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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★1黒い家(1999/日)サイコパスものらしい浅薄が西村雅彦のなれの果てで炸裂。子どもだましという感想。ボーリング指導に中山律子の名前があるのが面白かった。[投票]
★4靖国・地霊・天皇(2014/日)真面目に両論併記した結果、民族の情念語る右翼弁護士徳永信一の非論理際立ち、両論になっていない、という滑稽が燻り出されている。よくあることですが。いまや昔の人桜井誠の活躍映像付。創作部分は退屈でいけない。[投票]
★4あの日のオルガン(2018/日)疎開保育園が最善を尽してもなお、子供らは保護者といた方が幸せだったのではないのか、という果てしのない後悔がいつまでも残るのだった。そんななか大原櫻子と子供らの気楽なコメディがとてもいい。[投票]
★4懲役十八年(1967/日)定型の近代ヤクザ話だが笠原和夫固有の理屈があり飽きさせない。説得はされないけど。小池「貴様の頭のなかにあるのは敗戦国の亡霊なんだ、世の中は変わっていくんだ」安藤「変わりたくないんだ」[投票]
★5リーベンクイズ 日本鬼子(2000/日)三光作戦ほかの逃げ出したくなるような告白集。彼等が中共に洗脳されたという因縁でもって聞く耳持たなかった戦後日本の貧しさよ。本邦の中国戦線映画の答え合わせとしても有益。[投票]
★1北の桜守(2018/日)善人と悪人が交互に出て来て嫌味な連中が改心する昔ながらのメロドラマ。日本アカデミー賞の毒が回っているとしか思われず、那須真知子の末路はこんなもんだろうが滝田には失望。保護者参観日の幼稚園の如きラストのダサさは邦画史上画期的で一見の価値があろう。私は死ぬかと思った。[投票]
★2閉鎖病棟―それぞれの朝―(2019/日)鶴瓶と官憲、綾野剛と妹夫婦、小松奈菜と両親など、解析されるべき悪との関係はヒステリックな描写で切り捨てられ、精神病院の課題も放棄され、ただアジールで弱者が身を寄せ合うのがしんねり描かれるばかり。ヒステリー好みは当節の邦画の一般的傾向で、それ自体が病理だと思わされた。[投票]
★3半世界(2019/日)演出も編集も流暢だから観ているうちは退屈しないが、話があんまりにも平凡。この監督は腰砕けの作劇を志しているのだとの確信に至った。すでに池脇千鶴しか覚えていない。東山千栄子化が進行していて頼もしい。飄々と達観した喋り方まで似てきた。[投票(1)]
★4執炎(1964/日)オールヌードにノーメイク、黒目がスクリーンから落ちてしまいそうなアップ。浅丘ルリ子渾身の代表作。平家落ち武者村落を直接描いて価値高く、女性から見た戦争と男性の批評がとても穿っている。「出征する男は美しく清くなる、結局男は惨いもの」[投票(2)]
★3青春怪談(1955/日)オールバックが凜々しい北原三枝相手の芦川いづみのレズビアンは、その筋の元祖『オリヴィア』が51年だから相当早いものだが穏当な運び。その他、新旧の結婚観対比という主題は特に穿った処がない。早口演出は採用されず。[投票]
★3オリヴィア(1951/仏)同性愛を正面から描いた先駆作の由。ハイソな寄宿学校のカッコいい女性教師エドヴィジュ・フィエールへのおぼこい生徒マリー・クレール・オリヴィアの淡い恋慕物語は、本邦少女漫画の元祖の趣。[投票]
★3恋は緑の風の中(1974/日)家城遺作はなんと性典もの。♪スーパーマンの子供はスーパーマン○ などと唄われ、本作デヴューの原田美枝子は関根恵子レベルで穏当だが、度肝を抜かされるのはその母親水野久美の家庭における激しい性解放。しかも映画は彼女を肯定し続けるのだった。脚本は娘さんか。[投票]
★3風、スローダウン(1991/日)殆ど監修井筒の作品なんだろう。快活な演出で平凡そうな五十嵐いづみが光り輝いており、らしい小ネタてんこ盛りが愉しい。ただ、収束は辛気臭すぎた。延々流れる♪大人に変わる季節がある なる演歌だけでも今から除去すべきと思われる。あと、タイトルも替えてほしい。[投票(1)]
★3超能力者 未知への旅人(1994/日)珍コンビ佐藤純彌早坂暁による『北京原人』の先行作は北京で気功。真光教の手かざしに似ているが関係ないらしい。セミドキュメントはヒーリングビデオみたいで実に胡散臭いが、ドラマは然もありなんという超能力者の受難が面白く、三浦原田も達者。[投票]
★3DEAD OR ALIVE・犯罪者(1999/日)中国残留孤児の息子が助手するマルクス哲学の授業はガラガラという辺りの諦念に時代が掴まれているとは思うのだが、相変わらず人物像を深掘りする気のない素っ気なさがどうにも喰い足りない。有名なクライマックスは『太陽を盗んだ男』の拡大版の趣。[投票(1)]
★3行く行くマイトガイ 性春の悶々(1975/日)短尺で話は平凡だが、井筒らしい青年たちの生態観察はすでに完成しているのが見て取れる。田舎は嫌だ東京へ行こうとあけすけに繰り返される一極集中の欲望が蔓延しており、地方都市を描き続けた氏らしくないのが面白い。[投票(1)]
★4クレージーだよ 天下無敵(1967/日)終始快活な産業スパイコメディ。国会前の機動隊谷啓に突撃する全学連植木なんて描写は、右翼の古沢憲吾では考えられないだろう。万博出展予定の電化住宅、八重洲のポットン式の公衆便所付。DVD付録のロケ地探訪がやたら面白い。[投票]
★4出張(1989/日)バブル期にすり減った全共闘世代の夢想。その二十年間で造反無理と化した本邦の造反有理について思いを致さざるを得ない。収束は石橋蓮司屈指の傑作で誠に素晴らしい。まるで関係ないが『旅情』のキャサリン・ヘプバーンみたい。[投票]
★3小さなスナック(1968/日)相変わらずの芸者身請け噺の変奏ではショボすぎるが、パトロンや組織なしに成り立たない自由業を描いて、同時代の諦念は厭ほど伝わってきた。脈絡なくポップな演出はテレビドラマの先駆なんだろう。[投票]
★4坊やの人形(1983/台湾)サンドイッチマン、圧力鍋、米軍と、資本主義が強いる珍奇な仕事と状況という主題が、あの夢のように美しい台湾の風景とともに展開される剣呑さ。同一作者による粒揃いのオムニバス。個人的には梅崎春生が思い出された。 [review][投票]