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煽尼采さんのコメント: 点数順

★3春の雪(2005/日)美しい映像の流れを追うだけで、音楽を味わうように心地好く、二時間半を飽きずに済む。物語の節々での清顕の心理を表情で見せた妻夫木聡、清楚な振舞いの内に閃く意志の強さが色気を発する竹内結子、共に予想以上に良し。 [review][投票]
★3ベティ・ブルー/愛と激情の日々(1986/仏)ベティの狂気と情熱に、男の狂気と情熱も沸騰させられる。だが、その激しさは殆ど、二人の間の亀裂に希望も絶望も流れ落ちる、滝に似た激しさ。これは冷酷な反恋愛映画ではないのか?[完全版] [review][投票]
★3エバー・アフター(1998/米)簡単には童話的な因果応報に守ってもらえぬ現実に対し、「やられたらやり返す」の精神で立ち向かう、強いシンデレラ。だが、「愛されて愛し返す」というのは、知恵や腕っ節でもままならぬ、というのもまた現実。 [review][投票]
★3フェノミナン(1996/米)才能を持つ事は、他人と違うWorldに生きる孤独をも意味するが、Phenomenon(=出来事、現象/非凡な物・人、奇才)は、真の“Change The World”の契機でしかないという事。[投票]
★3自虐の詩(2007/日)無料の試写に集ったオッチャンオバチャンは反応良好。裏を反せば、余りにベタ。だが、幸江の母性と、イサオの純情、海の如く深き愛に海月のように心地好く漂える映画。 [review][投票]
★3プリティ・ライフ パリス・ヒルトンの学園天国(2006/米)カラフルでキラキラした画面上に展開する、下ネタの連続。嘘か真か、セレブに群がるバカ学生の乱れた珍獣的生態は割と面白いけど、ラストは尻すぼみ。 [review][投票]
★3ランド・オブ・プレンティ(2004/米=独)ヴェンダースの作品は幾つかしか観ていないが、彼が「社会」や「国家」といった大きな主題を扱うと、大掴みで図式的。個人的で小さな主題に収束させていくと、余韻の残る良い作品にしてくれるんだけど、今回は収束し切れなかった。 [review][投票]
★3クリムト(2006/オーストリア=仏=独=英)絵を描く場面の少なさと、全編、全裸の女性が散りばめられているにも関わらず不足がちなエロス。「画家クリムト」の印象の希薄さが残念。脚本は、混線しているようでいて結構、構造的かも。 [review][投票]
★3三年身籠る(2005/日)余計な台詞を排した、シンプルな脚本。持続する、低温なユーモア。冷めているようでいて、その実、常に人の体温が感じられる映画。 [review][投票]
★3七人の弔(2004/日)無条件の愛、条件付きの愛、無条件という条件付きの愛。(『生きない』のネタバレあり→) [review][投票]
★3パッション(2004/米)露骨なまでに即物的な苦痛の描写が、却って肉体に対する精神の勝利を浮き彫りにする逆説。 [review][投票]
★3ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド(2005/英)永遠の、強いられた二人三脚。 [review][投票]
★3ジダン 神が愛した男(2006/仏=アイスランド)饒舌なる無言。ただし、単調な饒舌さというものもある訳で…。 [review][投票]
★3天と地と(1990/日)鎧兜と仮面で覆われた兵士は、まるで『スターウォーズ』のストーム・トルーパーのようで、白ける。制作者側は、現地の外国人を使う巧い手だと自讃してるけど。暇潰しで観るには及第点。合戦シーンの血湧き肉躍る劇伴は、小室哲哉の最良の仕事だと思う。[投票]
★2ハンサム★スーツ(2008/日)紋切り型の筋書き、懐かしいギャグ、TVタレントが複数カメオ出演、と、観客のお茶の間的な日常に奉仕するサービス精神には、映画としての心意気は乏しい。この凡庸さは善良さの裏返しでもあるが、容姿至上主義に対して善意至上主義を貫く単純さも何か嫌。 [review][投票(7)]
★2ジャガーノート(1974/英)複雑怪奇な極小空間に於ける、針の穴に糸を通すような、目と指先だけの冒険。コードと金属部品を通しての、犯人との虚々実々。この爆破装置処理の場面だけは4点に値するが、それ以外は眠たすぎる。犯人捜査のサスペンスも船上の人間ドラマも何とも中途半端。 [review][投票(6)]
★2シェイプ・オブ・ウォーター(2017/米)パンズ・ラビリンス』のような妖しく美しい暗黒幻想譚かと思いきや、嫌いなジャン・ピエール・ジュネ風の幼稚で狭苦しい箱庭映画に失望。本筋は粗雑で凡庸なメロドラマに過ぎず、むしろ主役はマイケル・シャノンと思いたい。 [review][投票(5)]
★2クリーピー 偽りの隣人(2016/日)香川照之が唐突に、竹内結子に「僕と旦那さん、どっちが魅力的ですか」と訊ねる時、竹内と共に観客もまた自らの内に揺らぎを感じるべきであり、竹内が号泣する姿にも、香川への憎悪なのか愛着なのか、その揺らぎに観客は襲われるべきなのだ。 [review][投票(4)]
★2イップ・マン 葉問(2010/香港)前作同様、生活空間に巧く武術を溶け込ませる演出が好ましいのだが、敵側が「チャイニーズ・モンキーどもなんて虫ケラ同然だぜヒャッハー!」的な悪しきバカとして描かれているのが戯画的過ぎてついていけない。 [review][投票(4)]
★2川の底からこんにちは(2009/日)満島ひかりの起用は監督の私生活上の成功は呼んだかも知れないが、映画は彼女のチャームの欠如によって、無表情を装うOLが何も無い徒手空拳を開き直りに反転させて打って出る勢いにドラマ的運動性を呼ばない。 [review][投票(4)]