★4 | 海街diary(2015/日) | 父に裏切られ、母にも見捨てられた三姉妹は、鎌倉の家を根城に逞しく生きていた。しっかり者の長女・幸(綾瀬はるか)、やんちゃな次女・佳乃(長澤まさみ)、マイペースの三女・千佳(夏帆)の三人だ。彼女らのもとに、あるとき父親が死んだとの一報が入り、みなは葬儀へと向かった。彼のいた東北には、三人の腹違いの妹・すず(広瀬すず)がおり、引き絞った弓のような懸命さと危うさを漂わせつつ彼女らを案内した。そんな姿に、幸は鎌倉でともに暮らさないか、と声をかける。躊躇しながらもうなずいたすずは一家に加わり、その空気に打ち解けて女子寮のような暮らしは始まった。だが、その平穏な家に三姉妹の母親(大竹しのぶ)という嵐が訪れる。〔128分〕 | [投票] |
★2 | 夢は夜ひらく(1967/日) | 横浜。図書館員のまり(園まり)は、夢にむけて第一歩を踏み出すべく、友人の陽子(山本陽子)の口ききでクラブ歌手としてステージに立った。その第一日目、控え室に見知らぬ男が潜んでいるのに気付いた彼女は彼に唇を奪われ、思わず平手打ちを見舞った。謝罪した男は岬(高橋英樹)と名乗り、死んだまりの兄・矢沢の遺産を受け取ってくれと申し出るが、ヤクザとなった矢沢を蔑んだまりは受け取ることを拒むのだった。そんな彼女の周囲には、岬が矢沢を殺したといい自首を求める工藤(名古屋章・平田大三郎)兄弟や老刑事(見明凡太朗)が現われ、彼女の疑念をかき立てる。悩んだまりは幼なじみの片桐(渡哲也)に相談を持ち掛ける。〔81分/スコープ〕 | [投票] |
★4 | 百日紅 〜Miss HOKUSAI〜(2015/日) | 江戸きっての絵師、葛飾北斎(松重豊)も老いを重ね、往時の筆の勢いを欠いていた。彼の気まぐれで代筆を任せられていたのが、娘のお栄(杏)である。器量は悪く高慢だが美人画にかけては父も「負けた」と認める画才をもつ彼女は、今や一家の大黒柱を支える存在であった。そんな北斎親子の家には、武家の出でありながら身を持ち崩した善次郎(濱田岳)、商売敵ながらお栄に惚れて言い寄る国直(高良健吾)らが出入りする。そして天才親子の卓越した画力は、きょうも怪異幻想を江戸に呼び寄せる。だが、そんなことは歯牙にもかけないお栄にとっては、盲目の妹・お猶(清水詩音)に父が情を注がないことのほうが気がかりなのだった。〔90分〕 | [投票] |
★3 | 峠を渡る若い風(1961/日) | 大学生の船木(和田浩治)は、バイト先から給料代りに渡された大量の下着を処分すべく放浪していた。そんな時「今井金洋(森川信)奇術団」のトラックに目標地まで乗せてもらった恩義に報いるべく、さっそく神社で商売を始めた船木。彼の前に現われた「おてぶら」の健(金子信雄)は、手慣れた口上で商売の手助けをしてくれた。その売り上げから礼を返す船木に、今井の娘美佐子(清水まゆみ)は苦しい胸の内を語る。古色蒼然とした奇術は流行らず、団員の朱美(星ナオミ)のストリップ芸を組み合わせた興行を団は求められていたのだ。その上、健はピエロの栗田(杉狂児)を渡世の義理で狙っていた。放っておけない船木は解決に乗り出す。〔85分〕 | [投票] |
★2 | ずらり俺たちゃ用心棒(1961/日) | 銃の早撃ちでは人後に落ちない風来坊、竜崎(二谷英明)。彼はビリヤード場の跡継ぎ、正一(和田浩治)の店を井関組から救い出したその足で、この街を牛耳る実力者、大須賀(金子信雄)のもとへ出向き、用心棒としての腕を売った。大須賀の愛人であるマダム(南田洋子)にも気に入られ、早々に雇われた竜崎に、組員たちは疑念と嫉妬の目を向けた。翌朝、大須賀の身代わりで刑務所暮らしを強いられていたチンピラ、新吾(川地民夫)が約束の幹部の座を得るべく帰ってきた。彼もまた高飛車な竜崎に怒るが、それ以前に約束を反故にした大須賀に憤慨し、兄貴分の変死に疑念を抱く。彼をかばう竜崎だが、なぜか井関組にも再接触を持とうとするのだった。〔76分〕 | [投票] |
★4 | バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014/米) | かつてヒーロー映画『バードマン』の主演を務めたリーガン(マイケル・キートン)は、イメチェンを謀ろうとブロードウェイに進出しようとして果たせず、あがき続けていた。学生演劇で賛辞を届けてくれたレイモンド・カーヴァ―の脚本にこだわり、アカデミックな演劇で返り咲こうとする彼だったが、その矢先男優のひとりが事故に遭い、舞台に危機が迫る。そんなとき出演女優のレスリー(ナオミ・ワッツ)が代役に使える俳優を連れてくるが、その男マイク(エドワード・ノートン)は傍若無人なセクハラ男だった。さらにリーガンの娘サム(エマ・ストーン)は麻薬騒ぎでトラブルを呼ぶ。懊悩するリーガンに、内なる声が語りかける。映画に戻れ、と。〔120分〕 | [投票(1)] |
★3 | はじまりのうた(2013/米) | 音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)は、上司のデフ(ヤシーン・ベイ)との口論の末馘首され、失意のなかでバーにたたずんでいた。そこでは売れないミュージシャンのスティーヴ(ジェームズ・コーデン)がパフォーマンスを行なっていたが、彼が飛び入り出演させたシンガーソングライターのグレタ(キーラ・ナイトレイ)にダンは目をとめ、自分のプロデュースで歌わないかともちかける。グレタは恋人の歌手デイヴ(アダム・レヴィーン)との確執から家を飛び出して自暴自棄になっていたのだ。ダンはそんな彼女を連れて古巣の音楽プロダクションに返り咲こうと思い、野外ゲリラ・レコーディングのプランで彼女の気をひこうとする。〔104分〕 | [投票] |
★4 | 君が生きた証(2014/米) | 宣伝マンのサム(ビリー・クラダップ)が仕事で成功をおさめたその日、息子ジョシュ(マイルズ・ハイザー)は大学で勃発した無差別射殺事件で帰らぬ者となってしまった。先妻のエミリー(フェリシティ・ハフマン)や息子の彼女(セレナ・ゴメス)を前に虚勢を張るサムだったが、もう彼は職場に戻ることはなかった。そして2年後、別居するサムのもとに、エミリーはジョシュの遺品をもってくる。その中にあったジョシュ自作自演の歌のディスクを聴き、サムは息子の歌をライブハウスで歌う。その歌を聴いた若者クエンティン(アントン・イェルチン)は感激し、演奏協力を申し出るが、サムがその話を簡単に受け入れない理由が息子ジョシュにはあった。〔105分〕 | [投票] |
★2 | ジミー、野を駆ける伝説(2014/英=アイルランド=仏) | アイルランドの片田舎のある町に、内戦後アメリカに身を寄せていた社会主義運動家、ジミー・グラルトン(バリー・ウォード)が帰って来た。かつての恋人だったウーナ(シモーヌ・カービー)をはじめとした旧友たちは彼を歓迎し、母親のアリス(アイリーン・ヘンリー)もその帰還に安堵の溜息を洩らすのであった。彼は以前、この町に自由な思索と交流、ありとある行動の本拠地であるホールを建設、人々に大いに歓迎されていたが、閉鎖の憂き目を見た過去をたどっている。それゆえ敢えて彼を排斥する保守派のリーダー、シェリダン神父(ジム・ノートン)にホールの再開を申し出るジミーだったが、彼の影響力を重く見る神父は黙殺を決め込むのだった。〔109分〕 | [投票] |
★3 | シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014/米) | 人気フレンチレストランの料理長キャスパー(ジョン・ファヴロー)は焦っていた。オーナー(ダスティン・ホフマン)が長年変えようとしないコースメニューだが、このまま続ければマンネリズムに陥ってしまう。そんなある日、店に有名ブロガー(オリヴァー・プラット)が予約を入れた。彼に舌を巻かせるべく、新メニューを用意したキャスパーはオーナーと口論になり、結局従来のコースを出してブロガーの酷評を浴びた。逆上したキャスパーは店を去り、料理人生のなか顧みなかった先妻(ソフィア・ベルガラ)や息子パーシー(エムジェイ・アンソニー)と触れ合う日々を過ごす。そしてキューバ料理のフードトラックで再起するプランを思いつくのだった。〔115分〕 | [投票] |
★2 | ビッグ・アイズ(2014/米) | マーガレット(エイミー・アダムス)はひとり娘をモチーフに大きな目の悲しげな子供たちを描き続ける画家だ。はじめての結婚に失敗し娘とともに逃げてきた彼女はフリーマーケットで作品を売るが、彼女が主要作を安売りするのを勿体ない、と助言してきた男がいた。彼の名はウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)、同じく画家をめざす口のうまい男だった。世間知らずの彼女を結婚相手として籠絡したウォルターは、試行錯誤の末にマーガレットの絵を売り込むことに成功する。だが、ウォルターは「ビッグアイズ・シリーズ」をおのれの手によるものと詐称しての商売を始めたのだった。ゴーストぺインターの地位をよしとしないマーガレットの抵抗が始まる。〔106分〕 | [投票] |
★3 | ANNIE アニー(2014/米) | スター崩れの意地悪おばさん、ハニガン(キャメロン・ディアス)の家に厄介になる少女アニー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、捨て子にされた過去にめげず明るく振舞いながらも、生き別れの両親を探し続ける日々を送っていた。そんなアニーが不注意から車に轢かれそうになった時、ひとりの男性が彼女の命を救った。彼の名はスタックス(ジェイミー・フォックス)、NY市長になるべく売名作戦を繰り広げる企業人だ。取り巻きのグレイス(ローズ・バーン)らに勧められて、子供アレルギーながらアニーを引き取る決心をしたスタックスは、次第にアニーのタフで明朗闊達な内面に惹かれてゆくのだった。そしてやがて、アニーの両親を名乗る夫婦が現われる。〔118分〕 | [投票] |
★3 | 宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海(2014/日) | 2199年、星間帝国ガミラスの侵攻によって地球は未曾有の危機に瀕していた。そこに届いたイスカンダル星の女王スターシャ(井上喜久子)の救いの手を頼りに、沖田十三(菅生隆之)を艦長に戴く宇宙戦艦ヤマトは、コスモリバースシステムを求め大マゼラン銀河へと飛ぶ。兄を戦場で失った若き戦術長古代進(小野大輔)はガミラスへの憎悪に燃えるが、航海中の取り引きのためガミラス艦より使者として乗艦したメルダ(伊藤静)が、地球人と全く違わない生命体であることに驚くのだった。SFアニメのエポックメイキング作品を、完全新スタッフでリメイクしたTVシリーズの総集編。〔130分〕 | [投票] |
★4 | 宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟(2014/日) | イスカンダル星での使命を果たし地球へと帰還しようとしていたヤマトは、ひとときの安堵の空気に包まれていた。古代(小野大輔)も、もはや雪(桑島法子 )への愛情を温めて憚らぬようになった、そんな頃。ガミラスの名将ドメルの死後、生き残ったドメル幕僚団のひとりバーガー(諏訪部順一)は、同期の女性艦長ネレディア(園崎未恵)に救われ、復讐のみを糧にヤマトを追っていた。それに気づかぬヤマトだったが、宇宙の蛮族ガトランティスの大都督ダガーム(大友龍三郎)の艦隊に追尾され、艦の譲渡を求められる。拒絶するヤマトに容赦ない攻撃が降り注ぐが、逃亡のあげく謎の惑星に囚われるに至った。出口を求め、古代らは捜索行に出発する。〔110分〕 | [投票] |
★3 | 黒執事(2014/日) | 2020年。世界の半分を支配する「女王」の番犬として、若き伯爵、幻蜂清玄(剛力彩芽)は危険にわが身を投じ続けていた。そして実は男装の少女である彼女をサポートするのが、全能にして慇懃無礼極まる「黒執事」、セバスチャン(水嶋ヒロ)であった。ある時清玄は女王より、富裕層の男女が突如ミイラ化して果てる「悪魔の呪い事件」の調査を命じられる。被害者の死体から、秘密パーティを主催する薬品会社の影を読み取った清玄とメイドのリン(山本美月)は、そこに侵入しある秘薬の存在を知る。さらに深入りした清玄らだったが、九条社長(伊武雅刀)の罠に墜ちるところをセバスチャンの助けで事なきを得た。だが事件は、更なる奥行きを見せる。〔119分〕 | [投票] |
★4 | ワレサ 連帯の男(2013/ポーランド) | イタリアの高名なジャーナリスト、ファラチ(マリア・ロザリア・オマッジョ)は、ポーランドの造船所で働く電気工にして運動家のレフ・ワレサ(ロベルト・ヴィエツキーヴィッチ)のもとを訪れる。6人の子供をかかえ、何よりも愛妻ダヌタ(アグニェシュカ・グロホウスカ)を大事に思っているこの男が、ポーランドで最も有名な指導者として「連帯」を指揮し、この国の歴史を塗り替えたのだ。そのカリスマ性と雄弁さにより、ワレサは1970年の食料暴動事件より政府側、労働者の双方から記憶されることとなった。そして磨かれたリーダーシップを武器に、彼は1980年のストライキの主導者にのし上がってゆく。アンジェイ・ワイダ2013年度作品。〔124分〕 | [投票] |
★2 | 白銀城の対決(1960/日) | 志賀高原のスキー選手権。ジャンプ競技において城北大の伊庭(石原裕次郎)と達男(長門裕之)は同記録をマークし、ふたりの勝負は決勝に持ち込まれた。しかし翌日、ふたりは達男の兄・陽一(内田良平)との移動中、雪崩れに遭遇する。その結果兄の命と片足を奪われた達男は伊庭を逆恨みし、二度と現われるなと追い立てるのだった。その6年後、伊庭は技師となり高原にロープウェイを建設すべく舞い戻ってくる。だが、昔ながらの馬橇に携わる人々が伊庭たちの現場に妨害をかけてきた。その先頭に立つのが、心荒み果てた達男であった。それでも昔馴染みの教師・佳子(北原三枝)の教え子たちのためにも、伊庭は建設を遂行させようとするのだった。〔81分〕 | [投票] |
★3 | 若くて、悪くて、凄いこいつら(1962/日) | 浩(高橋英樹)の運転するオープンカーで、俊夫(和田浩治)にヴァージンを奪われそうになった新子(和泉雅子)は逃げ出し、偶然通りかかった財界の大立者、佐倉(清水将夫)の車に乗せてもらう。だが、事業に失敗し孫娘の圭子(進千賀子)の死にうちひしがれていた佐倉は、自ら命を絶つことを心に決めていたのだった。その佐倉が、政財界の汚職を連ねた「佐倉メモ」を隠していたことから、あまたの金の亡者たちに狙われていることを浩は知る。義憤にかられた浩たちは、持ち前の若さと悪さで佐倉のマネージャー役を買ってでたのだった。「ナイスガイ」高橋を主役に据えた中平康のライトアクション。〔86分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | ジャージー・ボーイズ(2014/米) | 『君の瞳に恋してる』『シェリー』のヒットで音楽シーンに爪痕を残したユニット、フォー・シーズンズ。その台頭は1951年に遡る。類稀なる高音を誇る少年歌手フランキー(ジョン・ロイド・ヤング)は、マフィアの首領デ・カルロ(クリストファー・ウォーケン)の寵愛を受けてはいたが、その歌声を世に広める機会は絶無に等しかった。そんなフランキーを小さな酒場で歌うトミー(ヴィンセント・ピアッツァ)が見い出し、ゲストとしてステージに立たせるのだが、トミーもその友人のニック(マイケル・ロメンダ)もマフィアの下で働き入獄・出獄を繰り返す身の上だった。そうした彼らの前に、俊才作曲家少年ボブ(エリック・バーゲン)が現われる。〔134分〕 | [投票(1)] |
★4 | 彌次喜多道中記(1938/日) | 江戸の街々に名を轟かす大義賊、鼠小僧次郎吉(杉狂児)。家督を継ぐことを強いられて苦悩する放蕩の侍、遠山金四郎(片岡千恵蔵)。ふたりはある日料亭の庭で出会い、お互いに相手を認め合いながら別れた。それぞれの理由があって江戸を旅立ったふたりは、江戸の有名人弥次郎兵衛(河部五郎)と喜多八(ディック・ミネ)に間違われることではからずも道連れとなり、東海道を旅することと相成った。初顔合わせのとき、お互いの扮装の下の素顔を見なかった金四郎と次郎吉はやがて友情で結ばれ、旅芸人の一座に世話になったことで、一座に身を寄せる姉弟の役に立ちたいと感じ始める。〔96分/スタンダード〕 | [投票] |