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水那岐さんのコメント: 更新順

★2ある朝スウプは(2004/日)薄汚い恋愛模様の活写。ここでカルトが出てくるのは、まだ尻の青い監督にしても軽薄すぎる。それでもぶつかり合いながらも恋人の元を離れない女性からは、愛情よりはドラマの都合しか感じ取れない。と言うか、ここまで堕ちてなお、彼女を惹きつけ続ける男の魅力が想像できないのだ。汚辱に塗れた罵りあいを見せられるのは、フィクションであれやはり辛い。[投票(1)]
★1ゲルマニウムの夜(2005/日)神への冒涜とか、新たなる神の誕生とか大風呂敷を広げてはみたが、それは花村萬月という傲慢なだけの男の書いた「新・新約聖書」を崇め奉る行為に等しい。神の不在を認めることによって、暴力的な新たなる神の誕生を待望する…嗚呼!この何という陳腐さ! [review][投票(1)]
★2鯨の中のジョナ(1993/伊=仏)ユダヤ人迫害ものでは凡庸な一作。子供を使って泣かせ芝居をさせるのも嫌だが、これほど主人公が感情移入を拒む話も珍しい。 [review][投票]
★4リンダ リンダ リンダ(2005/日)目に見える総ての事実に余計な意味づけをせず、見えるがままに判断させる秀逸な時の流れのタペストリー。山下敦弘には自分は馴染めないモノを感じていたのだが、それを覆さざるを得ない、彼の仕事の中でも最も判りやすい青春物語。ここには賞レースなどという夾雑物は存在せず、ただ数曲のナンバーが歌われるための少女たちのコミュニケートと歓喜と疲労だけの日々が横たわる。それは、きわめて自然な挿話群である。[投票(3)]
★3ニライカナイからの手紙(2005/日)こう言ってはなんだけれど、人によってはネタバレ全開なタイトル。しかし、調理法の上手さで最後まで飽きずに観られた。蒼井優南果歩の「いかにも演技しているという風情」よりは、平良進の地味な沖縄に根付いた演技が何とも味わい深く、その立っている場所の空気をしっかりと呼吸している、という実感がある。[投票(1)]
★2サリヴァンの旅(1942/米)喜劇であった筈の話が、運命の逆転からユーモアの一かけらもない悲劇に転落、それでもオタオタするような演技のできないジョエル・マックリーの大根さのため、「教訓」にすら繋がっていかないし、笑えもしない。マックリーは底辺に生きる人々に真に教えられることがないほど偉いのか? [review][投票]
★4昭和残侠伝 人斬り唐獅子(1969/日)マキノほどの華はないが、この時代のやくざ映画の正攻法を見せてくれる意味で貴重。池部良片岡千恵蔵は魅せてくれる。やはり『仁義なき…』シリーズよりも、この正統派任侠映画群の方が自分の肌にあっていることを実感する。[投票]
★3奥さまは魔女(2005/米)どこをどう切っても美味しいオマージュが出来る素材なのに、この凡庸な作りは酷い。キッドマンのヒロインの愛らしさ、フェレルの自己中心性、どれも想像の域をはみ出すことはない。冷静に演じるヒロインの父親マイケル・ケインが一番可笑しいという皮肉。これならば真っ正直なリメイクを作ったほうがどれだけいいか知れない。[投票]
★3プテラノドン(2005/米)アメリカではお馴染みだが、日本では違和感を覚える主人公たちのドライさ。まわりの人間が虐殺されていってもパニックを起こす者が少なすぎるのは、自分にはかなり異様に見えた。ところで、プテロダクチルス(原題)とプテラノドン(邦題)って、どう違うんだったっけ? [review][投票]
★4関東無宿(1963/日)おかる八の伊藤雄之助と、清純な女学生松原智恵子とが作品世界を象徴して興味深い。戦前を引きずるアナクロニズムの美学と、現代に連なるソフィスティケートされた清純が共存するこの世界は、グロテスクを極めるがゆえに価値がある。[投票(1)]
★2戦場のなでしこ(1959/日)「正義の味方」川内康範対「ゲテモノの味方」石井輝男の脚本。できあがった映画を観てみれば、やはり映画のイニシアティブを握るゲテモノの跋扈する画面であった。 [review][投票(1)]
★2ベロニカは死ぬことにした(2005/日)角川映画らしいあざとい集客戦法。ターゲットはあからさまに主婦とOL。 [review][投票(2)]
★3ごろつき(1968/日)高倉健がキックボクサーとして大成する異色作品…と思いきや、クライマックスはいつもとまるで変わらない殺陣シーン。『キックの鬼』で知られた沢村正までわざわざゲストに招いたというのに…。前半の明朗さにプラス1。[投票]
★41リットルの涙(2004/日)残酷なまでに進行してゆく病状を、大西麻恵はリアリティをもって演じている。アイドル女優のような愛らしさだが、彼女の演技力の萌芽は並大抵のものではない。ヒロインが健常者でないだけで味わわされる孤独に胸を抉られる。[投票(2)]
★3侠骨一代(1967/日)セットは雑だが照明が良し。若くてアクティブな健さんが何とも可愛い男ぶり。乞食をポジティブに仲間として描くのは、今の映画にゃ真似できめぇ。藤純子の牛乳の飲み方のクセはコケティッシュ。[投票]
★2ジャスト・ア・ジゴロ(1978/独)無軌道な異星人もどき、ボウイは随分とアンニュイ。でも完成された美しさはあまり感じ取ることはできない。探し続けてやっと観ることができたけれども、むしろ完成品たるディートリヒのほうに自分は惹かれる。[投票]
★4転がれ!たま子(2005/日)「夢は信じれば叶う」そういうものかも知れない。しかし、コペルニクス的転換が毎日のようにあちこちで起こっているワケではない。「夢の持続」には日々の努力が大切だという、きわめてシンプルな啓蒙。 [review][投票]
★4眠狂四郎魔性剣(1965/日)狂四郎が珍しく人情を見せる。やっぱり人よりすぐれて非人情でニヒルな狂四郎を期待する向きには、ちょっとばかり拍子抜けかも。でも安心、何の脈絡もない黒ミサの儀式、毒蛇使いの刺客、風魔一族の末裔と名乗る尼僧の誘惑など、しっかり猟奇趣味な狂四郎ワールドです(ほんとのテーマは「武士道に生きることのバカバカしさ」なのでしょうが…)。[投票]
★3金魚の一生(1997/日)頭山』のアニメーションスタッフも参加しており、自分の趣味ではないがこれはこれでひとつの世界を作っている。それだけに、物語はさほど重要ではないにしろネタバレのあらすじが各章につくのが興をそぐ。[投票]
★5天使(2005/日)たとえば、カレーライスのような映画。具材も存在自体もありきたりだが、たまたま見かけた店で注文したそれを口に含み、その料理法の巧みさに笑みがこぼれる。 [review][投票(1)]