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けにろんさんのコメント: 更新順

★4パッチギ!(2004/日)ガキ帝国』『岸和田』の男子祭り系譜と『のど自慢』『ゲロッパ!』の歌謡映画系譜を巧みにミックスさせた集大成と言えばそうだが加減が程良すぎる一方なおざりな感じもした。「朝鮮人になれる?」の真摯な問いへの落とし前位はつけるべき。[投票(9)]
★3嵐を呼ぶ男(1957/日)本音を言えば裕次郎をカッコイイと思ったことは無くドラム合戦を歌で制するというのもズルイような気もする。ただ映画館が興奮の坩堝と化した伝説に高度成長黎明期のパワーを垣間見るのだ。そういう雰囲気は確かに画面から迸っている。[投票(1)]
★4宇宙の法則(1990/日)宇宙の法則の前では些末な事象に過ぎないとしても日常の生活の中にも衝突や共振のドラマは生じる。古尾谷長塚の絡みが魅せる役者力。その一方で凄まじく短いカットの連鎖に強烈な長回しを織り込み篠田の自然光撮影も冴える技法への拘り。[投票(1)]
★3約三十の嘘(2004/日)揃いも揃った大の大人が中学生みたいな好いた惚れたをようもまあマジな顔してやっとるわと萎える気もあるが余りに馬鹿丁寧に撮られてるのでクサすのも気の毒に思える。北上し南下するという旅の情緒感の欠如と場違いな甘臭い音楽は致命的。[投票(2)]
★4さよなら子供たち(1987/独=仏)主観的で情緒的な物語が終盤に視線が客体化され、それまで背景にいた大人達が物語の前面に出てくる構成に感銘した。居たたまれない悔悟の念を追慕するに終わらず、怒りと尊厳とを物語に付加し得ているからだ。こういう台詞を言える教師が今いるだろうか…。[投票(2)]
★3抵抗〈レジスタンス〉 死刑囚の手記より(1956/仏)生き延びるという強固な意志が昇華してメタフィジカルに反戦思想に直結してこそブレッソンの価値があるのではなかろうか。言葉で語ってしまうところが意外であった。ベッケルの『』なんかを先に見てしまうと緩い映画にしか思えない。[投票(1)]
★4麗しのサブリナ(1954/米)超弩級の新星に強面のベテランボガートを配したのが常套手段にしても填ってる。一方でシニカルなホールデンも良い味で配役の妙を堪能すべき映画だろう。オードリーは同じワイルダーなら『昼下りの情事』の方を買う。[投票(1)]
★5Mr.インクレディブル(2004/米)家庭が平穏なら外へ飛び出せばいい。しかし、社会の基盤となる最小単位が崩壊する時代には今一度それを再構築せよということだ。保守は反転し強烈なカウンターメッセージとなるだろう。愛と連帯こそが危機を克服する。斜に構えちゃいかんと思った。[投票(5)]
★3戦争のはらわた(1977/独=英)物語に於ける個と個の対決のエモーションの発露にアルドリッチ的世界の住人たらんとしても、屹立した個のダンディズムを至上命題とするペキンパーとはベクトルが違うのだ。だから、メリハリに欠ける物語が固執されるスタイルで語られしんどい。[投票(1)]
★2戦争の犬たち(1980/米)1人の「スパイ」や「暗殺者」が歴史の歯車を置き換えるというところにロマンがあるのに「傭兵」が主人公故に頭とお尻に在り来たりなドンパチがあり真中もポリティカルなロジックが窺えない。ただひたすらにウォーケンにおんぶにだっこ。[投票(1)]
★3男はつらいよ 寅次郎子守唄(1974/日)恋敵を物語の主線上に配置したバージョンとして後の『葛飾立志篇』『寅次郎恋愛塾』等に連なる系譜の初作だろう。しかし、十朱と寅の印象的な絡みが少なく印象が薄い。前半の九州の港町の風情が格別に良く、上條も好感の持てるキャラクターだった。[投票(5)]
★5ベリッシマ(1951/伊)思いこんだら視野狭窄に陥りひたすらに猪突猛進するが何時か気付いて一気に退いてしまう。しかし間をおけば又ぞろ同じ事を繰り返すだろう…そんな女の愛しき性を肉体と魂で叩き付けるアンナ・マニャーニが最高。ヴィスコンティの職人技も極まる。[投票(1)]
★4レディ・ジョーカー(2004/日)何が何だかさっぱり解んねえ…のは確かだが仕方なかったのだろう。原作者の思惑との狭間で悩んだ挙句に確信的に総仕込みして破綻させたと見る。ドン詰まりのやるせなさだけは過剰な程に全編を被い、どいつもこいつも目一杯に行き詰まり感を漂わす。泣ける。[投票(4)]
★2マタギ(1982/日)西村晃の演技から頑固さは感じ取れるが「凄み」が感じ取れないので、対決に至るまでの長い前フリが殆ど無駄。そして、期待もしてなかったが案の定クライマックスも食い足りないものであった。感動的な部分もあるが鼻につく説教臭もある。[投票(1)]
★3郵便配達は二度ベルを鳴らす(1981/米)大不況下の30年代を再現し、又闇に浮かぶライトのか細さを始めコマーシャルなニクヴィストも乙なもんではあるが、最も原作に忠実であるというこの映画化作から80年代に訴求する何かを掴み取ることも難しかった。ジェシカ・ラングが未だ青すぎる。[投票(1)]
★2男はつらいよ 寅次郎恋愛塾(1985/日)山田洋次の脳内思考で形成された現代的モテナイ君平田満が恐ろしく共感を拒否するキャラクターで、それに物語を乗っけようとした終盤の追っかけは無惨極まりない。加えて樋口はシリーズには全く馴染まない感じ。[投票(1)]
★4風音(2004/日)少年と母親と老婦人の互いにリンクしない一夏の物語が各々に決着をつけた後に風に舞う紙吹雪の下に結合されて閉じていく。その端正な折目正しさに久しく忘れていた心地良さを覚えた。それにしても東陽一の描く子供たちは本当に子供らしく愛しく懐かしい。[投票(1)]
★3青べか物語(1962/日)川島今村の師匠であったことを考えれば決して不似合いな世界とも思えないし、ごちゃごちゃした世界を捌く手際は認めるが、何分淡泊に過ぎるし、大体森繁がミスキャストと思う。語り部に徹するには俗世の垢にまみれ過ぎてるのだ。[投票(1)]
★4妖婆・死棺の呪い(1967/露)牧歌的世界の怪異小話としてパラジャーノフ的くすんだ原色が味わい深く、まあ悪くないと嘗めていると、やがて始まる3夜の祈祷が夜毎に凄みを増して行き一種のカタストロフィにまで達してしまう。驚天動地の弾け具合。[投票(2)]
★3無理心中 日本の夏(1967/日)自分が誰かに殺されることにこそ意味が或るという机上の論理的モチーフを、これ又記号化されたアナーキスト達の中に投げ込み禅問答を繰り広げる。記号が記号に留まるので突き抜けないが方法論としては解る。イメージの飛躍は部分限定で好み。[投票(2)]