★5 | 人気のない真昼の江戸の町をゆく金魚売りはキリコの絵のようにシュールだ。戻りたくとも戻れないその場所にあった平安。山中の厭世はひそやかに通り過ぎる。紙風船に吹く風のように。 (淑) | [投票(1)] |
★5 | 山中の演出が素晴らしいのは勿論だが…。河原崎長十郎の表現力には二度見て二度とも驚愕した。黒澤が『生きる』で志村喬に求めたのは確実にコレだろう。 (町田) | [投票] |
★5 | 堪らない。 [review] (ナム太郎) | [投票(4)] |
★5 | 現存する山中の前二作に描かれた小市民やアウトローであることの幸せが、ここでは裏返しになって私たちを襲ってくる。仕官の道を断たれて豪雨に立ち尽くす河原崎長十郎の顔が闇に白く浮かび、私は画面に殺される。史上最も厳しい円環構造の映画。これは一篇の悲劇ではない。それは、永劫に続く。 (3819695) | [投票(1)] |
★5 | 「山中貞雄亡き後時代劇は死んだ」と溝口健二が言っているが、それもあながち大袈裟ではない気がする。 (Yasu) | [投票] |
★3 | ああごめんなさい。わたしにはこの映画が「日本映画の最高傑作」とまでいわれる所以をさっぱり感じ取れませんでした。(03.03.03@高槻松竹セントラル) (movableinferno) | [投票(3)] |
★5 | シャレにならない今のご時世だけに、むやみにすすめるのをためらってしまう。 [review] (くたー) | [投票(10)] |
★5 | 一画面、一画面に生きることの孤独と悲惨が花火さながら炸裂している。意地をはり、義理を立て、筋を通すことのなんと切ないことか。意地を捨て、義理をかき、筋を曲げることのなんと情けないことか。進むも、退くも冥府への道。 (ジェリー) | [投票(3)] |
★4 | 群像劇を行うときの、過度なまでの客観性の確保に監督の非常なクレバーさを見る。 [review] (Kavalier) | [投票(5)] |
★4 | 65年前の作品なのに、実にタイムリーな感じがしてしまった。それだけ世の中変わってないってことなのか。(02/11/22 池袋新文芸座) (太陽と戦慄) | [投票(1)] |
★5 | 出口無しの貧乏地獄でも人々は矜持と楽観を手放さない。多くの人物を交錯させつつ、それらを抽出した脚本の妙と中村・河原崎の体現する豊穣なダンディズム。ペシミスティックな怒濤の終局は山中の夭折と映画史的符合を成し神話的でさえある。 (けにろん) | [投票(1)] |
★4 | これが武士の妻というものなんだ……。 [review] (なつめ) | [投票(2)] |
★5 | 山中貞雄の遺作。観終わると暗澹とした気分になる。 (丹下左膳) | [投票(1)] |
★4 | 悪弊の淵に沈んだ庶民も山中の手に掛かれば、踏み付けられてもへこたれない独特のしたたかさを持った魅力的世界と描かれる。
[review] (G31) | [投票(2)] |
★5 | 悲劇的な最期と、どぶを流れる紙風船。20代で映画が撮れた良き時代に戦争があったことを悲しく思います。 (動物園のクマ) | [投票] |
★4 | 物凄く暗い話なのに全体的にサラっとしてて何か印象に残りにくいが、やっぱり隅々に至るまで良く出来ている。70年前の作品なのに古臭く感じないのも衝撃的だし、ラストのカットに全てを凝縮してて堪らない。太平洋戦争の遺した映画界への傷跡は計り知れない。['07.8.15早稲田松竹] (直人) | [投票] |