★4 | トゥーマスト ギターとカラシニコフの狭間で(2010/スイス) | トゥアレグ族は、かつて北アフリカに侵攻したイスラム王朝によってサハラ砂漠に放逐され、遊牧民として生きることを選択した民族である。やがてフランスほかの侵略により彼らの移動領域は分割され、民人は国家への服従を強いられた。そんな歴史のなかでムーサ・アグ・ケイナは戦士となり、リビアのために銃をとってイスラエルと戦う道を選ばされる。だが、リビアともイスラエルとも諍いを望まないムーサは、政府に背を向けて自由と平和を尊ぶトゥアレグの闘士となる決意を固める。彼のとった武器はギターであり、流血なくして父祖の誇りを取り戻すべく彼はステージに立つ。彼のもとには、イスラムに反し自由に歌う歌手アミナトゥー・グーマールらも集まった。〔88分〕 | [投票] |
★1 | まく子(2018/日) | ある温泉町。小学5年生の旅館の長男サトシ(山崎光)は、成長に従いオトナに深い軽蔑心をもち、自分がオトナになることに恐怖する少年となった。特に女癖が悪く、母親(須藤理彩)を裏切って情婦をつくる父親(草なぎ剛)への彼の憎悪は日ましに大きくなってゆく。そんな日々のなか、旅館は一風変わった母子を住み込みの従業員として迎えた。娘のコズエ(新音)はサトシの同級生となり、その大人びた美貌と特異なキャラクターで同級生の関心を集めるに至った。彼女の雰囲気に股間を堅くしながらも、サトシは頑なにコズエを遠ざける。そんな彼に少女は、自分の出自の秘密を語るのだった。おりしも祭が近づく季節のなかで…。〔108分〕 | [投票] |
★2 | 真白き富士の嶺(1963/日) | 海岸よりの風も吹き寄せる逗子の邸宅。東京への転居の準備に忙しい梢(芦川いづみ)は主人のいない籐椅子を撫でながら、静かに妹・梓(吉永小百合)のことを回想し、昔に思いを馳せるのだった。梓は長い入院期間を終え、逗子海岸に向かっては思い切り波打ち際を疾走し、羽根を伸ばしていた。彼女の病はもはや治すすべもなく、温情をもって医師が自宅療養を奨めたことを知る父親・修平(宮口精二)や梢は、せめて梓によい思い出を作ってやろうと見守っていたのだ。庭で水まきに興じる梓は、表に通りかかった高校生・富田(浜田光夫)の躰を濡らしてしまった。それ以来ふたりは親密になってゆき、梓のもとに舞い込む大量の手紙に梢は驚くのだった。〔99分〕
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★3 | ぷかぷかジュジュ(2012/日) | 日曜日のミカ(加藤英美里)がふくれっ面なのは、パパ(三宅健太)が嫌いだからじゃない。毎度パパは海に連れて行ってくれると約束するのに、その日になるとゴルフに行ってしまうからだ。ママ(岡村明美)は代わりにお庭にプールを用意してくれるけれど、ミカの気分は晴れなかった。でもある日、パパが買ってきたフロートボードのジュゴン「ジュジュ(梅田貴公美)」が、ミカを海に連れていってあげると言い出した。ジュジュはミカを背中に乗せると、プールの底に広がる大きな空間…海の世界に向かう。そこには、海の女王ミミカ(水橋かおり)が待っていた。アニメ振興プロジェクト「アニメミライ」の参加作品。〔25分〕 | [投票] |
★5 | BUTA(2012/日) | 自称大海賊のトラフグ(咲野俊介)は、世界の富を手中に握るべく情報を集めていた。そんな彼が手に入れたのが伝説のお宝が眠る場の地図。さっそく探し出すための補充要員を求める声に、滅法腕が立つがネコにだけは弱い浪人ブタ(てらそままさき)が応じた。旅立った海賊船で、ブタは檻に囚われた少年キツネ(沢城みゆき)と出会う。聞けば彼は宝の地図とともに拉致された者であり、助けてくれれば大金を払うという。信用できず無視したブタだが、キツネの機転で無理やり彼を誘拐、地図をもって逃げた裏切者にされてしまう。激怒したトラフグの追っ手を切り抜け、ふたりの逃避行が始まった。アニメ振興プロジェクト「アニメミライ」の参加作品。〔25分〕
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★4 | ピンカートンに会いにいく(2017/日) | 20年前。ブレイク目前のアイドルユニット「ピンカートン」は、突出した人気のメンバー葵(松本若菜/岡本夏美)の脱退とともに空中分解した。行われるはずだったライヴに足を運んだ少年はただ傍観するよりなかったが、その胸中には沸々とたぎる思いが宿っていた…。そして現在。元ピンカートンのリーダー優子(内田慈/小川あん)は必死に芸能界にしがみ付きながらも、もはや崖っぷちに立つ己を自覚するアラフォー女子と成り果てていた。そんな彼女の前に、芸能プロ社員の松本(田村健太郎)が現われ、ピンカートン再結成の依頼を夢をこめて語る。もはや口汚いオバさんでしかない優子だったが欲求は抑えきれず、散っていったメンバーを彼とともに探す。〔86分〕 | [投票] |
★3 | 家族のレシピ(2017/シンガポール=日=仏) | 高崎市。青年・真人(斎藤工)は父・和男(伊原剛志)の経営するラーメン屋で、もうひとり叔父の明男(別所哲也)とともに働いていた。父は寡黙に徹して真人に料理の技を伝えようとはせず、結局自宅で自ら研究し父の味を再現しようとするのが息子の日課であった。そんな日々のなか、和男は調理場で突然死する。父の遺品を片付ける真人は、彼の幼時に帰らぬ人となった母メイリアン(ジネット・アウ)の日記を見出す。父が語らなかった母との暮らしに何があったのか。真人はかつて生活していたシンガポールに向かい、交流のあるフードブロガー・美樹(松田聖子)の力を借りて母の家族を探す。そこには食堂を営む叔父ウィー(マーク・リー)がいた。〔89分〕 | [投票] |
★3 | なっちゃんはまだ新宿(2017/日) | 「なっちゃん(菅本裕子)」が出現したのはある日のことだった。地方の高校で評価されはじめた学生ユニット、POLTAのマネージメントをしている秋乃(池田夏海)が、男友達である岡田(河西裕介)に恋心を寄せはじめた矢先に彼の恋人として知った娘が、通称なっちゃんという他校生だ。色白で友達がいない、でも笑顔の素敵ななっちゃん。彼女のことをもっと知りたい、と渇望する秋乃の思いの結晶のように、ついに妄想の彼女は自室に現われる。ソフトクリームを嘗めながら心を打ち明け合う秋乃となっちゃん。そして岡田が現実のなっちゃんと別れたのち、彼と恋仲になった秋乃の前から、なっちゃんは消えた筈だったが…?〔93分〕 | [投票] |
★5 | ビール・ストリートの恋人たち(2018/米) | 70年代のNY、ハーレム。19歳の娘ティッシュ(キキ・レイン)は収監所の面会室を訪れ、恋人のファニー(ステファン・ジェイムス)に彼の子供を身籠ったことを告げる。その投獄により結婚も許されぬ身ながら、彼はティッシュの報告を喜んでくれた。こうした状況のなか、素直にその事実を祝福したのはティッシュの家族も同様だったが、ファニーの母はティッシュを疫病神のようだと罵り、ティッシュの母シャロン(レジーナ・キング)を激昂させるのだった。…事の始まりはティッシュに暴言を吐く白人男をファニーが殴り飛ばし、警官(エド・スクレイン)に目をつけられたことだった。間もなく、いわれのない強姦罪にファニーは問われた。〔119分〕
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★4 | デッドエンドの思い出(2018/韓国=日) | 30歳を迎えようとするユミ(スヨン)は、名古屋に転勤した恋人のテギュ(アン・ボヒョン)との関係が冷めようとしているのを危惧し、恋人を驚かせようと韓国から渡日を果たした。だが、彼のアパートの扉を叩いたユミを迎えたのは、新しい恋人だという日本娘のアヤ(平田薫)だった。衝撃に打ちのめされ、独り名古屋の街をさまようユミは、やがて一軒のゲストハウスを兼ねたカフェ「エンドポイント」にたどり着く。地元民と宿泊客しか知らないその店で、ユミを迎えたオーナーの西山(田中俊介)は彼女を温かくもてなし、帰国するまでの彼女のため部屋に案内する。それからの日々の出来事は、ユミの心の傷を洗い流してくれた。〔90分〕 | [投票] |
★2 | 翔んで埼玉(2018/日) | かつて我が国の関東平野においては、戦慄すべき差別体制が存在を続けていた。埼玉県は未開の地域とされ、人民は「通行手形」なしに出入を許されないことになっていたのだ。さて、東京。官僚を育成する白鵬堂学園に帰国子女である美少年・麗(Gackt)が入学の手続きをとった。学園の生徒会長であるプライド高き都知事令息・百美(二階堂ふみ)は麗に園内を案内するが、百美の差別行為をいさめた麗に知力勝負を申し込む。悉く敗北し唇を噛む百美だったが、麗のキスに魂を奪われ、恋に堕ちた。だが、父たる都知事(中尾彬)邸に連れてゆかれた麗を見た執事・亜久津(伊勢谷友介)は、彼が埼玉解放の闘士と見破るのだった。〔106分〕
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★5 | 映画 めんたいぴりり(2018/日) | 戦後復興期の博多。食品店の主人・俊之(博多華丸)の夢は、自分が生み出した「辛子明太子」を世に広め、世界の人々に幸福になってもらう、という途方もないものだった。でも、そんな彼に惚れ込んだ嫁の千代子(富田靖子)、その他彼についてきている従業員たちも、俊之のバカさに呆れながらもその夢を叶える協力を惜しまないのだった。ある日俊之の息子のひとり・健一(山時聡真)の級友・英子(豊嶋花)が店頭のソーセージをこっそりくすねる。彼女の苦しい生活を聞いた俊之は、ひそかに彼女の「足長おじさん」になろうとする。そして貧しさから彼の明太子の製法を盗もうとした男・石毛(柄本時生)を、俊之は仲間と呼んで激励するのだった。〔115分〕 | [投票] |
★3 | パプーシャの黒い瞳(2013/ポーランド) | ことばを綴る文字も、定住する土地も持たないジプシーの一族に少女パプーシャ(パロマ・ミルガ)は生まれた。皆に災いをもたらす娘となる、との占いの結果のように、彼女は幼くして異邦人に文字を習い、思いを書きつける習慣を覚えた。長じてパプーシャ(ヨヴィタ・ブドニク)が父親ほどの年齢差をもつディオニズィ(ズビグニェフ・ヴァレリシ)を連れ合いと成してのち、一行によそ者のイェジ(アントニ・パヴリツキ)が宿を求める。作家である彼はパプーシャに興味をもち、彼女の口ずさむ詩を原稿に書き、本とすることを薦める。イェジはディオニズィら一行に全国での楽器演奏権をもたらすが、彼の執筆はジプシーたちにとって異端の業だった。〔131分/白黒〕 | [投票] |
★4 | あかぼし(2012/日) | 夫が失踪して半年。佳子(朴[王路]美)は簡単な仕事を続け息子の保(亜蓮)の生活を守ってはいたが、彼にも判るほどに憔悴していた。ある日、駅で二人組の男女(鯨井和幸 / 藤井かほり)に話しかけられた佳子は、優しさにすがり彼らの属する宗教団体に入信する。布教活動に携わることで積極性を取り戻した母を支えたのは、幼さと健気さとを「武器」にした保の勧誘弁舌であった。だが、それを学友たちに知られて保はいじめの対象となり、徐々に居場所を失ってゆく。それでも教団で出会った少女カノン(Vlada)との交流は保を安らがせたが、佳子はといえば布教の裏のトラブルで苛立ち、ライバルを貶める行為に手を染めてゆくのだった。〔135分〕 | [投票] |
★4 | ハートビート(2016/米=ルーマニア) | ニューヨーク。バレエダンサーの卵、ルビー(キーナン・カンパ)は芸術大学で研鑚を積む毎日。素質はあるが遊び好きなルームメイト、ジャジー(ソノヤ・ミズノ)と励まし合いながら頂点を目指していた。そんなルビーが地下鉄のホームで出会ったのが、ヴァイオリン演奏で日銭を稼ぐ青年ジョニー(ニコラス・ガリツィン)だった。惹かれあうふたりだったが、予期せぬ不良グループの抗争に巻き込まれ、ジョニーは大切なヴァイオリンを盗まれてしまった。ルビーは彼に、来るべき「ヴァイオリン&ダンスコンクール」のことを教えるが、苛立ちから話をはねつけるジョニーを前に駆け去ってしまう。後悔を抱えるジョニーを、友人のダンスグループが激励するのだった。〔97分〕 | [投票] |
★2 | 愛を語れば変態ですか(2015/日) | あさこ(黒川芽以)と旦那(野間口徹)の夫婦は、仲睦まじく明日から開店するカレーショップの用意をしていた。手伝いをしている弱気なメタボ後輩(川合正悟)も当てられっぱなしだ。そこへバイト店員の応募者がやってくる。自信過剰のフリーター青年(今野浩喜)、妄想過多のあぶないストーカー男(栩原楽人)、そしてワイシャツを血に染めたコワモテの不動産屋(永島敏行)まで…。ここまできて事態の展開に驚く旦那を前に、あさこはそれぞれの男と明確に浮気していたことを匂わせ始めた。さっそく騒動が巻き起こる!演劇畑の福原允則が監督を務めるコメディ作品。〔73分〕 | [投票] |
★3 | planetarian〜星の人〜(2016/日) | 戦争によって文明の衰退した地球。地は雪に閉ざされ、空は厚い雲に覆われていた。そんな雪原を「星の人(大木民夫)」と呼ばれる老人が進んでいた。各所の村落を廻ってきた彼は道半ばで倒れ、ある村の子供たちに救われる。迎えた村長(竹口安芸子)は、彼の物語を知っていた…。数十年の昔、屑屋と呼ばれる青年兵士(小野大輔)は封印都市という地区に踏み入った。往時の面影を残すその街はロボット兵によって守られ、屑屋も苦戦しつつあるビルに逃げこんだ。そこで彼は、「ほしのゆめみ(すずきけいこ)」と名付けられた昔のプラネタリウムの解説少女ロボットに出会う。自らを壊れていると自覚する彼女は、屑屋を歓迎し星の映像を見せようとするのだった。〔117分〕 | [投票] |
★4 | ちょっとまて野球部!(2017/日) | 県立神弦高校野球部は今年も3年生を送り出した。そして1年生部員たちは期待に胸を膨らませ部室に向かう。キング・オブ・バカの異名をとる自称天才の大堀(須賀健太)、乙女体質をもつ秋本(小関裕太)、所構わず光合成を行なう宮田(山本涼介)の3馬鹿トリオは、今日から憧れの部室に出入りでき、球拾いから解放されるのだ。絵に描いたような勘違い少年たちをよそに、野球部は妙に熱過ぎる新監督(福士誠治)を迎え、それなりに新たな風を呼び込む。だが、合宿を前にして3馬鹿のひとり大堀が試験で落第点をとったことが2年生を悩ませていた。このままでは合宿どころではない彼の追試に向け、部員たちはある計画に出る。〔76分〕
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★2 | 天下の快男児 万年太郎(1960/日) | ヴィーナス化粧品東京本社に、悪名高い男が九州支社より転勤してくる。万年太郎(高倉健)というその男は、喧嘩っ早く女にはすぐ手を出す野獣のような男だという。義憤に燃えて排斥を誓う皆のなか、モテモテだがプライドの高いOLの若子(山東昭子)は彼に興味を持ち、太郎の後輩増田(今井俊二)とともに駅に迎えにいった。ささやかな歓迎会にあって、日ごろ若子に執拗に言い寄ってくる宣伝課長の村田(大村文武)の嫌味に懲らしめの鉄拳を見舞った太郎に、彼女のハートは奪われてしまった。もっとも、社長の親族であり権力をもつ村田の恨みを買った太郎は、転勤そうそうに窓際社員の巣窟・参事室に配属させられる。だが、彼の評判は一気に好転した。〔118分〕 | [投票] |
★2 | サスペリア(2019/伊=米) | 1977年、ベルリンは赤軍派のテロルに晒されていた。そんな中、心理療法士のクレンペラー(ルッツ・エバースドルフ)はマルコス舞踏団に属するパトリシア(クロエ・グレース・モレッツ)の訪問を受ける。彼女の言によれば、舞踏団の主催者たる女性たちは魔女であり、なにかを企んでいるというのだ。同じころ、アメリカから舞踏団の入団試験を受けるべくスージー(ダコタ・ジョンソン)がやってくる。才能を評価され入団を認められた彼女は、新作舞踏劇「民族」のリハーサルに立ち会う。振付師のブラン(ティルダ・スウィントン)の指示を受け、早速始まった舞踏のなか、自ら役を辞した団員の代役に抜擢されたスージーを異常な展開が見舞う。〔152分〕 | [投票] |