ジェリーさんのコメント: 点数順
リリイ・シュシュのすべて(2001/日) | 「カタカタ」の字幕シーンを全く取り去ってしまった方がすっきりとして、傑作になってたんじゃないか。その分マイナス一点だが、この脱力感たっぷりの痛さは今の日本を覆う痛さとして普遍的な説得力を持ってると思う。 | [投票] | |
オースティン・パワーズ ゴールドメンバー(2002/米) | 下ネタオンパレードのこの映画に集まる集まるビッグ・ネームのカメオ出演。はや風格さえ漂い始めた。間違いなく3部作中最高。不謹慎大好き。世界はSHAGでつながってるぜ、ベイベ〜〜〜〜〜〜ッ!! | [投票] | |
彼岸花(1958/日) | 小津安二郎監督カラー作品1号。完成の域に達した技法がさらに精緻に展開される。絢爛とした映画を作りたかった意思が実に明瞭で、その意味ではこの映画は監督にとって初の試みである。関西弁の導入による平安朝様式のような柔媚な味わい。 | [投票] | |
恋をしましょう(1960/米) | マリリン・モンロー(またしても踊り子役!)がとにかくかわいい映画と言ってしまえばそれまでの映画であるが、映画という虚構の中での虚構としての「虚実」がきちんと描かれていて、手馴れた脚本作りだと感心した。 | [投票] | |
波止場(1954/米) | 吹き溜まりの波止場の匂いまで漂ってきそうな優れたロケ撮影。飾らず、そのまま見せることで人間の卑小さも尊厳も等身大に描かれた秀作。 | [投票] | |
酔いどれ天使(1948/日) | 三船敏郎という原石のダイアモンドを嬉々として磨いている若き巨匠の息遣いが伝わる。登場人物に落ちる夏の陽とよしずの影のリアルさ。 | [投票] | |
会議は踊る(1931/独) | オペレッタがミュージカル映画にかわっていくグラデーション部分に咲いた大輪の牡丹。歌は古風ではあるが、いつまでも忘れられない愉快感に満ちている。 | [投票] | |
E.T.(1982/米) | 当時は大感激。今見ると少し気恥ずかしい映画となっている。父のいない家族と異星人との交流が初めて見た時に妙に斬新で、父の不在は、この映画のストーリー展開に大きく影響していると変なことを考えた事も覚えている。 | [投票] | |
AKIRA(1988/日) | 「生命力」とかいう抽象的なものを描くという考えなぞ大友克洋には全くなかっただろう。「生命」そのものが画面でうごめいている奇跡的な映画。 | [投票] | |
カメレオンマン(1983/米) | 架空の人物についての「ノンフィクション」という奇抜なフィクション。各々のシーンの機智と皮肉ににやにやしたり、大笑いしたり、とにかく楽しい一編だった。 | [投票] | |
カサブランカ(1942/米) | 決めのせりふのオンパレード。愛する女を命がけで守る男を懐深く演じこなしたハンフリー・ボガートに乾杯。 | [投票] | |
燃えよドラゴン(1973/米=香港) | 今までみた映画の中で、もっともアドレナリン分泌が高まった映画。つまり、心に感動をあたえるなんてもんじゃなく、観客の心身を根底から感動させきる映画。 | [投票] | |
生きものの記録(1955/日) | 三船敏郎のこしらえにはちょっと驚く。昭和以降戦後含めて日本が正常で成熟した判断力を失い続ける中、健全な明治生まれの男が、時代への適応をいびつな形で噴出させてしまうという絵空事ではない実態をグロテスクに演じきっている | [投票] | |
汚名(1946/米) | あっちの世界とこっちの世界の違いが強烈に描かれなければこの作品は成功しないが、巣の深奥で微動だにしない女王蟻のごときレオポルディン・コンスタンティンのおかげで、あっちの世界の不気味さの表現が完成した。 | [投票] | |
マーニー(1964/米) | 犯罪癖のある美女の弱みを握って妻にする男の支配欲のいやらしさ。たぶんヒッチコック自身の欲望の反映。「徹底すること」というヒッチコック映画術の骨格の一つがあからさまに表れていて、やっぱり見事な隙のない作品になっている。 | [投票] | |
帰らざる河(1954/米) | 20世紀的文明の痕跡が全く存在しない原野を一望の下に収める冒頭のショット、今やもうアメリカでもカナダでも撮るのは無理だと思うと非常に感動した。マリリン・モンローをもはや撮ることができないのと同じくらい映画にとって痛恨事だ。 | [投票] | |
ショウほど素敵な商売はない(1954/米) | じわじわと泣かす大河ドラマ。エセル・マーマンの力量に負う所、大。今となってはマリリン・モンローを見たいがために見る人も多いだろうが、彼女はやはりミュージカルスターではなくアクトレスとしての資質のほうが光っている。 | [投票] | |
華麗なるギャツビー(1974/米) | この映画はミス・キャスト。ミア・ファローは程よく上品だが、ロバート・レッドフォードは上品すぎた。このあまりに貴公子然としすぎたギャツビーにはコンプレックスの影が見えてこない。 | [投票] | |
カンバセーション…盗聴…(1974/米) | テープレコーダーがくるくる回るモチーフが、主人公の思考の渦動状態を象徴して、実に純ブンガク的映画だ。知的で根暗なオタクが主役になった映画としては相当古く、この映画の先駆性はそこにある。 | [投票] | |
死刑執行人もまた死す(1943/米) | 俳優を情け容赦なくいたぶるさまはヒッチコック以上。このいたぶり具合は、ナチズムとその時代の非道さの表現と思いきや、その次元をはるかに超えるラング作品の本質だし、まさに魅力である。 | [投票] |