淑さんの人気コメント: 更新順(10/11)
人気コメント | 投票者 | |||
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宮本武蔵・巖流島の決斗(1965/日) | 底知れない力を秘めて、海は小船の下に静まり返る。暴力に憑かれた男の地獄巡りは終わる。すべては無意味のままに。原作とは微妙に異なる結末に、戦中派の醒めた認識が窺える。 | ぽんしゅう | [投票(1)] | |
宮本武蔵(1961/日) | 泥濘の中から始まり、「俺は愚かであった!」で終わる。青春というには凄惨過ぎる彷徨を極太・粘着質の語り口で。滴る汗、引き攣る肢体、噴き出す血飛沫…実はかなり性的な映画。 | ぽんしゅう | [投票(1)] | |
ダーティ・メリー クレイジー・ラリー(1974/米) | 投げやりな語り口に滲む深い憂鬱。ひたすらの逃走も堂々巡りにしか行き着かない。感傷的。しかし、あの凝縮された一瞬の、艶めかしく、悲哀に満ちた美しさには逆らい難い魅力がある。 | けにろん | [投票(1)] | |
デス・プルーフ in グラインドハウス(2007/米) | いつものB級耽溺趣味。珍しい蝶を収集している暇人のようだ。お気に入りのガラクタで一杯の子供部屋から出る気はタランティーノにはないらしい。ここに怠惰はあってもロマンはない。 | sawa:38 | [投票(1)] | |
サスペリア(1977/伊) | 無意味なカットを秘密の法則に従って組み合わせ、何一つはっきりとは語らず、それでいて何かが隠されていることをほのめかす。中身よりもバロック的に歪んだ語り口にすべてがある。 | けにろん | [投票(1)] | |
帰らざる日々(1978/日) | 地方都市・最後の夏・父の不在・年上の女…。しかし、藤田ファンとしては不満も残る。いつものように、なし崩しの逸脱へ、男と女の倦怠へ、うたかたの日常へと雪崩れ込んでほしかったが。 | ぽんしゅう | [投票(1)] | |
キル・ビル(2003/米=日) | 頭の悪い中学生の描いたマンガのよう。これ見よがしの白痴的展開はイモなハリウッド大作への揶揄。B級ディレッタント趣味。耽美派ならぬ耽B派。幼稚だなあと思いつつ、結構楽しんだ。 | けにろん, ぽんしゅう, ボイス母 | [投票(3)] | |
東京オリンピック(1965/日) | 新幹線のデザインなどにも通じるモダンで端正な映像。祝祭らしい華やかさが、次第に、「坂の上」へ到達してしまった悲哀へと変わってゆく美しさ。戦後の日本で最も格好いい映画はこれ。 | disjunctive | [投票(1)] | |
好色一代男(1961/日) | 江戸のドン・キホーテは目指す。女の歓びを、平和を、この世ならぬ至福のパライソを。夢想家の果てしなき聖戦。世界が狂っているのなら、物狂いこそが人間的だ。雷蔵・鴈治郎は完璧。 | ボイス母 | [投票(1)] | |
エロスは甘き香り(1973/日) | 「何も表現するものがない」という若い芸術家の悩み。虚勢→ヤケクソ→自信喪失→女と寝る→最初に戻る。生きることを巡るぐじゃぐじゃ。それが生の全て。藤田は描く、「何もない」ことを。 | ゑぎ, ぽんしゅう | [投票(2)] | |
バージンブルース(1974/日) | ボウフラのような流れに任せた無為の日々。人生は道草。目的なんてない。そしてそこにも終わりはやって来ると知った時、彼女は何かを喪失する。日本でロードムービーをやるとこうなる。 | けにろん | [投票(1)] | |
黒水仙(1946/英) | 異郷の尼僧たちに訪れるデヴィッド・リンチ的崩壊。荒れ果てた修道院のセットが次第に狂気を孕んでくる、そのデモーニッシュな変貌の凄さ。『ブルー・ベルベット』の世界はすでにここに。 | ゑぎ | [投票(1)] | |
インランド・エンパイア(2006/米=ポーランド=仏) | 物語は半ばで急速に溶解。鳴り響く重低音と混線したイメージの氾濫から、「帝国」が騙し絵のように浮上して来る。巨大で、不可知で、おぞましく、泥のようなユング的世界。短く感じた。 | けにろん | [投票(1)] | |
アメリカン・サイコ(2000/米) | エリート男の狂人日記、または「甘い生活」。その後の彼の心境を一言で言うなら、「すべては茶番」だろうか。バカで金ぴかの80年代後半を血のように赤いソースで。グロテスクだが美味。 | ボイス母 | [投票(1)] | |
歌行燈(1943/日) | 『鶴八鶴次郎』の闊達さは何処へやら。戦時だからなのか変に堅苦しい。それでも、障子の桟や二階の手摺の幾何学模様、松原の木洩れ陽のシュールさ、等など細部はさすがの美しさ。 | ぽんしゅう, ゑぎ | [投票(2)] | |
修羅雪姫(1973/日) | 雪のように穢れなき復讐心とその裏にある破滅への欲望。自己陶酔的な暴力の爆発。マゾヒズムとサディズムを往復する極端の美学。かなり阿呆な話なのだがB級ならではの楽しさがある。 | sawa:38 | [投票(1)] | |
BROTHER(2000/日=英) | 野卑な暴力自慢に辟易。ハラキリ・指ヅメ・自決…無闇な自傷行為は小心の裏返しか?照れ隠し?『ソナチネ』の詩情の片鱗もなし。「アニキ」という言葉の晴れがましさのみ印象に残る。 | けにろん | [投票(1)] | |
青空娘(1957/日) | フィルムの色の驚異的な彩度。東京駅に入って来る列車の高揚。滅茶苦茶に明るいが、その底には古い衣を振り捨ててゆく一抹の悲哀が漂い、それがこの映画に気品を与えている。 | ぽんしゅう | [投票(1)] | |
テス(1979/英=仏) | 黄昏の野原で踊る娘たちは巫女か霊媒のよう。時折現れる異教的偶像に漂う超時間的感覚。其処此処にあの世とこの世の仕切りを取り外したような雰囲気が…。一種の怪談なのでは? | けにろん | [投票(1)] | |
ジュリア(1977/米) | いい加減には生きられない激しい気性の人々。孤独の高貴、内的対話の豊穣、創造の苦痛と栄光、そして、馴れ合わず独り我が道をゆく者の間にある深い絆。火酒のように澄んでキツい。 | けにろん, 緑雨 | [投票(2)] |