水那岐さんのコメント: 更新順
アインシュタインガール(2005/日) | 素材としては面白い話に充分なり得る作品だったのだが、おそらくは及川中監督の行き当たりばったりで杜撰な演出と、岩佐真悠子という世にも稀なるダイコン美少女のおかげで、悲惨とも言いたくなる出来に仕上がってしまった。ラストのギャグ(と監督は思いこんでいるのだろうか?)は激怒せずにはいられない。音楽と小松愛のナチュラルさのみに1点プラス。 | [投票] | |
ガス燈(1944/米) | バーグマンの端正な美貌だけで2時間弱を耽溺し続けられるほど単純ではない。まして彼女の魅力は知的な容貌と演技であり、朦朧としてボワイエの甘言に乗せられて徘徊する彼女には魅力のカケラも無い。残念ながら愚作の烙印を押さざるを得ない。 | [投票(1)] | |
情熱の生涯ゴヤ(1971/独=露=ブルガリア=ユーゴスラビア=ポーランド) | 東欧の描く南欧の画家・ゴヤの半生に、子供ながらに不思議なものを感じていたことを覚えている。今考えれば、宮廷の犬から反体制に転向していく画家を描く啓蒙映画なのだが、やはり風景や人物の容貌には激しい違和感を感じたものだった。 | [投票] | |
夜のピクニック(2006/日) | よくできた物語には、効果的な嘘がいくつか混じっている。この物語の場合は、ひとつは親友の一人がアメリカに移住していること。いま一つはヒロインとある男子生徒の関係が単なるカップルどころではないことだ。それ以外は極めて普通の出来事のモザイクでこの映画は成り立っている。流石である。 [review] | [投票(2)] | |
ウィニング・パス(2003/日) | 身障者ものにありがちな偽善色が無い(ご都合主義が皆無だと言ったら嘘になるけれど)。ひとりの高校生としての松山ケンイチがナチュラルに、汚い部分も刺々しい部分も包み隠さずに演じているのが嬉しい。佐藤めぐみは旬。堀北真希はまだまだこれからが開花時期であったようだ。 | [投票(2)] | |
サンダカン八番娼館 望郷(1974/日) | 田中絹代、高橋洋子の熱演なくしては、まとまりもなければ何を訴えたいかも散漫にしか伝わらないルポと創作のキメラ作品と堕していたろう。熊井啓という監督は、ことこの作品においては無能と呼んでいいし、原作への侮辱だと断言しても構うまい。伊福部昭の音楽を下品なハッタリ節としてしか使えないのも、作品に対する真摯ならざる作り手の意識を如実に示している。 | [投票(4)] | |
幸福な食卓(2006/日) | 1度目は途中何度か睡魔に襲われたので再見。しかし、意地で観たわりには心に残ったのは1度目と同じだった。結局、口当たりはいいが甘ったるい、観客を舐めた作品であったことを思い知らされる。 [review] | [投票(2)] | |
殺人の追憶(2003/韓国) | ある忌まわしい事件。人間である刑事は、結論を急ごうとして、早く旨い酒が呑みたくて事態に早急なピリオドを打たんとする。その結果彼らはその暴力を糾弾され、容疑者からは敵視される。これは韓国一国の物語ではないし、警察機構の腐敗のみを追ったストーリーでもない。我々もまた嫌な思いから逃げようとして、正しいことを進めようとするつもりが唾を吐きかけられる屈辱のみを手にするのだ。 | [投票(4)] | |
ジョジョの奇妙な冒険 ファントム・ブラッド(2007/日) | ジャンプ漫画の映像化には、確実に推敲が必要だ。その結果の苦渋の90分に☆1プラス。 [review] | [投票] | |
さくらん(2007/日) | シロウト臭いカット割りの杜撰さに慣れはじめれば、そこは別天地。椎名林檎の大時代ロックに乗って、平成ならではの人体有害極彩色に彩られた大江戸つっぱり少女漫画が点火される。 [review] | [投票(5)] | |
士魂魔道 大龍巻(1964/日) | 「間違いと気違いはどこにでもある」夏木陽介。 [review] | [投票(1)] | |
恋する日曜日(2006/日) | 青臭くて、現代っ子らしいドライな愛のかたち。それは全然愛には見えないのだけれど、心はしっかり繋がっているのが感じ取れる描写。自分にはもう書くことはおろか想像すら出来ない今の若者像を、廣木隆一は肩の力を抜いて演出している。この若々しさを保てる感性には、正直嫉妬させられる。 | [投票(1)] | |
コント55号 世紀の大弱点(1968/日) | まだ毒気を含んでいた時代の55号作品だけあって、サディストの密輸団女ボス(三浦恭子)とのSM合戦などプチ・アダルトな展開が新鮮だが、和田監督の狙いが55号の芸風と噛み合っていたとは言い難く、主人公はどのお笑いスターでも良い、との印象が拭えないのが残念なところである。 | [投票] | |
白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々(2005/独) | 決して声を荒げることもなく、情緒過多に陥ることもなく、淡々と語られる国家再生の希求。それは決して思想犯総てを代表する勇者として語られることもなく、言ってみれば蟷螂の斧だが、それゆえにさりげなくも確実な感銘を残す。間違ってはいけない、彼女は蟻の群れの中の一匹に過ぎないのだ。 | [投票] | |
ウォーターズ(2005/日) | こういうお定まりのダメ青春ものはやはり頑張りを表に出さねばダメだし、可愛い女の子がやるのではなく可愛い女の子の「ために」しなくちゃ本物じゃないのである。その上…。 [review] | [投票(2)] | |
頑張れ!グムスン(2005/韓国) | ストーリーはハッピーエンドには素直におさまり切れない暴走ぶりだったが、まだ少女のイメージだったペ・ドゥナの主婦姿もなかなか板についていて愛らしい。…にしても、やはり物語の締めにはそれなりの完成度が要求されるのではないかな。ヒョン・ナムソプは乱痴気騒ぎを持て余して「泣き」に逃げた模様。 [review] | [投票(3)] | |
コント55号 人類の大弱点(1969/日) | 55号の演技もまだ拙く、萩本の「詐欺の天才」ぶりも自称に留まる。岡田可愛の旬といえる愛らしさに救われているが、映画としては肩透かし。 | [投票] | |
雪に願うこと(2005/日) | 吹石一恵は、蒼井優のように何をやらせてもサマになってしまう器用な女優ではないだろう。だが、この物語のウンリュウのように、扱い方ひとつを換えてみることでいくらでも輝く存在ではないか。しかし、そう簡単に行かないのが… [review] | [投票(2)] | |
宇宙大怪獣 ドゴラ(1964/日) | 美術的にどんなに面白い『スペース・モンス』も、天然の美、若林映子には敵わないと言うところか。怪獣ドラマとしては緊迫感が全くなく、ギャングと警察の攻防戦も月並みでは、見どころがどこにあったか困惑させられるばかりだ。強いて言えば、デカンショ親父くらいかな。 | [投票] | |
となり町戦争(2006/日) | 小説を読んだときにも感じたのだけれど、これはただのお茶らけた厭戦映画だ。反戦映画と呼ぶべきロゴスもない。お役所仕事人の朴念仁ぶりを皮肉った作品としてなら、それなりに評価もできよう物だが。 [review] | [投票(3)] |