寒山拾得さんのコメント: 投票数順
ショコラ(2000/米) | キリスト教でも断食はあるのだと知る。英語で四旬節はLent、断食はfast。断食が破られることから朝食はbreakfast。ビノシュと娘の赤いマントがとても印象的。この有徴で共同体から選別排除されるのだろう。 [review] | [投票] | |
ヴェニスの商人(2004/米=伊=ルクセンブルク=英) | ユダヤ人に配慮した作劇な訳だが徹底せず中途半端で観客を不愉快にするだけに終わっている。本作に何の意味があったのか皆目見当がつかない。 [review] | [投票] | |
トゥモロー・ワールド(2006/米) | 戦闘の撮影は私の目測では『炎628』の1/10くらいの面白さ。金かかった美術はいいんだけどスケール感も躍動感も不足している。 [review] | [投票] | |
追憶の森(2015/米) | 「ちょっと待て。君の人生は楽しいか、それとも苦しいか。世の中苦しいことばかりではない。楽しいこともあるはずだ。人生を楽に過ごすたけにもう一度よく考えよ。必ず何か思いつくはずだ。たった一つの命、大切にしよう。困ったら下記に相談を」 [review] | [投票] | |
第七の十字架(1944/米) | アンナ・ゼーガースの小説から逃走部分だけ引き抜いた作劇らしいが、リアルタイムで撮られた意味は充分あっただろう。正義と国家が対立するとき人はどうすべきかをリアルタイムで問うて切実である。 [review] | [投票] | |
最後の億萬長者(1934/仏) | 対ナチ四大喜劇として『我輩はカモである』(33)『独裁者』(40)『生きるべきか死ぬべきか』(42)と並び称されるべき傑作。客席は狂笑に次ぐ狂笑。 [review] | [投票] | |
鬼戦車T34(1965/露) | 導入部からして戦車部隊の真面目な追悼映画のはずなのだが、なぜかしばしばナンセンスの味がする。製作者は何かの手違いで『馬鹿が戦車でやって来る』(64)を参考にしたのではないだろうか。 [review] | [投票] | |
ベルトルッチの分身(1968/伊) | ついに自分の作風を持てず『リトル・ブッダ』みたいなクズに至るこの監督の経歴に尊敬をはらうのは困難だが、『革命前夜』とか本作などは冗談と思って観る分には罪がなくていい。 [review] | [投票] | |
マザー・テレサ(2003/伊=英) | オリヴィア・ハッセー、小さな老女の知性と慈愛による美しさを示して余りにも見事な造形。「資金は神が望まれれば集まります」「私は神の小さな鉛筆です」。何かを成し遂げられるのはこういう人なんだなあと思った。 [review] | [投票] | |
最後のブルース・リー ドラゴンへの道(1972/香港) | 東洋人にボコボコにされる西洋人、チャック・ノリスの半泣きのイメージは、作劇とずれた処で異様な印象が残される。こいつ今やアメリカの右翼大物なんですな。 [review] | [投票] | |
僕と未来とブエノスアイレス(2004/アルゼンチン=仏=伊=スペイン) | 才気走った演出で良心的な主題を良心的なままに扱っており、良心的だがドラマにはならなかった。 [review] | [投票] | |
弓(2005/韓国) | 才気走った見事な神話世界を構築するモチベーションに、ギドクという人はこの妄想親爺の淫靡な願望しか用意できないのだろう(含『裸の島』のネタバレ)。 [review] | [投票] | |
この自由な世界で(2007/英=独=伊=スペイン=ポーランド) | 本作は現実であり可愛らしいディストピアSFではなく容赦なく観客をペシャンコにする。現代映画のひとつの典型であり、ジャームッシュもカウリスマキもダルデンヌ兄弟も、撮り続けているのは本作の応用編なんだろうと感じさせられるど真ん中。 [review] | [投票] | |
怪談乳房榎(1958/日) | 新味はないが安定の新東宝怪談。美術は充実しており、火の玉の飛ばし方などスリリングで上手いものだ。若杉嘉津子さんはいつも虐められていて可哀想だ。 [review] | [投票] | |
ヒットラーの狂人(1943/米) | ジョン・キャラダインのハイドリヒの傲慢もの凄く、この悪役造形は針が振り切れており忘れ難いものがある(含『母と暮らせば』のネタバレ)。 [review] | [投票] | |
姿なき軍隊(1945/デンマーク) | 三角関係ベースの延々たる討論とほんの一瞬の冴えまくったアクション。この配合はゴダールだ。議論とアクションと両方撮りたい志向に本作はぴったり。影響受けただろう。フィルムは16ミリで雨降り、復旧要望します。 [review] | [投票] | |
松竹映画三十年 思い出のアルバム(1950/日) | 松竹の歴史から20作品、名シーンのダイジェストが3分づつほど観られる。俳優中心のセレクトで珍しいのもある。作品によっては収束も含まれ、ネタバレの嫌いな人には勧められない。紹介されたのは次の作品。 [review] | [投票] | |
花(1941/日) | 若師匠役の田中絹代がすでに戦後作の貫禄を端々に示すのが面白く、とても魅力的。侮辱されて活け花を鋏で切る横からのバストショット長回しが堂々としていて印象に残る。 [review] | [投票] | |
西住戦車長傳(1940/日) | 軍部から押しつけられた企画を松竹は吉村に丸投げし、戦争は嫌いだとロケ現場の中国から帰ってきてしまった助監督の木下惠介を城戸四郎は見込みのある奴と褒めている。こういう事実を無視してフィルムと虚心に向かいあっても大したものは出てくるまい。 [review] | [投票] | |
アリス(1988/チェコスロバキア) | 実写も本当はこんなかわいい娘ではなくて小沼の『少女地獄』みたいなドロドロにしたかったに違いないのだが、本作の妥協は一般的に云って好ましい。 [review] | [投票] |