★3 | エノケンのざんぎり金太(1940/日) | 文明開化の世、東京。仮面舞踏会で令嬢のネックレスを奪ったのは、伝説のスリ、今はざんぎり頭の色男となったちゃっきり金太(榎本健一)。元岡っ引き、今は私立探偵の倉吉(中村是好)がこれを追う。金太は二階を貸してもらっているおゆきちゃんにネックレスを贈ろうとするが、盗品と見抜かれ叱られる。彼女の命令で、どうにかしてネックレスを処分しようとする金太だが、何度捨てても金太の手の中に戻ってきてしまう。そしてそのネックレスには、ある代議士候補の娘にまつわる秘密が秘められていたのだった。「エノケンのちゃっきり金太」の続編。〔東宝/76分/モノクロ〕 | [投票] |
★3 | 曼陀羅(1971/日) | 海沿いのホテル。信一(清水紘治)、裕(田村亮)、由紀子(森秋子)、康子(桜井浩子)は、相手を交換してのセックスを続ける。その行為を嫌悪した康子・裕に対し、信一はストイックさを拒絶し、死んだような相手を抱くことに意味を感じると語る。ホテルの監視カメラでそれを見、聞いていた真木(岸田森)は、海岸で男たちに信一を殴らせ、由紀子を犯させる。信一と由紀子は真木を追い、彼が死者と生者の交わる悦楽を教える宗教の後継者であることを聞く。それはおのれの意志で「時間」を否定し、農業と祝祭、そしてエロスのみに生きるユートピアの実現を目指す教えであった。〔ATG/136分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 男たちのかいた絵(1996/日) | 鶴丸杉夫(豊川悦司)は所属する暴力団では邪険に扱われていた。止むを得ないことだ、杉夫はただのチンピラ、幹部の松夫とは違うからだ。杉夫はもともとやくざとは縁のない大人しい男。その彼が暴力団に入ったのも乱暴者の松夫のせいだった。つまり、杉夫と松夫はひとつの体に同居するふたつの人格なのだ。そんな彼を理解しつつ組においてくれる渡会(内藤剛志)のためにも、杉夫は耐えようとするのだった。そしてある日、演歌歌手・高いづみ(高橋恵子)の警護を杉夫は任される。筒井康隆の短編『ふたりでお茶を』を軸に、他の短編のエッセンスも交えて紡がれる哀感漂うやくざの物語。〔120分/カラー/ワイド〕 | [投票] |
★3 | 巨人ゴーレム(1936/仏=チェコスロバキア) | 狂王ルドルフ二世(アリ・ボール)は王都プラーグを芸術と豪奢の都としたものの、その実権は悪宰相ラング(ロジェ・カルル)に握られていた。ラングはユダヤ人に迫害を及ぼし、非力なユダヤ人の最後の頼みはユダヤ教会の片隅に眠る巨像ゴーレム(フェルディナント・ハルト)であった。ジャコブ僧正(シャルル・ドラ)はラングにゴーレムの秘密を吐けと迫られるが、口を割らない。怒ったラングはゴーレム周辺の者をことごとく捕え、ゴーレムを封じようとするが、囚人は封印を解く文字を巨像の額に書き、ついにゴーレムは立ち上がる。〔95分/モノクロ〕 | [投票] |
★3 | 若き日は悲し(1954/日) | 恵子(美空ひばり)は牛乳配達をしながら、青年会の仲間・正二(山田真二)の帰郷を皆に告げてまわる。この清水の街の青年会は堅い絆で結ばれているのだ。だが副リーダーの恵子の兄・一郎(石浜朗)は、恵子に関する秘密を彼女に打ち明けられずにいた。一郎は、稼業の牛乳屋の冷蔵庫を増設するために、いや、それよりも恵子の幸せのため、ブルジョア令息の正二と恵子との婚約を素直に祝ってやろうと心に決めていたのだった。心の葛藤を隠し、ひとりの兄として見送ってやろうと。しかしひょんなことから秘密は恵子に、そしてあろうことか正二にもバレてしまった。ふたりにとって、その衝撃はあまりに大きすぎた。〔松竹大船/97分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★3 | ウインダリア(1986/日) | 巨木ウインダリアに守られた小さな村から、海に臨むイサの都へ。イズー(古谷徹)とマーリン(神田和佳)の夫婦は今日も野菜を売りに来た。そこでイズーは、高い防波堤にある水門を開こうとしている男を見つけ、それを防ぐ。男は峻厳な山の国家パロの者であろうと思われた。その頃、パロの王子ジル(井上和彦)とイサの王女アーナス(松井菜桜子)は「迷いの森」で密会し、各々の国を憂いて、互いの国の王位を継いだ暁には結婚し、両国をひとつにしようと約束する。一方イズーは、事件のときの働きをパロの重臣に認められ、パロのために働かないか、と持ちかけられる。〔あいどる=カナメプロ/102分/カラー/ワイド〕 | [投票] |
★3 | 恋の門(2004/日) | OL・証恋乃(酒井若菜)は、ある日会社にバイトにやってきた男・蒼木門(松田龍平)に心ときめくのを感じる。彼は職業を訊かれてこう答えたのだ、自分は漫画芸術家だと。結局短気さから解雇を喰らった門を、恋乃はマンションに泊めてやる。次の日目覚めた門はおのれの姿に驚愕する。彼は人気ゲームキャラの衣装に着替えさせられていたのだ。コスプレに生き同人誌に青春を燃やす恋乃と、天然の石で「芸術作品」を創る門。漫画を愛しながら共通点のない二人は、激しい恋に陥ちるのだった。だが二人の前に、元人気漫画家で「漫画バー」のマスター毬藻田(松尾スズキ)が立ちはだかる。門と毬藻田は、恋乃の愛を賭けて壮絶なバトルに突入する!〔114分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 銃殺(1964/日) | 昭和十年。陸軍省で永井軍務局長が殺害された。…憂国派の矢崎大将(浜田寅彦)が罷免され、相川中佐(丹波哲郎)も左遷されたことに怒る青年将校の仕業だった。同じく十二年。歩兵第三連隊・安東中隊長(鶴田浩二)は青年将校らの密会に参加し、昭和維新を断行せんという仲間たちの言葉に疑問を挟んだ。そんな彼も、どん底の生活にあえぐ一般庶民の生活を知り、贅をむさぼる「君側の奸」への怒りを抱く者ではあった。栗林中尉(江原真二郎)は煮え切らない安東に業を煮やし、自分らだけでも決行すると叫ぶ。その言葉に、安東もついに行動を決意した。めざす二月二十六日は目前に迫っていた。〔東映/97分/モノクロ/シネスコ〕 | [投票] |
★3 | あしたはきっと…(2001/日) | 水沢夏音(吹石一恵)は空手部に通う高校二年生。家はブドウ農園を営み、両親・妹と暮しているが、時々寝たきりの祖母を病院に見舞っている。夏音の親友、香織(小島美保)は昔馴染みの裕二(佐藤隆太)を好きだったので、代わりに夏音が仲を取り持ってやったのだが、意地悪な学友たちは夏音に、ひそかに思う空手部の先輩・谷口(沢木哲)に告白しろと迫る。告白の結果は無残なものであり、そして谷口が交際している相手は…。あまりのことに夏音は、偶然ブドウ畑で知り合った少女(大島由香里)に「明日なんてこなければいい」と思いをぶつける。〔大映/88分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 聖闘士星矢 天界編 序奏〜overture〜(2004/日) | 冥王ハーデスとの闘いを終え、全ての力を出し切って抜け殻のようになった星矢(古谷徹)は、アテナこと沙織(潘恵子)の別荘でその体を休めていた。そこをイカロス(緑川光)ほか三人の天闘士が急襲する。彼らはポセイドン、ハーデスらの神に拳を向けた罰すべき人間として、星矢らを抹殺する使命を帯びて天下ったのだ。それを阻もうとする沙織の目の前に、アテナに代わって地上を支配する意志をもつ女神アルテミス(日野由利加)が現われ、沙織に星矢らを捨て、天界へ帰れと厳命する。〔東映/83分/カラー/ヴィスタ〕 [more] | [投票] |
★3 | アカシアの雨がやむとき(1963/日) | 湖の霧に紛れて、モデルのみどり(浅丘ルリ子)とカメラマンの乗ったボートが姿を消した。すわ、心中かと思われたが、近くの牧場に東京からやって来ていた青年画家・英夫(高橋英樹)がみどりを助け、連れ帰った。みどりは仕事に復帰するが、彼女だけが生きて帰ったことでマスコミは彼女を攻撃する。そして職を失った傷心の彼女を英夫は優しく慰め、心を癒してやるのだった。あまりの接近ぶりに、英夫の名誉失墜を恐れたパトロンの夫人(原恵子)は、英夫のことを思うなら身を引け、とみどりに言い放つ。〔日活/90分/カラー/シネスコ〕 | [投票] |
★3 | 大忍術映画 ワタリ(1966/日) | むかし伊賀の里では、忍びが百地党と藤林党に二分され争いあっていた。忍びの掟を破る者は頭領の手にかかり粛清されていた。そんな修羅場にあって、少年忍者ワタリ(金子吉延)は百地三太夫(内田朝雄)直属の下忍と認められていた…。ワタリは忍者養成所の小頭カズラ(伊藤敏孝)に、下忍を増やすだけ死人の数も増える、と言って彼の怒りを買うが、剣を交えるうちに奇妙な友情を互いの心に育んだ。そのカズラの姉ツユキ(本間千代子)は、花組小頭・小次郎(村井国夫)と添い遂げるため足抜けを決意し、頭領に五月雨城城主の首盗りと引き換えに認められる。だが、そんな彼らを待っていたのは…。〔東映/86分/カラー/シネスコ〕 | [投票] |
★3 | ゆき(1981/日) | 十三になった雪ん子(牛原千恵)は、下界があまりに醜く汚れたために、天からじんじ(小林昭二)によって派遣された。彼女は下界に降りて間もなく、乞食の少女ハナ(杉山佳寿子)と友達になる。乞食の一群は戦乱や野盗によって孤児となった子供たちなのだ。彼らを束ねる親方(小松方正)は、野盗の来襲を庄屋(八奈見乗児)に伝えて金を貰っていたが、百姓たちにも立ち上がるよう期待をかけていた。果たして長老(永井一郎)に率いられた百姓軍は、積年の恨みをこめて野盗に立ち向かい、見事勝利をおさめた。その先頭に立ったのが白馬を乗りこなす雪ん子・ゆきであった。キャラデザイン:ちばてつや。〔にっかつ=虫プロ/89分/カラー〕 | [投票] |
★3 | 黄色いからす(1957/日) | 鎌倉彫りで生活を支えてきた母(淡島千景)と息子・清(設楽幸嗣)のもとへ、戦争引き揚げ者の父(伊藤雄之助)が帰ってきた。今までお母さん子として育ってきた清は、なかなか父になじめず「お父さん」と呼ぶまでに時間を要した。その父も会社でかつての後輩に嘲られ、苛立って清との距離をますます広げてしまう。そして妹の誕生で母の愛情をも独占できなくなった清は、優しく接してくれる隣の寡婦(田中絹代)になつくようになっていった。父はつい清に辛く当たる自分を責めるのだが、妹をあやまちで傷つけた清を前にして我を忘れてしまうのだった。〔松竹=歌舞伎座/103分/カラー〕 [more] | [投票] |
★3 | 台風騒動記(1956/日) | その年、富久江町を大規模な台風13号が襲った。町長(渡辺篤)や町会議員(三島雅夫ら)は台風被害の助成金を受け取るべく議論していたが、小学校をぶち壊せば補助金が得られるとの暴論にまで発展した。被災した子供たちの援助に忙しかった妙子先生(野添ひとみ)は学校破壊の暴挙に怒り、代用教員の務先生(菅原謙二)にもその糾弾に協力を願うが、臆病すぎる彼に幻滅するのだった。そして学校取り壊しの日、大蔵省の調査員とおぼしき余所者(佐田啓二)が町にやって来た。町長の妻は見逃してもらおうと酒と料理でごまかそうとする。町会議員は札束を差し出し、芸者を寄り添わせる。だが、その男の正体は…。〔松竹/107分/モノクロ〕 | [投票] |
★3 | 原子力戦争 Lost Love(1978/日) | 原発のある大浜海岸で心中死体が打ちあげられた。この事件がもみ消されたことで、新聞記者・野上(佐藤慶)はこれが特ダネになると確信する。同じ頃、「青葉のぞみ」という女のヒモだった坂田(原田芳雄)が消えた彼女を探していた。家族たちは娘の安否について黙して語らないが、妹のつばさ(風吹ジュン)だけは何かを言いたげであった。そんな時、坂田の前に野上が現われ、のぞみと原発の技師が心中死体の正体だと告げる。そして野上が取材に勤しむ頃、坂田は死んだ技師・山崎の妻(山口小夜子)の誘惑を受けていた。この事態、何かウラがありそうだ…。〔ATG/106分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | テイキング・ライブス(2004/米) | [ネタバレ?(Y1:N4)] その男が殺人者となったのは、ごくありふれた風景の中での下らないアクシデントに端を発していた。それから二十年、彼は男をひとり殺してはその男の人生を受け継ぎ、飽きては乗り換える繰り返しを続けてきた。単なる連続殺人ではないこの事件の解明のため、FBIからイリアナ・スコット捜査官(アンジェリーナ・ジョリー)がカナダへと飛ぶ。彼女はひとつの事件の目撃者、画商のコスタ(イーサン・ホーク)の調書をとる。それによれば犯人は被害者の顔を潰し、手首を切り落として逃走するというのだ。やがて、殺人者はコスタにも追跡の手を伸ばす。彼と心を通わせたイリアナは、決死の防御行動に出るのだった。〔103分/カラー/シネスコ〕 | [投票] |
★3 | 猿飛佐助(1955/日) | 天下の悪童・猿飛佐助(フランキー堺)は女たらしで村の厄介者であった。彼は親友の清海(市村俊幸)とともに鷲塚家の息女・かめ女(矢吹寿子)の夫に選ばれるが、あまりの醜女ぶりに逃げ出し、松代藩の足軽になった。そこで鷲塚家の人質になっている白菊姫(遠山幸子)に出会った佐助は、その不幸にいたく同情して彼女をかばい、かんざしをいただく。しかし姫は山賊に攫われ、佐助は奪い返そうとし銃で撃たれて生死の境をさまよった。その彼を救ったのが戸沢白雲斉(小川虎之助)であり、佐助は彼に仕えて忍術を学んだ。いつの日か白菊姫を救い出すために…。佐助はかんざしを抱き、姫の面影に誓うのであった。〔日活/97分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★3 | エノケンのちゃっきり金太(総集編)(1937/日) | 1867年、明治維新も近づく頃。江戸の一角では名うてのスリ、ちゃっきり金太(榎本健一)が活躍していた。巾着切りで儲けた金を、金太はすべて博打に費やしていた。ところがある武士たちから掏り取った財布の中には、薩摩藩の密書が忍ばせてあったのだ。追われる身となった金太。その場は逃げおおせたものの、岡っ引きの倉吉(中村是好)に現場を押さえられてしまった。だが、倉吉を押しとどめ金太を追う薩摩侍たち(南弘一ほか)。金太と倉吉は奇妙な縁で急ぎの道行きを続けるのであった。〔東宝/72分/モノクロ〕 | [投票] |
★3 | 九ちゃんのでっかい夢(1967/日) | スイス。貴婦人クリスチーネはかつての恋人の孫・源九太郎(坂本九)に巨額の遺産を残して息絶えた。その親戚アラン・ポー(大泉滉)は殺し屋カルダン(E・H・エリック)に九太郎の殺害を依頼する。その頃横浜では、当の九太郎がミュージックホールの穴埋め芸人をしながら人生をはかなんでいた。喫茶店の看板娘・愛子(倍賞千恵子)を思ってはいたのだが、船員の清彦(竹脇無我)と幸福になって欲しいと願うのだった。それというのも、彼は死病にむしばまれ、あと少しの命だからなのだった…。時を同じくして、貴婦人の弁護人バルタザール(ジェリー藤尾)も遺産を届けようと九太郎を探していた。〔松竹大船/89分/カラー/ワイド〕 | [投票] |