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ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★3左ききの拳銃(1958/米)本作から9年後『俺たちに明日はない』を撮ることになるアーサー・ペンは、このデビュー作においてすでに反ヒロイズムを志向していた。ポール・ニューマンのアクターズ・スタジオ芝居が当時のJ・ディーン同様ちょっと鼻につく。 [投票]
★3ネバダ・スミス(1966/米)マックイーンの成長ぶりが面白く話の展開も大胆で最後まであきないのだが、結末には先住民族とのハーフという主人公の設定におもねった白人のご都合主義的ヒューマニズムのいやらしさを感じなくもない。[投票]
★4動く標的(1966/米)オーソドックスな筋立ての話を気負うことなくシンプルにまとめてあるので最後まで安心して観られる。ポール・ニューマンも肩の力抜けていて気持ちよさそうにハーパーを演じている。[投票]
★2ジーザス・クライスト・スーパースター(1973/米)歌と踊りと舞台装置をどう映画的に処理するかがミュージカル映画の面白さだと思うのだが、初めに映画のフレームありきで全てその範疇に押し込んでしまったような窮屈さがある。躍動感のない退屈なミュージカル“風”映画になってしまった。[投票]
★4マルコヴィッチの穴(1999/米)アイディの面白さに笑いながら、意識と時間、ジェンダーといった形而上的なテーマを読み解こうと結構真剣に見終わるも、思い出されるのは巧みでエロチックなマリオネットの姿のみ。典型的それがど〜した映画。うまく騙されました。[投票(1)]
★2自殺サークル(2002/日)意識的とは思えない散漫な画作りは性格的なルーズさを、度を越した幼稚な悪趣味には表現エリートとしてのカン違い的傲慢さを感じる。事前知識なしに初めて観た園子温は、映画を撮るには根本的に問題があるのではないかと思われる印象の悪い作家となった。[投票(3)]
★3男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋(1982/日)話の組み立てや吉岡秀隆になって俄然展開力の増した満男のウエイトアップで新たなパターンを探る山田洋次。一番の成果あるいは誤算は、マドンナ(いしだあゆみ)の薄幸を境遇ではなく性格に設定した点。丹後での一夜は、それなりに切なく印象的。[投票(1)]
★3あした来る人(1955/日)今ならTVドラマの原作であるだろう井上靖の軽い文芸映画。50年代の映画量産時代ならではの作品なのでしょう。演出は充実してはいるのですが、あくまでも身勝手な男達と何でそこで悩むんだろうという女達の価値観は、今となっては時代遅れで退屈。[投票]
★4陽炎座(1981/日)不連続から非連続へ。こちら側の裂け目から垣間見える妖艶な世界にとり憑かれ、ふと気がつくとこちら側と断ち切られた妖気の世界が目の前で踊る。高みの見物と決め込むが良い。連ならざる世界など立ち入らぬが良い。魂のやり取りなどせぬが良い。[投票]
★3野火(1959/日)「猿だろうが何だろうが、いざとなったら喰うよな」という思いを、踏みとどまらせるにはいささか上品過ぎた。ヒューマニスト和田夏十市川崑の限界か。ボクサー役のための減量が話題になった俳優がいたが船越英二達は本当に死ぬほど痩せている。[投票(2)]
★3二十才の微熱(1992/日)家族的なものに対する橋口亮輔の激しい嫌悪を感じる。その思いはあまりにも寡黙に閉じられているだけに、生きにくさへの憎悪として増幅され微熱をはらみ一触即発の怖さを秘めている。ことの善し悪しは別にして、これは素晴らしく反社会的な映画である。[投票(2)]
★3男はつらいよ 寅次郎春の夢(1979/日)マイケル(ハーブ・エデルマン)とさくら、寅と帰国未亡人(香川京子)のツインカップルで話しの焦点がボケたとはいえ、小ネタ満載でけっこう笑わせてくれる。いつものことながら台詞を喋っていない時の三崎千恵子のあたふたした芝居が可笑しい。[投票(1)]
★4花様年華(2000/仏=香港)成瀬巳喜男の『浮雲』とクロード・ルル−シュの『男と女』、そしてこの『花様年華』を撮影技術と無愛想顔の男女が生んだ古今東西の三大メロドラマ傑作とする。どの作品も一歩間違えれば通俗恋愛ごっこに陥るところを奇跡的構成力で踏みとどまっている。[投票(4)]
★4キッチン(1989/日)美しく整えられた雄一と絵理子さんの生活空間。それはひとつのカタチに閉じ込められた、彼らの人生そのものだ。異分子みかげを招き入れることで、その硬直が徐々に溶解して次のカタチが生まれる。そのさまを森田芳光は静かに描ききった。[投票(3)]
★3バカヤロー!私、怒ってます(1988/日)森田芳光のはからいで、演劇、8ミリ映画、助監督、テレビの世界から、とりあえず4人の有望新人監督がニッポン映画界にデビューしたわけですが・・・ [review][投票(2)]
★3バカヤロー!2 幸せになりたい(1989/日)また森田芳光のはからいで、CF、助監督、演劇の世界から、とりあえず4人の有望新人監督がニッポン映画界にデビューしたわけですが・・・・ [review][投票]
★5青春デンデケデケデケ(1992/日)54歳、大林宣彦による傑作オジサンゴロシ映画。私はチックンと白井の出会いに思わず目頭が熱くなる。そうだ、友はいつもさり気なく現れた。そして輝く日々を共に過ごし、ふと気づくと遥か彼方に去っている。あのときの熱気が疾風となり私の心を吹き抜ける。[投票(5)]
★1幕末純情伝(1991/日)原作をあたり障りなくかいつまんだだけの脚本。それはただの進行表。カメラの前で役者に芝居をさせただけの演出。それはだだの作業。何も生まない徒労の集積。映画のカタチをしているように見えるが、これは映画ではない。 [投票]
★3連弾(2000/日)男にも女にも、そして子供にも、葛藤のもの足りなさを感じてしまうのだが、「戯れ歌」を随所に挿入することで、このテーマにありがちな過剰な湿っぽさや思い入れをかわそうとした竹中演出の成果ととりたい。[投票]
★3麻雀放浪記(1984/日)画にしろ、音にしろ、動きにしろ、細部にこだわり過ぎたあまり、ドラマの構築という最も大切な部分が未完成。加賀まりこ大竹しのぶの女パートが空回りして、男パートに絡まないから話が薄っぺらく見えてしまう。[投票(4)]