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赤い戦車さんのコメント: 投票数順

★3愛のメモリー(1976/米)デ・パルマは根本的にセンチな人なのでこういうセンチな物語を撮ると技法の使い方も思い入れの強さの表れに見えないこともなく、その点では好感が持てないこともない。だからと言って面白いとは思わないけどね。カメラの回転、長すぎるよ。[投票]
★4スニーカーズ(1992/米)小ネタで笑える映画というのは観ていて気持ちが良いし、面白いアイデアがたくさんある。何よりダン・エイクロイドが良い。彼が車を運転する場面は夢に溢れている。[投票]
★3オペラ座/血の喝采(1988/伊)完全版が出たので観直したが相変わらず分からん。眼球への執拗な攻撃も何かの映画的寓意までは昇華されず、ラストに至っては何故か『フェノミナ』になる。アルジェント的なギラギラした照明と狂ったカメラワーク(と音楽)は結構好きな部類ではあるが。[投票]
★4ジュラシック・ワールド(2015/米)最初から最後まで全シーンが悉く前3作や別のモンスター映画から引用してきたような画で構成されている点で結構な珍品だと思うんだが、変なショットや繋ぎもなくこれはこれで過不足なく楽しめた。アクションの捉え方は同時期の『ローグ・ネイション』よりも的確。ただ、恐竜の怖さは微塵も感じられず、どうにも軽い。3.5[投票]
★4侠花列伝 襲名賭博(1969/日)任侠ものといえば東映のイメージが強いが、この日活製任侠映画はもっと観られてもよい傑作。機関車に乗った松原智恵子が見つめる中、敵と闘いながら草原を駆け並走する藤竜也、そしてそれを追いかける梶芽衣子。三者三様の立ち位置、そしてそれをアクションとして昇華する名シーン。これこそ映画で描かれるべきエモーションの昂りだろう。 [review][投票]
★5デジャヴ(2006/米)9年振りに再見したところ、滅法面白かったので点数を大幅に加点した。モニター(スクリーン)の向こうへの愛。その成就。死者たちへの静かな鎮魂の念とその痕跡を忘却させまいとする思い。それらの感情は、劇中の人物の挙動や動機を通して力強く表現されている。カトリーナの犠牲者に向けられた字幕は単にロケ地だから加えられた、というわけでは断じてない。私にとってこの監督のベスト。4.5[投票]
★4コルドラへの道(1959/米)終盤にかけて銃が使われなくなっていくという一風変わった西部劇だが驚くほどのけん引力がある。痛ましい疲弊の描写もさることながら、何よりリタ・ヘイワースが圧倒的に素晴らしい。この映画でクーパーがトロッコを引きずり引きずられる緩慢な動作は、凡庸な監督が撮った銃撃戦などより遥かに活劇的かつスリリングだ。[投票]
★4リベンジ(1990/米)素晴らしいメロドラマ。揺れるカーテンと画面に氾濫する水。常に風が吹いている画面。ラストシーン、日照り雨での傘など何気ないショットが情感を盛り上げる。欲を言えば敵との決着ははっきりとつけてほしかったが・・・これは泣きのトニー・スコット、泣きの傑作。[投票]
★4NY心霊捜査官(2014/米)60sデビューのバンドで私が最も好きなのはドアーズであり、その楽曲を使う映画は日頃から支持しようと心がけているのだが、いかんせん本作は使い方がダサい。しかし、デリクソンは毎度毎度照明に凝る。『キャット・ピープル』を曲解したかのようにほぼ全編を光の明滅と濃厚な影・闇だけで押してくるそのスタイルは、良くも悪くも実験的であり、果たして行きつく先がどこになるのか楽しみであったりする。結構、好きな映画。[投票]
★4ファイナル・プロジェクト(1996/豪=香港=露=米)3.5。水族館での水中アクションに尽きる。『海底王キートン』から現代に至るまで、このシーンは他で観たことがないぐらい独創的で素晴らしいと思う。緩慢な動きで行われる格闘と、その格闘がサメが来る度に中断される様子が実に面白いし、空気の奪い合いや出血、新しいショーと勘違いして集まる観客たちなど細部のアイデアも充実。それにこの映画はギャグとして挿入される小ネタが冴えていて笑えるのが良い。[投票]
★3修羅雪姫(2001/日)頑張りは認める。伊藤英明が一緒に共同作業をこなして笑顔になり、その後ろで真木よう子がそっと佇み見つめているサイレント的な場面と、クライマックスでオルゴールの音で立ち上がり「お前を切る!」と大見得を切る釈。この2シーンが良い。ドニー・イェンのおかげで殺陣も予想以上に良いが、個人的にはもう少し泥臭さが欲しいか。SF設定はようわからん。[投票]
★3ロング・キス・グッドナイト(1996/米)小道具の使い方等面白い部分もあるが、金髪に様変わりするジーナが以前より醜く見えるし、高速度撮影の多用がアクションの速度感を減衰させているし、スケートで車と並走するショットの迫力の無さやら画面がそもそも冴えぬ。だが、椅子ごと吹き飛ぶサミュエルと最後の橋の場面は中々良い。三次元的な空間の広がり、母を想う娘、そして娘を想う母が進退窮まり無線で助けを呼びかける、その気持ちの盛り上がり。[投票]
★4サンドラの週末(2014/ベルギー=仏=伊)最初の同僚を説得する場面。庭に置かれた棚がコティヤールと同僚との間を線的に「分断」する形でこれ見よがしに配置される。扉の敷居、壁の色彩の違い、フェンス。人々の立場を視覚的に示すものとしての「分断」。だが、この「これ見よがしさ」が画面内の事物に一義性(作為)を与えてしまうように思え、私としてはあまり面白くない。 [review][投票]
★4太陽の坐る場所(2014/日)木村文乃が髪をかき上げる動作の途中で正面にカットが切り替わると、通常アクション繋ぎで編集するところなのにもかかわらず既に手が下ろされている。或は、彼女が左を向いてるカットの後に鏡に切り返し右を向いてる(ように見える)カットを繋ぐ。こうした画面を断絶させる感覚が鈴木清順のようで凄まじい。冒頭の分割画面から始まるこれらの画面の「分断」が一つに纏まり、太陽の坐るカットで終わる。中々面白い。 [review][投票]
★2キングダム・オブ・ヘブン(2005/米)砂漠でイスラムの勇士とオーランド・ブルームが戦うシーン、途中で騎乗の観戦者が二人の戦いを追い視線を右斜め前方から後方へ移す仰角のアップが入るが、この前後で観戦者の視点か決闘者と観戦者を収めた全景ショットという第三者の視点を挿入せず、戦う二人の寄りを延々繋ぐのは雑すぎると思う。ここに限らず寄り大杉。2.5 [review][投票]
★3プロフェシー/恐怖の予言(1979/米)終盤は楽しいが全体に低調であることは否めない。自動で動く機械が立ち並ぶ工場という場所はやはり映画と相性が良いらしく、本作において最も画面が活気づいているのは主人公夫妻が工場を調査する場面。他にはトンネルに逃げ込んだ一行が地上の動きに耳を澄ます場面やアーマンド・アサンテが斜面を駆け下りるロングショットなどが良いか。最もやってほしくなかったことをやるラストショットには怒りを通り越して呆れた。[投票]
★4寄生獣(2014/日)原作既読。橋本愛を抱えて染谷将太が校舎から飛び降りる3ショットの割り方・アングルなど興を削ぐところは多少あるが、それでもここまで健闘してくれれば許せる。ミギーと染谷が対話するショットでCGに違和感を持たせず自然な会話に見せる手腕がさりげなく高度だ。+αとして「これだけは撮りたい」という監督の欲望が漲る、語りから逸脱したカット、場面があればなお良かったか。3.5[投票]
★4やさしい女(1969/仏)ドミニク・サンダが学校らしき建物の前の階段で立ち止まり画面外を見やる。次のショットでは教科書類が車へ放り込まれるさまが映し出され、人物が乗り込む様子は音で表される。サンダもフライジャンもこのショットだけでは本人と判別できない。こういった目と耳を刺激させ、画面外をも想像させるカットの積み重ねが画面にただならぬサスペンス性を生み出す。OPや映画館、追突。サンダが摘む白い花の美しさ。 [review][投票]
★2ハウリング(1981/米)映写機の前で襲われたトラウマから「カメラのファインダー」「レンズ」「光」の前に立てない、という設定を有機的な主題として全編に張り巡らしてくれれば、ファインダーの向こう側へ呼びかけるラストの悲哀ももっと胸に迫っただろうに。『グレムリン』のような楽しいユーモアが見られないのも辛い。海辺のフェスティヴァルでのひと時を描いた場面が最優秀か。2.5[投票]
★4ザ・ファミリー マフィア血の抗争(1973/米)本作も相当に面白いマフィア映画だ。画面のルックも話もまるっきり違うんだが、やられたらやり返すというシステマチックな世界の描き方と、歯車の一部として配置される人間たちと、多種多様な暴力描写の乾いた感覚が北野武の『アウトレイジ』に驚くほど似ている。 [review][投票]