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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★5東への道(1920/米)夜通し赤子を看病するリリアン・ギッシュの絶望の強度に圧倒された。このワンシーンだけで★5つ。リリアンの演技とクライマックス以外はユルい作品だが、元祖昼メロとして観れば興味深い。 [review][投票(2)]
★4愛なき女(1952/メキシコ)ブニュエル曰く「私が製作したもののなかで最悪のものだ」。しかし面白い。 [review][投票(1)]
★3乱暴者(1952/メキシコ)地上げに暴力はいずこも同じ風景。西新宿の再開発にあたっては、夜中にダンプが民家に突っ込んだらしい。 [review][投票]
★3熱狂はエル・パオに達す(1959/メキシコ=仏)政治映画としても恋愛映画としても中途半端。煮え切らないのもブニュエルというべきなのか。 [review][投票]
★3俺は待ってるぜ(1957/日)北原三枝が波止場で恋を仄めかす折に、流れるBGMが「ハバネラ」ってのがいい。口にできぬ想い♪好いてくれないならあたしから好いてやる/あたしに好かれたら危ないよ [review][投票]
★3マルクス一番乗り(1937/米)ドタバタも歌もダンスも立派だが、それらを手際よくまとめて何も残らない娯楽作品。 [review][投票]
★2汚れた血(1986/仏)80年代のボウイを馬鹿にし続けたパンク世代としては、「モダン・ラブ」で駆け回るガキなど中指立てて追い返すしかないのである。[投票(1)]
★4哀しみのトリスターナ(1970/仏=伊=スペイン)前作『銀河』のラストシーンを本作は引き継いでいるのであり、盲いた巡礼者たちの覚束ぬ歩行が、冒頭、サッカーで敵を引っかける聾唖者の脚に重ねられる。 [review][投票(1)]
★3裸の太陽(1958/日)太陽の墓場』みたいなものかと観ればズッコケる、あっけらかんとした青春賛歌。竹を割ったような主人公の誤解と突進で展開するありがちな物語。見所は機関車のローテクと対峙するクライマックスで、突然に緊迫感漲る。東映城のお姫様の水着姿もよろし。[投票]
★4落ちた偶像(1948/英)登場人物への感情移入を拒む笑劇。まれにみる奇矯な状況に遭遇できる、この状況こそ主役。基本、英国らしいシニカルだけれど、ちょっと違うのが味。 [review][投票]
★1日本のいちばん長い日(1967/日)倒れゆく陸軍を美的に捉えて不気味。途中からフィクションにして、クーデターが成功するのかと思った。例えば若松は『実録・連合赤軍』をこのように撮ることもできたが、当然ながらそうはしなかった。 [review][投票(3)]
★3さよなら子供たち(1987/独=仏)撮影は超一流、古典的なカット繋ぎの施されたアンゲロプロスのよう。中盤の林の疾走から岩場に至る件は絶品だ。しかし物話は神父の言動に一貫性が見いだせず、違和感が残る。 [review][投票]
★3汚れなき悪戯(1955/スペイン)キリスト教の厭世観を示して露骨、慄然とせざるを得ない。 [review][投票(2)]
★4ルー・サロメ 善悪の彼岸(1977/仏=伊)ドミニク・サンダのお蔭で関係者がみんな三角関係フェチになるという物凄い作品、しかも実話。昨今ブームのナイーブなニーチェ像を嗤い飛ばすグロさがいい。 [review][投票]
★4恋文(1985/日)モテる男もつらいよという作品。冒頭のアパートの外観や砂浜の語らいなど、神代印が嬉しい。タクシーの窓に爪を立てる倍賞美津子、屋上を逃走する高橋恵子、突然にギアチェンジする中盤の混乱が白眉。[投票]
★3宇能鴻一郎の濡れて打つ(1984/日)そこまでやるかと呆れながら観る艶笑譚。お嬢様学園にはあり得ないテニスコートの貧乏臭さが印象的。『桐島』の映画部員は報道部の玉本くんの息子なのだろう。[投票(2)]
★5異母兄弟(1957/日)三國連太郎の狂い行く陸軍将校物凄く、いや最初から狂っておるのだ、親方日ノ丸人生の虚妄を演じて余す処なかった。依田義賢脚本、溝口系女性映画のおそろしい作品。[投票]
★3ライフ・イズ・ビューティフル(1997/伊)悲劇に転調して失敗する喜劇が山ほどある中、本作は巧く纏めたものだ。冗談で押し通す父親が素敵、これも生き様であると感じさせる。父がナチの手口を子に説明できるほど熟知していようはずもなく、展開に無茶があるが、無茶で通せるのは喜劇の得なところ。[投票]
★5生きる(1952/日)本作は裏『最後の人』であり、俯いた志村喬の造形はエミール・ヤニングスが区役所に出没したかのようで、ハッピー・バースディの件が我々の胸を熱くするのも、縦の構図がムルナウのように見事に決まるからだ。黒澤映画の最高の瞬間はサイレント映画の遺産の継承とともにある。 [review][投票(1)]
★4冬物語(1991/仏)歪な性格の主人公に付き合っていられたのは、どのショットも一幅の絵になる見事な撮影から目が離せなかったから。そして最後には、彼女のような不幸と幸福もあるものだと得心させられる。映画の力を感じた。シェイクスピアの舞台の撮影が特に印象的。[投票(1)]