[コメント] フラガール(2006/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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相当泣くぞ、って言われてたので予想してたのはとんでもない展開になってその驚きでドバとくるもんだと思ったら今時信じられない位真っ向勝負じゃないですか。これは日本の野球がすっかり忘れてしまった駆け引きだと思うわけだよ。昔の、丁度この映画の物語があった時代の野球は一打逆転という土壇場でも真っ向ストレートど真ん中。それを4番がフルスイングでホームランなんていう「それ何ていう出来レース?」状態な野球ドラマがあった。それは早い話レベルが低かったのだろうけど熱いんだよな、その方が。
今はへばってたらむちゃ切れのいいリリーフが出てくるしインハイでのけぞらしておいてアウトローにスライダーだと思わせてフォーク、なんて事するからバッターも大振り出来ない。最近の野球も映画もそういう「アッ」っと言わせようとしていじりすぎ。それに比べてこの映画
炭鉱なんだから途中で事故が起こってサブキャラおとうちゃんが死ぬのは当たり前!→それでも無理してダンサーの仕事して(しかも当人の希望)町の住人が先生に食ってかかるのもお約束!→先生が傷心で東京行きの電車に乗り込むも必死の生徒達の嘆願に遂に折れる!…もうね、この場面に到るまでのベタベタさは悶絶ものなのに紀美子のフラダンスの手話振り付けでもう涙ダーっですよ。
そして最後のところのソロで踊るシーン。これも先生が本編の序盤で見せ、途中おかあちゃんが荷物を届けに来た時に紀美子が見せる、つまり3度目なんだが仰向けから起き上がるシーンでまた涙ダーっと。これは「来るぞ来るぞ又来るぞ」と予告しているわけでそして全く裏切らずに「キターーー」(顔文字略)となるのがポイントだ。要は伝統芸、全く裏切らない演出、その真正面さに俺が打ち負けた結果だと思うのだ。
それにしても蒼井優。最初ダサくてしょーもないのに最後の辺りでどかどかレベル上がっていくのな。すげーっす。とにかくすげー。
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