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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★3太白山脈(1994/韓国)朝鮮戦争版『戦争と人間』みたいな作品。『西便制』や『春香伝』の深みもヤマサツみたいな巧さもなく大味だが、判りやすくかみ砕いて史実を伝えてくれる。 [review][投票]
★3錆びたナイフ(1958/日)「社会正義」とアウトローの血のたぎりとの相克を描いて真面目な作品だが、原作者の破滅型小説から政治家への転身とか、日活の太陽族過激路線の経営方針修正とかの雑音を遮断して作品だけを愉しむのはとても難しい。 [review][投票]
★1やさしいにっぽん人(1971/日)断片の大半は各々が短すぎるうえにコントめいていて何が累積される訳でもなく、ただシラケ世代の得手勝手な詠嘆がぶち撒かれたというばかり。皮肉なコメントが必ず末尾につく週刊誌記事の類。 [review][投票]
★2罪と罰(1983/フィンランド)ロシア文学採用も含めブレッソンの劣化通俗版。ユーモアがないうえ気障な科白が鼻につき顔のズームアップがダサく主演女優がイモ。忘れられるべき試作品。 [review][投票]
★5最後の人(1924/独)映画史でも早いもの勝ちということがある。ラストの混乱は期待の地平を逸脱して抜群にカフカ的であり、以降この手法は本作の二番煎じと呼ばれるだろう。お仕着せ着たエミール・ヤニングスは明らかに「変身」の父親だ。[投票]
★2月世界旅行(1902/仏)侵略戦争のエートスを語って不気味。当時の見世物小屋の常識を記録して『國民の創生』と双璧の生臭さ。我ながら分別臭い感想ですが。[投票]
★3女吸血鬼(1959/日)どんな荒唐無稽な設定だろうと天知茂ならまあ仕方ないねと納得させてしまうのは映画にとって良いのか悪いのか。映画は手堅くも今や平凡。 [review][投票]
★3怪異宇都宮釣天井(1956/日)見処は俳優単位、江川宇礼雄三島雅夫のお主もワルよのうは豪華で藤木の実は可愛く鮎川浩の悪党振りは見事。話は地味、釣天井はもう少しどうにかならなかったのだろうか。[投票]
★3女といふ城 マリの巻/夕子の巻(1953/日)乙羽信子の八百屋お七の舞いがひたすら感動的で、撮影もなぜかここだけ異常にいい。これをフルで観たかった。本編は漫然としているが、凸ちゃん一流のツンデレコメディと清川玉枝の芸者屋残酷物語、ヤクザの多彩な手口が愉しめる。[投票]
★5怪談累が渕(1957/日)ベストアングルを求めて彷徨うミゾグチ直系のキャメラが冴えまくり、沼に佇む若杉嘉津子のショットにジャンルを超えた尊厳がある。話の不条理さも天井級。 [review][投票]
★4若者の旗(1970/日)延々となされる議論は全然噛み合わず並置され、噛み合わないこと自体が世情の感深く、そんななか田中邦衛史上最強の科白が聞ける。「貧乏人がいつも正しいの」「そうさ」。 [review][投票]
★3兎の眼(1979/日)小学教師は人格者でないと勤まらないと厭と云うほど教えてくれる作品。子供たちが全然可愛くないリアリズムがこの際いい。マイナー趣味擁護の作品でもある。 [review][投票]
★3ぼくのおじさん(2016/日)北杜夫の温さそのまんまの映画で、松竹喜劇旅行シリーズとの同時代性を感じさせるものがあり嫌いじゃないんだけど、こういうのは尺90分で十分だろう。タチっぽさは皆無。 [review][投票]
★3喜劇 誘惑旅行(1972/日)気楽なフィリピン漫遊記だが、性風俗が絡むとバブル期のフィリピンパブ興隆への集合的無意識を見せられているようで生臭く、面白味が半減してしまう。当時はあずかり知らないことなんだろうけど。 [review][投票]
★4劇映画 沖縄(1970/日)沖縄の切実を記録して貴重。生真面目になりそうな主題を地井武男の刹那的変遷で巧みに語っている。 [review][投票]
★5橋のない川(一部・二部)(1969/日)一部は『キクとイサム』『にっぽんのお婆あちゃん』と並ぶ北林谷栄の傑作、二部は突撃米騒動の伊藤雄之助の傑作。アクションで語る今井、最後の輝き。 [review][投票]
★2我が道を往く(1944/米)不良少年の片方が口答えしようとすると片方がビンタを連発する。このギャグだけレオ・マッケリーらしく面白かった。あとは皮肉の蔓延が辛気臭い老人排斥物語。 [review][投票]
★3伯林−大都会交響楽(1927/独)元祖世界の車窓からみたいなもので何がダダなんだかよく判らないが、撮影は瀟洒で窓やら昼飯やらの反復のエスプリが部分的に愉しい。ベルリンはすでにからとんでもない都会だなあという感想。[投票]
★2血と砂(1922/米)撮れませんとばかりに省略する闘牛シーンが貧しい。これでは映画にする意味がなかろうに。話は通り一遍で細部に魅力なくありがちなアイドル映画。美点はライラ・リーが可愛いことぐらい。[投票]
★3若者は行く −続若者たち−(1969/日)新宿騒乱のインサイダー山本圭というリアルタイムな設定がすごいのだが突っ込み不足で不満。なお本作は前作を観ていないと全編意味不明なのでご留意を。 [review][投票]