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3819695さんのコメント: 更新順

★4妻として女として(1961/日)素直に見ればやはり高峰秀子淡島千景の映画ということになるだろうが、高峰と飯田蝶子の絡みも実に面白いし、十朱久雄などもいい味を出している。唄の使い方も興味深い。高峰・飯田のそれはもちろん、序盤の大沢健三郎の唄が終盤で反復されること。その痛ましさ。 [review][投票(2)]
★4何がジェーンに起こったか?(1962/米)アルドリッチの演出はここでも徹底している。幼少時ステージ上のベイビー・ジェーン・ハドソンからして既にグロテスクだ。ベティ・デイヴィスジョーン・クロフォードのキャラクタ造型/演技はもちろん申し分ない。 [review][投票(1)]
★4秋立ちぬ(1960/日)子供であろうと関係ない。やはり成瀬の主人公たる男と女は寄り添い合って歩くのだ。「もううちには帰りたくない」と云い交わしながら大沢健三郎一木双葉が海辺を歩く場面の悲痛な美しさは『夫婦』の杉葉子上原謙、『山の音』の原節子山村聰、『乱れる』の高峰秀子加山雄三のそれに決して劣らない。[投票(1)]
★5友だちのうちはどこ?(1987/イラン)活劇の傑作。なのだけれども、キアロスタミはどうやって子供たちからここまでの演技を引き出したのだろうかと考えると、現場ではよほど精神的に追い詰める演出が行われていたということが容易に推測され、演出家とはかくも残酷でなければ務まらないのかと暗澹たる気分にもなる。 [review][投票(3)]
★4女が階段を上る時(1960/日)成瀬作品の中ではそれほどよい部類には入らない。たとえば高峰秀子が「階段を上る時」はもっと過剰なぐらいに印象的に演出してもよかったと思うし、仲代達也にはもうちょっと頑張ってほしい。でも、まあ、面白い。とりわけ加東大介のキャラクタが興味深い。 [review][投票(1)]
★4遥かなる大地へ(1992/米)なんだかんだ云ってトム・クルーズニコール・キッドマンもすばらしい俳優だし、ロン・ハワードはさすがに手堅く面白く映画を仕上げている。(照明も含めて)豪華なセット撮影はいかにもセットという感じが強いが、終盤の雄大なロケーション撮影を引き立たせる役目を果たしている。 [review][投票(2)]
★5流れる(1956/日)大大傑作。もう壮絶に面白い。相変わらず撮影も美術も最高度にすばらしいのだが、それすらも意識化されないほどに女優たちの演技が凄すぎる。 [review][投票(5)]
★3若い人(1952/日)変な映画。無駄に凝ったアングル・カメラワーク・照明が「教師と生徒の恋愛」というお定まりの物語に不細工な表象を与える。俳優間の演技の巧拙の差も甚だしく、そのアンバランスは良くも悪くも気持ち悪い。杉村春子にパーカーの万年筆を「クーパー」と云い間違えさせるのは『晩春』への目配せか。どーでもいいけど。[投票(1)]
★4驟雨(1956/日)面白い。ここで「面白い」というのは単純に楽しい、笑える、という意味。「きゅうりの日本地図」のくだりなんてもうサイコー。近所の集会での話し合いが脱線していくさまも面白すぎる。 [review][投票(3)]
★5オフサイド・ガールズ(2006/イラン)一見するとドキュメンタリ・タッチの即興風だが、脚本もコンテも非常によく考えられている。あるいは本当にこれが即興だとするならば、それこそ凄まじい演出力だと云わねばなるまい。 [review][投票(2)]
★5浮雲(1955/日)もちろんいまだに成瀬の全作品など見てはおらず、むしろ「ほとんど見ていない」と云ったほうが適当でさえある私ではあるけれども、「成瀬の最高傑作は『浮雲』である」とさも当然のごとく語られる風潮にはさすがにちょっと首を傾げたくなる。でも、最っ高に面白いんですよね、やっぱり。 [review][投票(4)]
★3ストロボスコープの世界(1940/米)ストロボスコープによる超高速度撮影を紹介した映画。これほどの超高速度撮影が映画に用いられることはごく稀だろうが、この装置が映像表現の可能性を広げたことは確かだろう。という感慨は、なくもないと云えば、なくもない。[投票]
★4晩菊(1954/日)これもべらぼうに面白い。杉村春子はほとんどベストと云ってもよい途轍もない演技を見せているのだが、それでも杉村の独り勝ちにはなっていないというのがまた凄い。 [review][投票]
★4脱出(1945/米)ここでもホークスの演出は圧倒的でありながら、俄かには圧倒的であることをも感じさせないという最良の「アメリカ映画」を体現している。この傑作を前にした私たちにとって最も難しい行為とは『カサブランカ』を想起することではないか。 [review][投票(2)]
★4山の音(1954/日)実は成瀬こそが原節子と最も相性のよかった監督なのかもしれない。もはやオーバーアクトの域にまで達している原の演技が成功以外の何ものでもなく、映画にすこぶる貢献しているということがその証拠だ。 [review][投票(1)]
★3飢餓海峡(1965/日)力のある画面が多いことは確かだが(特に屋外シーン)、技巧の露骨さがどうも好きになれない。左幸子のすばらしさは云わずもがな。たかが爪にあれだけ悶えることができる女優が他にいるだろうか。しかし私が最も感動したのは彼女の初登場シーン、握り飯の包み紙を列車の外に放り投げる所作の、その自然さだ。 [review][投票(3)]
★4妻(1953/日)超面白い。高杉早苗が来襲する場面なんて最高。高峰三枝子の主婦業ぶりをさんざ貶す高杉。膨れる高峰。オロオロすることもままならない上原謙。挙句高杉も高峰も家を飛び出し、残された上原は三國連太郎と平目をつつくハメに。「君、魚料理できる?」「僕、千葉の漁師の家にいたことがあるから」なんじゃそら。[投票]
★4ヒトラー 最期の12日間(2004/独=伊=オーストリア)悪くない。この映画のリアリティの担保に最も貢献しているのは美術だろう。突出したカットに欠けるきらいがあるものの撮影は一定の水準を保っており、物語の推移に意識を集中することを促される。 [review][投票(1)]
★4夫婦(1953/日)杉葉子綺麗だなあ、と嘆息しているだけで九〇分過ぎてしまいそうになるのだが、上原謙のキャラクタ造型は非常に説得力があるし、三國連太郎の嘘臭い演技もハマっている。岡田茉莉子は『舞姫』よりずっとよい。ワンシーンのみ出演の高堂国典も笑わせてくれる。 [review][投票(1)]
★5おかあさん(1952/日)傑作。実に驚くべき映画だ。たまげてばかりで片時も落ち着いて見ていることができない。 [review][投票(6)]