[コメント] バトル・ロワイアル(2000/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
この映画はいろいろと問題にされていますが、そんなことはあまり重要ではないように思います。
この作品は「映画」です。不道徳なものや非教育的な作品は「悪い」作品なのでしょうか。
深作監督はただかっこいい、美しい、映画的な「殺し合い」を描きたかっただけだと思います。
私はその映画的な部分だけ楽しみました。
とにかくかなりいい演出がいっぱいあります。
まず、北野武が演じる先生が教室でナイフを投げて生徒を殺すシーンです。武がナイフを投げた瞬間次のシーンで生徒の頭にささり倒れる所です。カッティングがうまくものすごいスピードでナイフが突き刺さったと表現されています。そのあと武を中心にカメラが回り生徒たちの悲鳴が教室に響きます。そのカメラの回転は生徒達の恐怖を画面から溢れ出しています。
鎌をもった残酷な女の子がある女の子を殺そうとするシーンで北野武が透明傘をもって立っている。武の存在感がとても恐い。その存在感に動物的な本能で危険と思い逃げ出す鎌をもった女の子。
マラソンの得意な女の子が男の子にボウガンで脅され逆上してその男の子をナイフで背中を滅多刺しにする。
映画の中盤で鎌で殺しまくっていた女子生徒がもっと残虐な転校生に殺されるシーンで銃で撃たれながらバックにクラッシックの名曲が流れる。悲しく美しいシーンです。
もっとも深作監督らしい所は灯台のシーンです。灯台にに逃げ込んでる女子生徒たちが主人公の男の子を看病していて、その主人公が人を殺したと思い込んでいる女の子のひとりが精神不安と恐怖から毒殺しようとします。それを友達の女の子が飲んでしまいそれをきっかけに全員銃で殺しあって死んでしまいます。このシーンのテンションの高さは往年の深作節全開です。
本当にこの作品は「映画的に」美しく、残虐な「殺し」をつくりたかっただけだと思います。
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