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[コメント] 砂の器(1974/日)

米国の捜査官は薄暗い陰鬱な雨の中で捜査を進めるものであり、日本の捜査官は真夏の炎天下扇子と扇風機と瓜で暑さをしのぎながら捜査するものである。らしい。
はしぼそがらす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







泣く予定はなかった。

例の回想シーンでも、音楽で盛り上げられる度に「アッ!今泣けって言ってる!」といちいちイヤラシイ反応をしていた。

だのに。

成長した息子の写真を見せられた千代吉の、血を吐くような言葉。「こ、こんな人、知らねぇ!・・・アアーッ・・・アアアーッ」

・・・ダ、ダム決壊・・・!(ボロボロボロ)

「子が親を思う気持ちよりも、ずっと上の親が子を思う気持ち」がグイグイ胸を締め付けてきて、この後のシーンのすべてが蛇足状態になってしまった。特に、「彼は音楽を通して父に会っている」という丹波の台詞がいかにも物語を無理くりまとめ上げようと説明しているようで、ちょっとひいた。そんなの言わせなくても、説明的な字幕出さなくても(前半はサスペンスフルで逆によかった)、充分語ってるんだからもっと作品に自信をもってくれたまい。

(閑話休題)この映画は、夕張国際ファンタスティック映画祭2003の企画展「俳優生活50周年丹波哲郎劇場」で観た。会場は昔ながらの体育館上映で、ござにおじちゃんおばちゃんたちと思い思いに座ったり転がったりしながらの鑑賞であった。高齢の方が多いためか途中入退場がやたらに多いやら会場微妙に明るいやら床は底冷えするやらおばちゃんたちはむせび泣くやらで、普通に考えると決して恵まれた鑑賞環境とは言えないはずだが、不思議とそれらが全然気に触らず、むしろ暖かかった。上映後、みんなでやんやの拍手喝采をするのはとても幸せな気分だった。

(評価:★4)

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