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disjunctiveさんのコメント: 点数順

★3王手(1991/日)赤井×若山を背後から余裕で圧倒してしまう、國村隼の超絶的に可愛すぎる細やかな顔演技。その國村をいぢめ追いつめる庶民主義がニクニクしくて堪らぬ。[投票(1)]
★3グッドナイト&グッドラック(2005/日=仏=英=米)「君も女装しなきゃな」とか、クルーニー×ストラザーンに腐女子心を刺戟されてる内に、今度はマッカーシーのど頭に目が釘付けになり始めて困る。いずれにせよ、疲弊したおやぢの群れほど美しいものはない。[投票(1)]
★3悪名(1961/日)嗚呼、俺様も田宮二郎と「兄ぃ」プレイをやって、海辺で浪花千栄子にぶたれたいものだわい――と迷わせるほどに、勝新の肌を嬉し恥ずかしく撮っちゃう50〜60年代大映の照明設計。[投票(1)]
★3太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男(2011/日)収容所と自在に内通する段階に至っては竹野内豊は目的を見失っている。当人に考えがないから米側は尻尾をつかめなくなる。異質の叙体を統合するディレクションの不在はこの失調の原因なのか結果なのか。 [review][投票]
★3THE BATMAN ザ・バットマン(2022/米)貴族の自罰感情が、関与する人々の辛みを無効化する情念のブラックホールとなる。ペンギンのカーチェイスは意味をなくし、文弱をアピールする割には逞しい下顎部だけが確かな物証として残りキャットウーマンを骨抜きにする。 [review][投票]
★3戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023/日)ポストコロナの風に吹かれ自嘲する昭和のモラルは市川の運動神経に政治的に許容できるセクシャリティを見出し、どつき夫婦漫才がセックスのアイロニーとなる。 [review][投票]
★3RRR(2022/インド)最初から共通している利害が人を追い込む義理の仕込みを無効にしている。感情の裏打ちを失っている武力は、英国文官陣のサイズの合わない衣装のようにフワフワと滞空し、路上に撒かれる釘から始まって棘の鞭にエスカレートする無感情の暴力を滴らせる。 [review][投票]
★3ブラックハット(2015/米)性欲の霧に翻弄され恋の間合いを捕捉できないマイケル・マン節の好戦的な分解能は、オッサン大戦になれば一転して躍動する。性欲と刑務所ボケの不明瞭な境界に苛立ったのではなかった。性欲=ボケなのだ。 [review][投票]
★3彼らは生きていた(2018/英=ニュージーランド)長いプロローグが終わり、音色を伴いながら画がブローアップしても、声質が変わらないボイスオーバーがプロローグと本編の質感の差を埋めてしまう。甘い解像が兵士たちの顔の輪郭を蜃気楼のように揺らめかせ、情報量の付与がかえって現実感を奪う。 [review][投票]
★3ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2017/米)ブルーカラーを無意識に嫌悪し図書館よりも各種口述に気をやってしまうのだが、ロジスティクスへの軽蔑が無意識だからこそ、聴衆には動物学的に接近できてしまい、人体の情報量が画面を制圧する。 [review][投票]
★3マトリックス レザレクションズ(2021/米)人妻の不倫願望ともいうべきうっすらとした性欲が、脈略のない各種欲望の陳列をリキ・タケウチ的に消化し、五里霧中の筋のフォグライトとなる。武断ギークという撞着語法がレディコミ的感性によって労われている。[投票]
★3ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001/米)文明の受容にせよセクシャリティにせよ政治性の薄い去勢が虚無を持て余し、失われた肉片の追憶に思想の在処を探索する。倒錯した因果関係の外観は内臓が裏返ったような色彩感覚である。 [review][投票]
★3紀子の食卓(2005/日)人を動かすのは観念にすぎないから延々と説明が尽くされるだけだが、人の能力は目に見えるために事態を転がしていく。瑕疵がなくとも家庭そのものを許容できない女権称揚が空論を押し通してしまう。 [review][投票]
★3ホットギミック ガールミーツボーイ(2019/日)普通の妖婦物ではない。天然性の媚びを放散する棒読みは苛立ちではなく逞しさであり、昼メロ事案が襲ってもスリラーの居場所がない。男の口説きに焦らしとムラっ気で対応する媚びの実践は、男の焦燥が伝わってくるほど堂に入る。 [review][投票]
★3モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021/伊)ひとつの台詞を消化するのに3名の話者と6つのカットを費やす早漏編集の有様である。素材の量に気圧された操状態が、多様な形をしたオッサンの頭部を譜面のように流していき、モリコーネの薄いキャラクターがその洪水に埋没する。 [review][投票]
★3ベネデッタ(2021/仏=オランダ=ベルギー)天然の信憑性を問う方策が格調につながらない。演出家の形而下的興味は時代劇を軽くして、格調をもたらすべき意図の曖昧さは、狂信と性欲が互換する性急さを悪目立ちさせる。 [review][投票]
★3肉体の門(1988/日)五社演出がノリノリになって怪奇に走ろうとすれば、爆弾が立ちはだかり交通整理して筋の体裁がかろうじて保たれる。情念はウェス・アンダーソンのような箱庭の新宿に押し込められ、五社英雄アトラクションという誰も得をしない奇怪な外観となる。 [review][投票]
★3赤西蠣太(1936/日)天然ゆえにリミッターの外れた男に出来ないことはなく、内面を持たないために間者にはうってつけだが、話は人を叙述する営みだから無内面には耐え難く、原田甲斐という形で千恵蔵を分離して、ガチガチに作為的な旧劇の芝居をやらせる。 [review][投票]
★3眺めのいい部屋(1986/英)道学者と称して社交の手続きを無視してくる男の甘えが業腹である。引っ越しという経済的な名目で脅されたほうがよほど受容できる。むしろ脅しを欲していたのだが、引っ越しという物証でなければ女は自分の欲望に気づかない。 [review][投票]
★3ロケットマン(2019/英)性欲と仕事が絡み月並みな痴愚となったのであれば、性欲から愛を遠心分離するべくステージは回り始める。最後に至る純愛は性欲的には一方通行だからこそドキドキがあり、セクシャリティの疎外感が訴える射程を越えていく。 [review][投票]