[コメント] クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
■終盤の表現力こそ素晴らしい
懐かしいにおいの町を出て、タワーに向かう野原家の人たち。ここからの展開にこそ、私は満点を付けたい。
いつものように両側に子どもを座らせて観ていた(わが家でビデオです)私は、エレベーターのひろしのシーンで一気に目頭が熱くなり、子どもたちに知られないように必死で押さえながら、胸が打ち震えるのを憶えつつ、子どもを引き寄せながら魅入っていた。ここからしんちゃんが階段を上り、登り、昇り、のぼり、そしてケンの足にすがりつくシーンへと私たち3人はすっかり映画に引き込まれてしまった。
■ちょっと実況中継を
そう、3人で“しんちゃん”の応援だ。
「これをあがるの?」「機械を壊しに行くのかな?」「追ってくるよ」‥‥(中略)‥‥
‥‥「しんちゃん一人になっちゃったよ」「一人で行くの?」「エレベーターに勝てないよ!」「すべった!」「ああっ、こけた!」「また、こけた」「血が出たよ、血!」「あっエレベータ、エレベータ」「どっちが早いの?」「今抜かれたぞ」「苦しんじゃない」「ケガだらけだよ」「いけ!いけ!いけ!」「ああああ、エレベータが先だ」「えっ、しんちゃんは?」「いないよ」「いた!」「息苦しいんだよ」「がんばるなあ、あんなに走れないよ」「どうなったん?どうなったん?」「動かなくなったよ???」「ボタン押しちゃうよ」‥(中略)‥「しんちゃんたちにみんなが感動したんやね?」「家族が恋しくなったんやないん」「凄かったなアー」「ああ疲れた」「ホント」‥‥(以上、パッチ家実況中継でした)
この間、私は、相づち打ちながらも、涙が上がってこないように必死でこらえながら、しんちゃんを応援する子どもたちをなんだかうれしく思っていた。そのことが一層目頭を熱くして、また困ってしまった。
■メッセージも良いが、終盤の表現力に満点を
そんなこんなで、この映画、評価は満点です。ええ、どうしようもありません。すっかり親子共々はまったんですから。
今の幸せを見つめ直し、未来を信じること。未来を自分たちで切り開く勇気を持つことを見事に語っていたと思います。
■子どもにどこまでメッセージが伝わっただろうか?
でも、メッセージが子どもたちにどこまで伝わったか?っていうと、しんちゃんの勇気、生きる力のようなものは分けてもらえたようだし、家族の大切さは伝わったように思います。
でも、しんちゃんの「大人になりたいんだ」には、「子どもの方がええよな」「ご飯もつくってもらえるし、仕事せんでええしな」「子どもの方がようけ遊べるし」てな具合でした。過去がどうの、未来がどうのと言ったことは、かっきりとは伝わらなかったように思います。でも大人も、子どもも両方が楽しみ、それぞれに大切なメッセージを受け取ることができたんじゃないかと思いました。
こういう映画を観る楽しい毎日が「今」あること、そしてこれからも何か楽しいこと、ウキウキすることがありそうだと思えることが、子どもたちにとって大切なのだと思います。
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