★3 | 番場の忠太郎(1955/日) | 飯岡助五郎(伊東健)という親分を斬り、渡世人として名をあげようとした番場の忠太郎(若山富三郎)は、しかしやくざとしてのわが身を呪うこととなった。彼に助太刀したばかりに命を狙われる弟分の半次(三井弘次)を救い、親元に帰り孝行せよと説いた忠太郎は、姿かたちも知らぬ母を慕って江戸へ向かう。半次の妹おぬい(桂木洋子)は忠太郎を追うが、助五郎の手下たち、御用役人の青木(森繁久彌)も旅路に沿って近づく。だが忠太郎の純情を知った青木は、彼を放免して見送ってやるのだった。そして江戸にたどり着いた忠太郎は、母のお浜(山田五十鈴)が待つという料亭の扉をくぐった。1931年『瞼の母』の中川信夫版リメイク。〔86分〕 | [投票] |
★3 | 関の弥太っぺ(1959/日) | 関の弥太郎(長谷川一夫)は渡世の義理ゆえに、徳造(田崎潤)という男を斬った。徳造の義弟、森介(勝新太郎)は弥太郎に刃を向けるが、徳造は礼をわきまえた弥太郎への逆恨みは無用、と言い残して息絶える。その場を去ったのち、盗まれた50両の大金をめぐり子連れの男、和吉(本郷秀雄)と争い、その娘を引きとる弥太郎。沢井屋という旅篭に着いた彼は、養育費の50両と娘を主人の金兵衛(嵐三右衛門)に託し、再びあてのない旅に出た。10年ののち、弥太郎はあの娘…お小夜(中村玉緒)が美しく成長し、恩人を捜し求めているとの噂を聞き、沢井屋に向かう。だが彼を、復讐のため剣の腕を磨いた森介が追った。〔95分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 声をかくす人(2010/米) | 南北戦争終結の夜。北軍の英雄であったエイキン(ジェームズ・マカヴォイ)が再び弁護士としての活動をはじめんとするその日、南軍のブース(トビー・ケベル)以下の男たちが大統領リンカーンを暗殺した。そして、ブース一味に助力した罪科で逮捕された唯一の女性、メアリー(ロビン・ライト)の弁護をエイキンはジョンソン上院議員(トム・ウィルキンソン)より依頼される。敵軍に与するテロリストたちの弁護にエイキンは難色を示し、恋人のサラ(アレクシス・ブレデル)をはじめ友人たちにも断るように説得されるが、その裁判の裏にある不正にエイキンは義憤を感じ始める。一般市民を裁く「軍法会議」にどれほどの正義があるのか、と…。〔122分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | バレエに生きる 〜パリ・オペラ座のふたり〜(2011/仏) | 振付家ピエール・ラコットは7歳にして『ジゼル』公演に魅せられて舞踏家を志し、3年後パリ・オペラ座の門をくぐった。そして舞踏するのみならず振り付けを作品に施し、古典バレエの復元上演で数知れぬ栄誉を受けた。バレリーナギレーヌ・テスマーも幼時よりの研鑽を積み、19歳でラコットに出会うことでその才能の開花を見、幾多の舞台で喝采を浴びた。バレエ界のみならず実生活でもパートナーとなった彼らの、その活躍を語るにはオペラ座に触れずに済ませることはできない。夫婦の半生を軸に、マレーネ・イヨネスコ監督はオペラ座を彩る舞踏界のエトワールたちを素描し、古典よりコンテンポラリー・ダンスまでの歴史を鳥瞰する。〔99分/デジタル〕 | [投票] |
★3 | やくざ先生(1960/日) | 札付きの不良だった新田(石原裕次郎)は、古巣である非行少年の吹き溜まり「愛隣学園」に教師として舞い戻った。教壇に立ったその日に、暴言を放つ生徒に拳を見舞った新田は辞職願を書くが、石田園長(宇野重吉)はそれを破り捨て反省室への案内で済ませるのだった。少年たちとのふれあいの中で己の弱さを自覚し、また彼らとの生活に生きがいを見い出してゆく新田。彼は温かく見守る伊藤刑事(芦田伸介)にも助けられながら、テレビスターを姉と慕う少年、混血児少年や、戦災の中を生き延びハリネズミのように人を威嚇する少年らと信頼を築く。そんな彼の前に、鑑別所上がりのチンピラ少年・次郎(市村博)が生徒として立ちはだかる。〔106分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 陽のあたる坂道(1967/日) | 大学生たか子(十朱幸代)は、田代家の末娘くみ子(恵とも子)の家庭教師になるべく坂道の邸宅に向かう。そこで彼女を迎えたのは、くみ子の兄・信次(渡哲也)の手酷い悪戯だった。彼のひねくれ様に憤りながらも、なぜかその心を揺らすたか子。そんな彼女をくみ子はジャズ喫茶に誘い、お目当ての歌手・民夫(山本圭)を紹介するが、彼はたか子の隣人で元芸者のトミ子(桜むつ子)の息子だった。トミ子はたか子の話を聴き、表情に影を浮かべるのだった。その頃、信次は母(三益愛子)の留守中を見計らい、居間にいた父(宇野重吉)に話を切り出す。田代家を翻弄する事件の始まりだった。1958年・田坂具隆作品のリメイク。〔105分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 拳銃(コルト)は俺のパスポート(1967/日) | 百発百中のスナイパー上村(宍戸錠)は、依頼を受けて関西の闇社会を牛耳る島津(嵐寛寿郎)を抹殺した。彼はそのまま舎弟の塩崎(ジェリー藤尾)と海外に高飛びする予定だった。しかし依頼人の大田原(佐々木孝丸)は島津組の若頭と結託、上村を仇と狙う彼への助力を約束した。逃亡の機会を逃した上村らは港町のモーテルを訪れ、そこのウェイトレス美奈(小林千登勢)に匿われる。上村の目に自分と同じ逃亡者の眼光を見た美奈は、彼に運命を委ねようと決意したのだ。上村は塩崎を薬で眠らせ、美奈の手引きによるダルマ船への乗船、外国船への移乗を計画する。だが、敵はすでに包囲網を狭め、塩崎へと魔手を伸ばそうとしていた。〔84分/スコープ/モノクロ〕 | [投票] |
★3 | ピナ・バウシュ 夢の教室(2010/独) | 世界的名声を一身に受けながら他界した、不世出の舞踏振付け家ピナ・バウシュ。彼女はその求める舞踏のカタチを最大限に表現するヴッパタール舞踊団をもち、それを使っての演技を世界で披露してきたのだが、一方で65歳以上の老人に作品を提供するなどの実験精神を抱えていた。その新しい試みが、彼女の名声を知らない少年少女による代表作『コンタクトホーフ』の上演である。このフィルムは、バウシュの古き盟友であるベネディクテ・ビルエット、ヨゼフィーネ・アン・エンディコットを指導監督役にすえ、世界の舞踏家たちの垂涎の的ともいえる『コンタクトホーフ』の完全上演へ若者たちをみちびく過程を追うものである。〔89分/HD〕
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★3 | オレンジと太陽(2010/英=豪) | イギリス、1986年。ソーシャルワーカーのハンフリーズ(エミリー・ワトソン)は、養子経験者のサポートを行なっていた。ある日彼女の前に現われた女性、シャーロット(フェデレイ・ホームズ)は、「自分の出生と母の所在を知りたい」と訴えてくる。それだけではなく、サポートをしているニッキー(ロレイン・アシュボーン)のもとに突然訪れた見知らぬ「弟」、ジャック(ヒューゴ・ウィーヴィング)の話を聞いたハンフリーズは、幼い頃ジャックとシャーロットが、船でイギリスからオーストラリアに送られたという共通点を見い出す。「児童移民」がかつて国の政策で行なわれたことを知った彼女は、犠牲者たちの声を無視できず調査に乗り出した。〔106分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | ジョン・レノン,ニューヨーク(2010/米) | ジョン・レノンがオノ・ヨーコに惹かれ、暮らしを共にし始めて幾許かの時が流れ、ふたりは本拠地をニューヨークに定め、そこから自分たちの音楽・発言を発信していった。マスコミや支持層にとってヨーコはビートルズを崩壊させた張本人であり、ふたりが共に歩いても騒がれないニューヨークはうってつけの住処となったのだ。ジョンはイギリスに在った頃とは反対に政治的発言を発することが増え、時の大統領リチャード・ニクソンはこれを危険視し、国外追放を図るのだった。レノンのニューヨーク滞在時の活動と生活を追うドキュメンタリー。〔115分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 生きていた野良犬(1961/日) | 5年前、やくざの次郎(二谷英明)は兄の太郎(山内明)の身代わりとなり、殺人罪で投獄された。その次郎の出所を前にして太郎は殺害され、次郎は犯人を死刑台に送ると決意する。だが、仇の情報を次郎にもたらした流しの吉三郎(高品格)は闇に葬られ、真犯人に近いと確信される大物・大村(二本柳寛)は彼の目の前で撃ち殺された。大村暗殺犯に仕立て上げられた次郎は、夜の闇を渡りながら逃亡し、やくざから足を洗った浜やん(葉山良二)によってかくまわれる。浜やんの妹・民子(笹森礼子)と恋仲のチンピラ・春夫(川地民夫)は憧れの男である次郎の役に立とうとするが、拒絶する次郎はもはや復讐の泥沼に肩まで漬かっていた。〔76分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | ミルク(2008/トルコ=仏=独) | 詩人を目指し、したためた数多の詩を雑誌に送りつけている少年ユスフ(メリフ・セルチュク)は高校を卒業し、職業の選択を迫られていた。だが、母のゼーラ(バサク・コクルカヤ)が営む牛乳屋を継ぐにしても、あるいは夢である詩人活動にしても、生計を立てるには及ばない収入しか得られない仕事であった。ユスフは棄てられない夢を抱いて、鉱夫である友人に雑誌に載った詩を読んでもらい、またそのことで詩を愛する少女とも友情を育む。認められた才能に嬉しさを隠せないユスフだったが、そんな彼をよそに母は街の駅長との愛情に溺れてゆくのだった。セミフ・カプランオール監督の「ユスフ三部作」第2弾。[102分/カラー/アメリカンヴィスタ] | [投票] |
★3 | 卵(2007/トルコ=ギリシャ) | イスタンブールの町で古本屋を商いつつ、その陰で詩人としても活動する男、ユスフ(ネシャット・イシュレル)。彼はある日、すっかり疎遠になっていた母ゼーラの死の報せを受け取り、故郷へと還る。自宅に向かい扉を開いた彼は、そこに親戚の娘である少女アイラ(サーデット・ウシュル・アクソイ)の姿を認める。彼女はユスフにゼーラの遺言を告げ、母のこの数年の面倒を見てきたことを語るのだった。けして親孝行とは言えぬユスフは、遺言に記された母の願いに従い旅に出ることにする。それは彼の過去をさかのぼる旅でもあった。セミフ・カプランオールによって語られる自伝的作品「ユスフ三部作」第1作。〔97分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE(2012/日) | キャプテン・マーベラス(小澤亮太)率いるゴーカイジャーの母船は、強力な武装船の執拗な追撃を受けて不時着した。立ち向かう彼らの前に現われた銀色の影。それはゴーカイジャーの逮捕命令を受けた宇宙刑事ギャバン(大葉健二)の姿であった。激戦のすえ、あえなく捕縛されたゴーカイジャーを、ギャバンは宇宙警視総監(佐野史郎)の前に引き据える。だが、ゴーカイジャーの弁明も聞かずに極刑に処そうとする総監に異を唱えるギャバンの目前で、総監はザンギャックの獄長アシュラーダの姿に立ち戻った!この事実を感じ取っていたギャバンはゴーカイジャーに詫びて共闘するが、アシュラーダの秘密兵器により彼は「魔空空間」に引きずり込まれる。〔64分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 清水次郎長伝(1952/日) | 広沢虎造の物語る次郎長一家の一席。森の石松(田崎潤)は、親分の次郎長(月形龍之介)に代わっての金毘羅参りの大役を引き受け、可愛いおなつ(宗方規子)との逢引の約束を後に回し旅立った。しかし彼は、旧知の仲である都鳥吉兵衛(進藤英太郎)の陰謀で香典百両を騙し取られ、小松の七五郎(高田浩吉)やおたみ(浜田百合子)の庇うのも虚しくその消息を絶つ。その頃不審に思い石松を追った追分三五郎(水島道太郎)は、宿場町に逃げた都鳥一家の卑劣な所業を聞き、親分の元へ急ぐ。話を聞いた次郎長は、憎むべき都鳥一家の売った喧嘩を買い、立ち上がる。〔83分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★3 | ウルトラマンサーガ(2012/日) | バット星人(東国原英夫)に侵略された異世界の地球から、声を感じ取ったウルトラマンゼロ(宮野真守)はその世界へ飛んだ。同じく声を聞き取ったウルトラマンダイナことアスカ(つるの剛士)がいた世界では、彼が属したスーパーGUTSの新入隊員タイガ(DAIGO)が侵略者と空中戦を繰り広げていたが、敵の次元移動装置に巻き込まれて異世界へと飛ばされてしまった。僅かな子供たちと、彼らを保護するアンナ(秋元才加)らチームUが怪獣の襲撃に晒されつつ生き続ける世界。彼らを護ろうと、ウルトラマンコスモスことムサシ(杉浦太陽)の助力を得てゼロは怪獣と対峙、タイガと合体を試みるが、なぜかタイガはそれを拒むのだった。〔90分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 黒い賭博師(1965/日) | 幾年ぶりかで東京に舞い戻った「黒い賭博師」氷室(小林旭)は、外国大使歓迎レセプションでギャンブラー犬丸(小池朝雄)とその情婦・玲子(冨士真奈美)の挑戦を打ち破った。憤懣やるかたない犬丸は、氷室のイカサマを見破れ、と玲子に尾行を命じる。しかし氷室はといえば、ニーナ(シェリー・ヘレン)という白人娘の運命を握る、モノクルの楊(高橋昌也)との勝負においてその凄腕の前に屈服してしまう。楊の勝因を探る氷室は、その背後にある国際賭博組織「マルコム」の存在をつきとめた。氷室に寄り添ううちに情を移しはじめた玲子とともに、彼は賭博師の本能から「マルコム」の仕切る秘密賭博パーティーに乗り込んでゆくのだった。〔86分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 善き人(2008/英=独) | ナチが台頭してきた頃のドイツ。文学部教授ジョン・ハルダー(ヴィゴ・モーテンセン)は老いた母親(ジェマ・ジョーンズ)、そして精神を病んだ妻ヘレン(アナスタシア・ヒル)らの世話と家事をかかえての多忙な日々を送っていた。そんな中、突然彼をナチ検閲委員長(マーク・ストロング)が呼び寄せ、ヒトラーがジョンの小説に感銘を受けたと伝えた。反体制の文学馬鹿だったジョンは、なりゆきで親衛隊将校という似合わぬ肩書きを得ることになる。その事実に、親友であったユダヤ系医師のモーリス(ジェイソン・アイザックス)はジョンを罵倒する。そしてジョンは、元教え子のアン(ジョディ・ウィッテカー)に心を移してゆくのだった。〔96分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 明日は明日の風が吹く(1958/日) | 松文字組組長を殺害、18年の刑期を終えて娑婆に戻った寅次郎(大坂志郎)は、松文字家に頭を下げに向かうが、すでに難波田組組員となった長男・良太(金子信雄)はお門違いだと彼を帰す。そんな良太が屈辱に耐え難波田組に従うことで、堅気のサラリーマンとして次男・健次(石原裕次郎)は暮らせたのだが、ある喧嘩を発端に健次はクビにされ、専務の娘・啓子(北原三枝)との関係も引き裂かれる。自暴自棄状態で難波田組との抗争に身を投じる次兄に、失望する三男・三郎(青山恭二)は、情熱を傾ける音楽を通じ知り合った難波田の娘・千鳥(浅丘ルリ子)との熱愛の果てに逃亡を図る。そして松文字三兄弟は、家の呪縛に翻弄されてゆく。〔116分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 七瀬ふたたび プロローグ(2010/日) | 美貌の精神感応能力者、火田七瀬(芦名星)は、カジノに向かう前に鏡に向かい、ビビッドな色のルージュをひく。それは彼女の戦闘モードなのだ…。幼い日、七瀬(庵原涼香)は母(多岐川裕美)とともに寺の境内を横切る時、筋骨逞しい若者(佐々木崇雄)を見た。彼の半裸の肉体に寄せる母の欲望は、密かに家でルージュを引くことで明らかになった。七瀬は母の恋慕を読み取り口にするが、それは口にすれば災いを招くことであることを彼女は学ぶ。そして成長した七瀬(高橋胡桃)は、あちこちで猥雑な視線に晒され、自分を見た男が抱く欲望を知る。中川翔子初監督作品。〔10分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |