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[コメント] コレクター(1965/英=米)

これはもう私の夢でしたね。スタンプ演じる孤独な青年をなんとか飼い慣らして犯罪も犯さずここまで来ました。もう大丈夫です。きっと。
ぱーこ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







大金が手に入って、銀行を退職。雨の激しく降る庭で両手を上げて歓喜するシーン、もう共感しました。雨は情け容赦なく僕の眼に落ちてくる(リルケ)、って感じ。息も絶え絶えで、大喜びと言ったって自分ひとりの孤独な祝祭だ。そしてあの蝶のコレクション。美しいものを自分のものにするためには相手を沈黙させないといけない。これまた関係が断絶した上に成立する孤独な愛だ。こういうの愛っていっちゃいけないんだろうけど、どうやって世界と関係を持てばいいんだ。そして今で言うストーカーが始まる。麻酔薬で眠らして若い女を地下に閉じこめる。生きた人間だから、自分の思い通りにいかない。ずいぶん卑劣なヤツだけど、私はずっと主人公に感情移入。相手を殺して、次の獲物を求めてバンに乗っているラストシーン。これまたカメラは主人公の視点、ドキドキしたなあ。この時劇場内で失笑がわき起こった。「こいつは懲りないしょうがないヤツだなあ」という失笑のように感じた。そうじゃないんだ、こいつはこうやらなくっちゃ、他にやりようがないんだ、だって誰も相手にしてくれないんだから、と違和感を持ったのをはっきり憶えている。あれから30年。あの感情はまだ確かにあるけど、そうじゃない経験をそれ以後つんで来ました。きちんと相手をしてくれた人に感謝。でも死ぬ前にもう一度くらい、ひとりで見て、またあの感じを確認してみたい。

(評価:★5)

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