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水那岐さんのコメント: 更新順

★2樹の海(2004/日)絶対的に編集が良くないが、その前にタイトルで騙された気分。その中では人間などあまりに卑小になってしまう樹海、入れば逃げることの叶わない自然の迷宮が、学校の庭園もかくやとばかり手狭に映っている。これでは死人が出たところですぐ発見されてしまう。大人の観客を騙せるものではない。[投票]
★4ホテル・ルワンダ(2004/伊=英=南アフリカ)この作品がしばらく買い上げ皆無になっていた理由に、アフリカの小国ルワンダのいざこざに日本の観客が食指を動かす筈がない、という配給会社の理屈があるが、それこそが日本の恥ずべき常識であることを問題視していただきたいものだ。 [review][投票(11)]
★3オリバー・ツイスト(2005/英=チェコ=仏=伊)すでに『オリバー!』を観ていたことから大方の筋は把握していたのだが、つくづく主人公ながら運命の河に翻弄される葉っ端のような少年だなあ、とオリバーを観る。 [review][投票(1)]
★4運命じゃない人(2004/日)トリッキーな情念のパズル。ここまで完璧に騙されるのはぶん殴られた後みたいに爽やかである。もちろん事前知識を入れないで観たので、ほのぼの叙情的ラブ・ストーリーかと思ってしまったあたり、自分のスットコドッコイさを噛みしめる結果となった。若い才能はこんなふうにして、我知らず着実に育ってゆくんだねえ…。[投票(5)]
★2最終兵器彼女(2006/日)わざわざ実写にすることで価値を失ってゆく漫画の映画化…この言葉を何度耳にし、口にしただろう。これもその例外ではない哀しい凡作である。 [review][投票(4)]
★2単騎、千里を走る。(2005/香港=中国=日)チャン・イーモウ指揮による「不器用の美学、千里を走る」狂詩曲、中国官僚主義の良心を称えるアリア付き。 [review][投票(3)]
★2博士の愛した数式(2005/日)駄作とまでは思いたくないから観に行ったのだが、この映画ならではの良さが見えてこない。言いたいことが「これで数学に興味を持てたでしょう」だったら、殴るぞ本気で。 [review][投票(8)]
★4あおげば尊し(2005/日)ソフトフォーカスの画面に淡々と描写される、緩やかなひとりの教師の死への行進。それを見守る3人の異人たち…放送作家伊藤、元アイドル女優薬師丸、ベテラン声優麻生。しかし、この3人は作品のテンポを崩すことなく見事に一篇のうたを綴り終える。 [review][投票]
★4座頭市と用心棒(1970/日)自分流に見立てると、キング・コング主演、ゴジラ共演、キングギドラ客演。 [review][投票(1)]
★4蟻の街のマリア(1958/日)単なる令嬢の気紛れではない、蟻の街という世界全てを包み込むようなヒロインの包容力。それは子供たちすらコソ泥や物乞いを何とも思わないこの街を、確かに動かしてゆく力強さを持つ。少年時代の美輪明宏の活発な美少年ぶりが目を引く。[投票(1)]
★2八月の濡れた砂(1971/日)紛れもない名曲である主題歌の他にも、哀愁を帯びたいいナンバーがドラマに纏わりつく。ただし肝腎のドラマはというと、ステロタイプの大人たちに悪ガキどもが反逆する、お定まりの「十代の反抗」映画。シロウト同然の配役で初々しさを出したのはせめてもの救い。これで綺羅星のように演技派が居並んでいたら鼻持ちならなかったろう。[投票]
★3野獣の青春(1963/日)サディストの小林昭二、母親をケナされるとキレる川地民夫のキャスティングが面白い。普通この役は振らないだろう。あとはセットが面白いだけで、お話は滅茶苦茶(脚本はきちんと話ができているんだろうが)。[投票]
★3伊豆の踊子(1963/日)オプティミスティックに観ようとすれば、ここが素晴らしいと挙げられる作品ではない。若い小百合の喜怒哀楽、上目遣いに「活動に連れて行って下さいましね」と幾度となくねだる姿のいとおしさくらいか。浜田光夫に代わっての折角の高橋英樹との共演なのだから変化が欲しいが、それがないのが小百合の不器用さ。[投票(1)]
★3モディリアーニ 真実の愛(2004/米=独=仏=伊=ルーマニア=英)最初から実在の人物も登場するフィクションだ、と告白するのが逃げのように思えて仕方がない。現実の画家を高潔に描くのも、クソまみれに描くのも監督・脚本次第なのだから。映画人はグローバルに影響力を行使できることを忘れてほしくはない。 [review][投票]
★3夜霧よ今夜も有難う(1967/日)「カサブランカ」よりはかなりウェットだが、ある場所ではよりドライであるとは言えるところが面白く、画面が綺麗。最後のガンアクションには目をつむるとしても、黒人ハーフのボーイにはちゃんと本物を使って欲しかった(あれではラッツ&スターだ)。その恋人のウェイトレス、太田雅子はやきもち焼きで可愛い。[投票]
★3陽のあたる坂道(1958/日)こんな言葉をぶつけ合ったら、確実に関係は瓦解する、と思われるようなセリフの応酬ののち、笑って語り合う家族たち、恋人たち。かつて石坂洋次郎文学がもてはやされ、続々映画化されたのもこれが共感を呼んだ所為なのだろうか。3時間以上の長尺を飽きさせなかったけれど、ちょっと自分にはついてゆけない世界だ。[投票(1)]
★3夜霧のブルース(1963/日)いかにも舞台出身の菊田一夫原作だけあり、現在と回想が繰り返すトリッキーな物語。だが暴力団をヒーローに描きがちだったこの時代からすれば、「やくざは人間の屑」とのテーゼに貫かれた、過酷なまでに媚びない作品でもある。世話女房のルリ子の愛らしさは出色。[投票]
★1男たちの大和 YAMATO(2005/日)これぞ愚劣!これぞあざとさの権化!泣かせのシーンと啓蒙と殺戮シーンだけでまるまる映画一本撮りあげた佐藤純彌監督、早くも日本ラジー賞間違いなし!…っていうか、60年経っても「世界の三馬鹿」のひとつを批判しきれないアナクロさには、一生日本が敗北した訳は判るまいと言いたくなる。乗組員の方々の鎮魂のためにも、1点。 [review][投票(12)]
★4赤いハンカチ(1964/日)深い奥行きのロングと、スタッカートのようなリズムで刻まれるショート・カットの混在する、絶妙のカメラワーク。ほぼ全編を包むギター・ソロの哀調を帯びた劇伴音楽。無駄な台詞を排した、知る限りのムードアクション・シリーズの最高峰だ。可憐な少女から愛に突き動かされる女までを熱演した浅丘ルリ子のベスト・アクトも忘れ難い。[投票(2)]
★3フライング・タイガー(1942/米)「カミカゼ攻撃」はなにも日本人の専売特許ではない、ということが理解される。しかし、戦意高揚映画をカラーで娯楽映画仕立てに撮る国の、この余裕といったらない。(モノクロ版を掴まされた方にはお気の毒に…) [review][投票]