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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★2お葬式(1984/日)坊さんの外車や霊柩車の踊り竜を金満と映画は茶化し続けるのだが、自分の別荘もまたバブリーに見えることに、この監督は全く無防備らしいのだ。これがとても滑稽に見える。 [review][投票(3)]
★3高校教師 成熟(1984/日)冒頭のハレンチ学園から話はもの凄い方へ展開するのであり、私には判らない世界が啓け行くのを唖然と眺めるばかり。 [review][投票]
★3極道の妻たちII(1987/日)前半の小ネタはいろいろ面白い。掴みの、周囲をビビらせる奥さん連中の海岸バス旅行とか、藤岡琢也への嫉妬に狂って包丁を剥いていたリンゴに突き立てて去る十朱幸代(定番)とか。 [review][投票(1)]
★2帝都物語(1988/日)大林系列のお遊び美術とハリーハウゼン式怪獣による仕方のないオカルト。制作者にとって将門の怨念がネタに過ぎないのが丸判りで全ての詠嘆が空々しい。 [review][投票(1)]
★2夢二(1991/日)80年代の大傑作の縮小再生産。若い頃に観たような気がするのだが再見してもまるで思い出せず、そして観終えた直後に速やかに忘却が始まる印象不鮮明。 [review][投票]
★2大誘拐 Rainbow Kids(1991/日)冒頭の8月15日の出所からして『近頃なぜかチャールストン』の繰り返しだが、結局この縮小再生産でしかなかった。かつてないほど撮影も俳優も地味で痛々しい。 [review][投票(2)]
★2カンゾー先生(1998/日)ウィルス(肝炎)流行の映画な訳だが、患者がほとんど苦しそうでないのがまずいけないだろう。柄本明の医者が駆け回っているばかりで、彼がヌケ作にしか見えない。 [review][投票(2)]
★4鉄道員〈ぽっぽや〉(1999/日)江利チエミ追悼作。20世紀の終わりに東映が残した最後のスタア映画。軽く怪談映画。 [review][投票(1)]
★2御法度(1999/日)かつての本邦新左翼の前衛が新鮮組の右翼を取り上げて何もできなかった。表層に何がある訳でもなく、当時オーシマの存在自体がテレビ画面上のパロディだったのが思い出されるばかりの寂しい遺作。 [review][投票]
★4しゃべれども しゃべれども(2007/日)笑いを技術として扱うスタンスがユニーク。落語を扱って喜劇映画ではない、というのが本作の肝だろう。 [review][投票(1)]
★5南極料理人(2009/日)グダグダな官製事業を見れば条件反射で「縮小」しか思い浮かばなかった当時の小市民の新自由主義的心情を挑発するグウタラ職場。これは挑発の喜劇、2008年に始まった「身を切る改革」とやらのパロディだったのだ。 [review][投票(2)]
★3私の奴隷になりなさい(2012/日)昨今の邦画レベルと比べれば壇蜜のポルノとして立派だが、でもそれだけだ。奴隷をファシズムとともに語る喜重や若松、パゾリーニやファスビンダーの政治映画の方法はまるで引き継がれていない。 [review][投票]
★1俺俺(2012/日)原作も焦点定まらぬアイディア倒れの凡作だったが映画はさらに酷く、制作者も整理できていないに違いない折り重なった屁理屈を茫然と眺めさせられるばかり。見処は序盤の幾つかのギャグとロケ地の給水塔のみ。終盤は早く終われと念じる類。[投票(1)]
★3続・深夜食堂(2016/日)疑似昭和の偽物感が蔓延、当節にアジールを想像すればこんなものか。フライパンがテフロン加工ってのが外しているし、官憲のまわし者である光石研オダギリジョーの粘着は不気味である。 [review][投票(1)]
★2夜空はいつでも最高密度の青色だ(2017/日)余りにも生真面目な当節の若者たちの決意表明。映画から才覚というものがまるで感じられないのだが、あえて凡庸を選ぶ姿勢を取ったということなんだろうか。 [review][投票(2)]
★4かあちゃんしぐのいやだ(1961/日)美点は撮影で武生の四季が美しい。とりわけ雪景色。広い河原での雪合戦、陽の光の照り返しのなか一斉に行われる雪下ろし、雪片を蹴とばして帰る泥道。 [review][投票]
★4広い天(1959/日)「日本は新しくならなきゃダメだ」の獅子文六、童話のような理想。素晴らしいのは主人公の少年がしばしばどこにいるのか判らなくなる描写群。 [review][投票]
★4海の純情(1956/日)元祖『カポネ』のやたら気楽で陽気な歌謡映画。朴訥を画に描いたような若き春日八郎を清順は女難地獄に突き落として弄び続ける。 [review][投票]
★3水戸黄門漫遊記(1938/日)「東海道の巻」と「日本晴れの巻」の総集編らしく大雑把な出来だが喜劇だからあんまり気にならず、エンタツアチャコののんびりした漫才が愉しめる。面白い。70年代のテレビでも通用するレベルだろう。 [review][投票]
★4てなもんや三度笠(1963/日)白木みのるの坊さんが誠に素晴らしい。伝説は伊達ではなく、これは本邦喜劇史屈指の道化に違いない。本作の欠点は彼が出ずっぱりでないことだ。 [review][投票(1)]