老人は一個の静物に還ろうとしている。時を知らぬ物はその同時性をランダムな記憶へと翻訳する。が、主客をぼかす客体化の衝動は技術的要件の支配でもある。もっとやりようがあったのでは。そう思わせてしまいかねない。[投票]
★4大空のサムライ(1976/日)藤岡弘が顔圧が新時代川北特撮を加速させれば、負けじと対峙する丹波&平田昭彦の旧人類組。横暴なる顔圧の狭間で平準化した、陸攻搭乗員たちの顔貌は諦念の微笑へと加工され、主題へ最も接近する。[投票]
★4ズール戦争(1964/英)火工品の響きを吸収するように、肉に着弾する鉄片だけは音もなくめり込み、人体から生理的琴線を奪う。何度も壊れては蘇り、戦場をいつまでも構造化できない陣地。所縁なき戦場で最後に寄る辺となったのはリージョナリズムの精神性。[投票]
★4転々(2007/日)常に観測に晒される岸部一徳こそ、岩松了ら狂人たちの楽しい旅路を客体化している。ランダムに顔を出すパレードのような恣意的誠意に、回転木馬搭乗者の羞恥感が発見され、綺麗事が花やしきへと包摂される。[投票]
★4鉄と鉛 STEEL & LEAD(1997/日)希少なれば使い込みたくなる聖人の駆動力が落伍者の成瀬正孝の人生と絡むどころか打ちのめしにかかるから、渡瀬恒彦から希少性を奪わずにはいられなくなる。人間の自律が主題に容嫁する自我の緊張が、徹夜明けのようなフワフワとしたつらみとして鬱積する。[投票]
★4人のセックスを笑うな(2007/日)永作博美に月並みな挫折をもたらす人間の上げ下げの螺旋運動が、キャラに対する公平性を維持したまま懲悪的没落のスペクタクルを達成する。その緊張の圧縮の譜調が啓蒙する、蒼井優スケコマシへの神々しい道程。[投票]
★4座頭市地獄旅(1965/日)挿話が使い捨てにされない。本筋が人の性格を説明するイベントも兼ねる。ミッキーのダンディズムが自己愛に墜ちないのも筋の経済性の賜物だろう。が、この蓋然性の牢獄は勝新がどんどん掘り当てていく善人たちを曼荼羅のような統一体へはめ込んでしまう。 [review][投票]
★4ケイン号の叛乱(1954/米)作者の相対主義によるかく乱に抗するのは、ケイン号のメカメカしさと共鳴するボガートの器質的リアリズムである。パラノイアを享楽する役者根性がいじめを介護問題のつらさへと組み替る。不幸の遍し流布が達せられ、受け手は公平を期したい緊張から解放される。[投票]