★4 | アルゼンチンタンゴ 伝説のマエストロたち(2008/米=ブラジル=英=アルゼンチン) | タンゴが現代の大衆音楽のひとつとして、グローバルに支持されている昨今であるが、そのうちでも長い歴史を持ち、人々に愛されている「アルゼンチン・タンゴ」のマエストロ(巨匠)たちが一堂に会してのアルバムを製作しようと、音楽家グスターボ・サンタオラヤは考え、かつての巨人たちに声をかけた。ブロードウェイ・ショウ『タンゴ・アルゼンチーノ』の大ヒットの中、まだまだ自分たちは演奏できる、歌えると奮起したアーティストたちは、ブエノスアイレスのコロン劇場で一夜限りのコンサートを行い、その名演を残すべく次々と参入する。この作品は22人のマエストロたちの甘美な一夜に向けての奮闘を描くものである。〔92分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 死んだ時間(1964/仏) | 人間とは何者か?…人間は戦争を起こす。人間は狩りをする。人間は虐殺する。そして、人間は人間を処刑する…。哀愁を帯びたアラン・ゴラゲールの旋律に乗って、殺戮に明け暮れる人間の姿が乾いたローラン・トポールのペンで画面上に描かれる。死者たちの風景、葬送の行進、愛と殺戮をつかさどる女神のような美女。地球は人間たちに相応しい住処なのか。〔10分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★4 | ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い(2009/伊=スペイン) | ヴェネツィアで育った青年神父ロレンツォ(ロレンツォ・バルドゥッチ)は、カサノヴァ(トビアス・モレッティ)の薫陶を受けて詩の才能を見い出されるが、奔放な女性関係を理由に国を追われ、ウィーンへ渡った。彼は紹介状を手に宮廷音楽家サリエリ(エンニオ・ファンタスティキーニ)を訪ねるが、サリエリからは新進気鋭の作曲家モーツァルト(リノ・グワンチャーレ)への作詞提供を薦められた。モーツァルトに、ロレンツォはカサノヴァにかつて見せられた『ドン・ジョヴァンニ』の再歌劇化を提案する。それにはヴェネツィアで彼が巡り会った運命の女性、アンネッタ(エミリア・ヴェルジネッリ)への想いが込められていた。〔127分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★4 | パーマネント野ばら(2010/日) | 港町にある、まさ子(夏木マリ)が切り盛りする美容室「野ばら」は男運の悪い女たちの溜まり場になっていた。一人娘のもも(畠山紬)を抱えて手伝いをするバツイチ女・なおこ(菅野美穂)は、そこで小母さんたちや旧友の恋愛話の聞き役に廻っていた。パブのママであるみっちゃん(小池栄子)は店の女の子に手を出すヒモの様な男・ヒサシ(加藤虎ノ介)に腹を立て、轢き殺そうとまでした。薄幸な友人ともちゃん(池脇千鶴)は相手にする男総てがダメ男で、最後の亭主ユウジ(山本浩司)もギャンブルと薬で身を滅ぼした…そんな話を聴くなおこも教師カシマ(江口洋介)と交際をしていたが、その裏には秘密があった。〔100分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | やさしい嘘と贈り物(2008/米) | スーパー務めの老人・ロバート(マーティン・ランドー)は若いオーナー・マイク(アダム・スコット)の下で働きつつ、孤独な日々を送っていた。クリスマスも間近いある日、ロバートは家に入り込んでいた老婦人、メアリー(エレン・バーステイン)に気づき追い出そうとするも、彼女の邪気の無さと溢れる親切心に時ならず心ときめくのを感じる。一目惚れ状態のロバートは、向かいに住むという彼女とまた逢う約束を交わし、デートを繰り返す。彼女の娘であるというアレックス(エリザベス・バンクス)も二人の恋を応援してくれている。そして夢の様な日々は続くが、ある日メアリーをパーティにエスコートしていった時小さな疑問は目覚める。〔92分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 殴られた石松(1951/日) | 斬り捨てられた男の死体を見つけた森の石松(田崎潤)は、男の弟である幼馴染み、常吉(尾上菊太郎)にそれを報せに行くが、下手人とされる平七(村田宏寿)への仇討ちに応じない彼と喧嘩になる。常吉は兄を殺し、目撃者平七に罪を擦りつけた下手人の正体を知っていたのだ。彼の恋人、お沢(花柳小菊)は、石松に真実を知らせ助太刀を頼んでは、と助言する。親分の次郎長(黒川弥太郎)の元に帰った石松は、常吉の言葉で総てを飲み込み、次郎長によってふたりで悪人を捜すよう勧められる。動き出した石松は、ふとしたことから旅の男、沓掛時次郎(片岡千恵蔵)と喧嘩をすることになる。〔66分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★4 | 哀しみのベラドンナ(1973/日) | 中世フランス。ジャン(伊藤孝雄)とジャンヌ(長山藍子)は幸福な恋人同士として結ばれたが、邪悪な領主(高橋昌也)によって重税の代わりにジャンヌは慰み者として犯されてしまう。夫との関係も冷え、絶望のどん底に落ちたジャンヌは悪魔(仲代達矢)に出会い、ジャンの幸福と引き換えに肉体を差し出し、一時の平穏を得る。だがそれは悪魔の遠大な罠であり、ジャンヌは総てを剥ぎ取られ、失って悪魔に魂を売り、魔女へと変貌するのであった。「悪いことがしたい…悪いことなら何でも」…イラストレーター深井国の耽美的な画風を全面に押し出した、虫プロの「アニメラマ」シリーズ最終作。〔89分/カラー/スタンダード〕 | [投票] |
★4 | 剣侠江戸紫(1954/日) | 本庄助太夫の仇として若武者・白井権八(大谷友右衛門)を付け狙う息子達に、彼は武士の面体を傷つけた父親への報いと申し立てた。その場を切り抜けた権八は、夜の街道で盗賊団に襲われるも、町奴を束ねる幡随院長兵衛(大河内伝次郎)に救われ、彼の家に匿ってもらう。その頃本田家の槍行列を前に、旗本・水野十郎左衛門(嵐寛寿郎)は跨った馬で奴達を蹴散らし、侍達の溜飲を下げていた。本田家に恩がある長兵衛は、奴達が喧嘩を買おうとするのを固く戒め続けた。彼は江戸の秩序を奴と旗本の混戦で乱したくなかったのだ。一方権八は、花魁・小紫(山根寿子)を見初め、彼女と深い仲になってゆく。〔113分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★4 | 海の沈黙(1947/仏) | 1941年。ドイツ占領下のフランスの片田舎。ここにある老人(ジャン・マリ・ロバン)と姪(ニコル・ステファーヌ)がひっそりと暮らす屋敷に、ドイツ軍将校ヴェルナー(ハワード・ヴァーノン)がやって来て滞在の許しを得る。ヴェルナーは慎み深く礼節をわきまえた軍人であり、夜も更けたコーヒータイムにのみ主人達の集う居間を訪れ、ここにやって来たいわれを語るのだった。彼は祖国を愛するとともにフランスの文化に憧れ、二つの国の理想的な結合が幸せな結果を生むと説くが、老人と姪はそこに誰もいないかのように押し黙る。幾許かの時が流れ、ヴェルナーは夢見たパリに向かうが、帰って来た彼の表情は何故か沈んでいた。〔86分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★4 | 抱擁のかけら(2009/スペイン) | 盲目の脚本家ハリー・ケイン(ルイス・オマール)は、かねてよりの知人である実業家エルネスト・マルテル(ホセ・ルイス・ゴメス)の死去の報せを受ける。出来ることならば記憶から抹消したかったその名を聞くとともに、ケインはマルテルの息子ライ・X(ルベーン・オチャンディアーノ)より脚本の仕事を依頼される。彼らの過去に何があったのか…14年前、ハリーは本名であるマテオの名で映画監督として活躍していた。そんな彼の前に、俳優志願の美女レナ(ペネロペ・クルス)が現われる。マテオは彼女に一目惚れしてしまい、新作映画の主演に彼女を招くのだった。彼女がマルテルの秘書兼愛人であると知った上で。〔125分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★4 | Dr.パルナサスの鏡(2009/英=カナダ) | 齢1000歳を数える移動見世物小屋イマジナリウムの主、パルナサス博士(クリストファー・プラマー)には悩みがあった。かつて僧侶であった博士は悪魔(トム・ウェイツ)との取り引きによって永遠の生命を得たが、その代償として娘・ヴァレンティナ(リリー・コール)が16歳になったとき、その身を悪魔に捧げると確約してしまったのだ。今はしがない見世物屋の老爺である彼は、相棒のパーシー(ヴァーン・トローヤー)に励まされつつショウを細々と続けていた。そんなある日、博士はタロット占いで「吊られた男」の札を引き、この後心強い味方となる青年・トニー(ヒース・レジャー)との出会いを得るのだった。〔121分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 今度は愛妻家(2010/日) | 夫の健康を考え、マニアックなほどに世話を焼くさくら(薬師丸ひろ子)は、カメラマンである夫・俊介(豊川悦司)が自分に眼もくれないことに不満を募らせ、食事を作らなくなった。そして、旅行に出かけたまま行方知れずになってしまう。妻をうるさく思っていた俊介は、これ幸いと浮気に耽ろうとするが、トップスターになるため彼に抱かれる覚悟でやって来た蘭子(水川あさみ)の誘惑に乗ることが出来なかった。代わりに彼女の相手をした弟子の誠(濱田岳)にも、何時も俊介の世話を焼きに来るおかまの文太(石橋蓮司)にも心配されるほどに、俊介はさくらの不在に呆けたように自分を見失っていた。〔131分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | カティンの森(2007/ポーランド) | 1939年。不可侵条約を結んだ独ソがポーランド国内に侵攻を深めていた。ポ軍大尉のアンジェイ(アルトゥル・ジミイェフスキ)を追った妻のアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)は、娘ニカ(ヴィクトリャ・ゴンシェフスカ)とともに野戦病院に向かい、再会を果たしたが、それが永遠の別れとなるとは家族の誰も知る由もなかった。ソ連の捕虜となったアンジェイは経験のすべてをメモに記しつつ、軍用列車でソ連領内へと運ばれてゆく。そして間もなくアンジェイの父で大学教授であるヤン(ヴワディスワフ・コヴァルスキ)もまたドイツ軍に拉致され、収容所へと送られてゆくのであった。〔122分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★4 | 美代子阿佐ヶ谷気分(2009/日) | 私漫画家である安部愼一(水橋研二)は、情婦でありミューズでもある美代子(町田マリー)をモデルとして漫画を描き、雑誌「ガロ」編集部に持ち込み続けていた。担当編集者(佐野史郎)はそれを面白く思いながらも、安部に対しては「現実に甘えすぎているのではないか」の言葉を投げつけた。事実、安部は漫画家として追い詰められた状況に来ており、美代子の友人、真知子(あんじ)を抱いてそれを作品に描き、その罪悪感を打ち払うかのように親友、川本(本多章一)に美代子を抱かせて構想を得るのだった。だが、そのなかで安部の狂気は熟成されつつあり、美代子と結婚して博多に移住した安部は作品が描けなくなっていた。〔86分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | なくもんか(2009/日) | 兄・祐太(阿部サダヲ)は両親の離婚後、どうしようもない父親(伊原剛志)に引き取られ、ハムカツが名物の惣菜屋に世話になるも、父は大金を抱えてトンズラしてしまった。それでも彼は人情溢れる商店街の人々に育てられ、惣菜屋「山ちゃん」の二代目を継いだのだった。一方彼の弟・祐介(瑛太)は、母と共に家に残るも母はつまらない事故で頓死、どん底の少年時代を送るが、彼をお笑いの道に誘ってくれた大介(塚本高史)により、コンビ漫才で一躍スターダムに登りつめた。そして、あるきっかけから二人は互いの存在を知ることになる。ここから、生き別れの兄弟の悲喜劇は始まったのだった。〔134分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | マイマイ新子と千年の魔法(2009/日) | 戦後勃興期の防府の町。その町を巡る青々とした麦畑に囲まれた旧家に、おでこにマイマイ(つむじ)を持つ活発で空想好きの少女、新子(福田真由子)は暮らしていた。大好きなおじいちゃんから教わった千年前の活気に溢れたこの町へ馳せる思いに、新子の胸は膨らむのだった。そんな彼女の通う小学校に、医者の娘である転校生、貴伊子(水沢奈子)が転入してくる。引っ込み思案でなかなか町に馴染めない貴伊子を、新子は積極的に外に連れ出し、親しくなろうとする。やがて新子の親しい男子たちも貴伊子は遊び仲間に加え、畑の水路に紛れ込んだ金魚の秘密を分かち合える仲間となってゆく。そんな日常の中に、ある日事件が持ち上がる。〔93分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | ホノカアボーイ(2009/日) | レオ(岡田将生)にかつての恋人が「月の虹」が見たいといってクルマを走らせた地…ここはハワイ、ホノカア。レオはここの劇場で、映写技師バズ(チャズ・マン)の助手を務めていた。劇場で出すドーナツを揚げてくれる老女・ビー(倍賞千恵子)は、料理用具を持たないレオのために毎日夕食を出してくれた。平穏な日々の中でバズが片腕を骨折し、劇場が危機に陥ったとき、レオは見よう見まねで映写機を扱い、見事にフィルムを滅茶苦茶にしてしまった。そんなレオがふとしたことからマライア(長谷川潤)という女性と気が合い、恋人のように触れ合うようになったとき、ビーは少し寂しい気持ちに陥った。彼女の心に育っていた感情は…?〔111分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ(2009/日) | 戦後間もない東京。小説家の大谷(浅野忠信)家の扉を、小料理屋夫婦・吉蔵(伊武雅刀)と巳代(室井滋)が叩く。毎日の酒代を大谷が二年にわたって払わず、堪忍袋の緒が切れてやってきたというのだ。その上昨日は巳代の目を盗んで店から五千円を盗んでいったという。夫婦と大谷の喧嘩を見るに耐えず、大谷の妻・佐知(松たか子)は夫婦をなだめ、夫の代わりに自分が店で働いて代金を返すという。さっそく店を手伝い始めた佐知は、まだ若く美しい容貌から客達の人気者となった。ところが、ある日見知らぬ女が大谷と共に店を訪れ、五千円を返してゆく。佐知はヒモのような夫を悲しむが、それ以後も夫の享楽癖はとどまらなかった。〔114分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | さまよう刃(2009/日) | 妻を失って以来、一人娘の絵摩の成長だけを生き甲斐に暮らしてきた長峰(寺尾聰)は、娘が帰宅しなかった翌朝、警察から絵摩がふたりの少年に陵辱され、死に至ったことを知らされる。担当の刑事、真野(伊東四朗)や織部(竹野内豊)も長峰にかける言葉も見つからず、ただ頭を下げるのみであった。一気に地獄に落とされた長峰は、ただ煩悶し嘆くだけであったが、ある時名乗らない少年からの電話で、それがアツヤ(黒田耕平)とカイジ(岡田亮輔)という二人の犯行だと聞かされ、教えられたアツヤの部屋に向かう。ヴィデオに映し出された我が子の惨状に激昂した彼は、アツヤの体に刃物を突き立て、カイジの居場所を吐けと吠える。〔112分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★4 | 私の中のあなた(2009/米) | 11歳の少女アナ(アビゲイル・ブレスリン)は、ある日両親(ジェイソン・パトリック&キャメロン・ディアス)に訴訟を起こすために、91%の勝利を約束するという弁護士アレクサンダー(アレック・ボールドウィン)を訪ねた。彼女は、自分が両親の愛の結晶だと信じていたが、実は白血病の姉ケイト(ソフィア・ヴァシリーヴァ)のドナーとしてその命を永らえさせるべく、遺伝子操作で生まれた存在である現実を受け入れざるを得なくなったのだ。アナはケイトを大切に思っているが、その提訴は彼女のために青春を奪われることが耐えられないゆえのものだった。そして、ケイトもアナとの間に、ある深刻な秘密を隠していた。〔110分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |