★3 | マカオの竜(1965/日) | 横浜。ここに宝石ブローカー、マカオの竜(小林旭)が30万ドルを抱いて降り立つ。彼の求めるものは「ヒマラヤの星」と呼ばれる大粒のダイヤだったが、横浜にあるその石は塚田(佐野浅夫)一家の手に渡ったものの、海賊行為を行なう会津(宍戸錠)に奪われていた。それを知らず塚田のもとへ急ぐ竜の前に、会津に利用された娘、奈美(十朱幸代)が現われる。彼女の陽動作戦への関与に竜は気づくが、その哀しい身の上に彼女を救ってやりたい思いに揺れる。一方、クラブのピアニストを装う刑事矢代(小高雄二)、塚田の情婦で会津に密通するリエ(弓恵子)、そして竜の恋人を名乗る香蘭(松原智恵子)の登場で事態は複雑化するのだった。〔白黒・84分〕 | [投票] |
★3 | ウォールフラワー(2012/米) | 引っ込み思案な高校生、チャーリー(ローガン・ラーマン)は、授業ですら才能を発揮できず教師(ポール・ラッド)に注意され、付き合いといえば姉キャンディス(ニーナ・ドブレフ)たち家族のみだった。これでは灰色の高校生活になる、と焦ったチャーリーの目にとまったのは、2年年上で国語クラスのムードメイカーであるパトリック(エズラ・ミラー)だ。部活の試合でパトリックの隣席に座ったチャーリーは、意を決して彼に話しかける。フレンドリーなパトリックに加え、その義妹であるサム(エマ・ワトソン)までもがチャーリーを迎え入れ、彼の毎日は輝きを増してゆく。『RENT/レント』のS・チュボスキーによる自作小説の映画化。〔103分〕 | [投票] |
★3 | 恋するリベラーチェ(2013/米) | スコット(マット・デイモン)は親の愛に恵まれず、里親に育てられ動物訓練士の職を得た青年だ。バイセクシュアルの彼が、親しく交際していたボブ(スコット・バクラ)に紹介されたのが、20世紀最高のピアニストの異名をとるスーパースター、リベラーチェ(マイケル・ダグラス)だった。その母親(デビー・レイノルズ)による厳しい音楽家教育のなかで愛情を知らず育ったリベラーチェは、孤独を癒してくれる若者の存在を渇望し続け、スコットとの交流で彼こそは生涯の伴侶と認める。だが、秘書となったスコットはスターツ医師(ロブ・ロウ)に奨められた薬物の副作用で愛に迷走するのだった。マーヴィン・ハムリッシュの遺作スコアが全編を飾る。〔118分〕 | [投票] |
★3 | 邪魔者は消せ(1960/日) | この国で麻薬をばら撒き、巨利を得ようと来日したドラッグ王クレイグ(ハロルド・コンウェイ)の行動を阻止すべく、刑事松田(葉山良二)らは尾行を始めるが、彼らを振り切り逃亡をはかった連絡者は岩瀬組の幹部横倉(内田良平)に抹殺された。計画を完遂すべく新たな連絡者を選ぶ岩瀬組は、射撃の名手である秋津(赤木圭一郎)に白羽の矢を立て、協力する東洋一家も凄腕ガンマン長塚(穂積隆信)を派遣する。ふたりはいがみ合いつつも指定された仕事をこなし、上役たちの信頼を得る。だが実は秋津は麻薬Gメンであり、この仕事でクレイグと商売相手の逮捕を企てていた。そして長塚も彼に劣らぬ複雑な過去を秘めた男であった。〔83分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 第1回 欽ちゃんのシネマジャック 「探偵ハーレム・ノクターン」(1993/日) | 「ハーレム・ノクターン」の流れるビルの裏口。落ちぶれた探偵(橋爪功)は雪のなかで女(李星蘭)を待っていた。かつて探偵が刑事だった頃、彼は殺人犯の女を追い詰め捕えながらも、「魔がさして」一回の情事のあとで彼女を解放したのだ。そして、雪ダルマを相手に酒に溺れる探偵の前に女は現われた。足元に銀色の拳銃を転がして…。〔ヴィスタ/15分〕 | [投票] |
★3 | 赤木圭一郎は生きている 激流に生きる男(1967/日) | 1961年に不慮の事故で没した赤木圭一郎の遺作、『激流に生きる男』の未完成フィルムを再編集し、過去作の名場面とともにまとめた懐古版。●過去を捨て海の男となった竜太郎(赤木)は、乗員となる「ブラジル丸」がドック入りして出航が10日延びると聞かされ、途方に暮れる。そんな折彼は自動車に轢かれそうになった利雄少年を救い、その叔母であるクラブのママ、さかえ(芦川いづみ)と知り合った。クラブが悪質な地上げを行なう黒岩(東野英治郎)らに狙われていると知った竜太郎は、マネージャーとして店を守ろうと決意する。だが店に現われた正体不明の男は、竜太郎のかつての稼業と、その腕による不祥事とをえぐるのであった。〔46分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 清水の暴れん坊(1959/日) | 上役をぶん殴って放送局の清水支局から東京に送られた若者、石松(石原裕次郎)は、出迎えた美紀(北原三枝)の度肝を抜くような破天荒な男だった。上京早々、石松は麻薬の移送作業を行なう男たちに巻き込まれ、ジャーナリスト魂に火がついて美紀の父である上役(清水将夫)にルポ番組製作の許可をとる。そして、その作業にかかわっていたのが、かつて石松に命を救われた弟分の健司(赤木圭一郎)だった。彼の身を心配し、石松のもとを訪れた健司の姉令子(芦川いづみ)をよそに、健司は上司を裏切れず仕事を続行しようとしていた。義憤に燃える石松は、健司のいる船越商事なる闇会社にたどり着くべく、隠しマイクに変装で接近していく。〔86分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 海と大陸(2011/伊=仏) | 地中海に浮かぶ小島。青年フィリッポ(フィリッポ・プチッロ)は、祖父である昔かたぎの老漁夫エルネスト(ミンモ・クティッキオ)とともに魚とりを続けていた。その旧態依然とした暮らしに辟易したフィリッポの母ジュリエッタ(ドナテッラ・フィノッキアーロ)は、バカンスの季節のみ自宅に観光客を滞在させることにし、さっそくマウラ(マルティーナ・コデカーザ)ら3人の客に部屋を提供する。一方、海の生活を捨てられないエルネストらは漁に出てゆくが、沖合いでアフリカからの難民が乗った小船を発見し、警察に連絡した。しかしエルネストは義侠心から、妊婦である難民サラ(ティムニット・T)らを家に連れ帰る。それが問題の始まりだった。〔93分〕 | [投票] |
★3 | 赤いカラスと幽霊船(1989/日) | 自分の弱気さゆえに、いつも仲間たちに自信いっぱいの行動を見せられない少年タクヤ(山本耕史)。彼とその妹・エミ(戸恒恵理子)の前に、あるとき航路を外れた天空を駆ける幽霊船が不時着する。その乗組員である赤いカラス(声:広川太一郎)はタクヤの前に降り立ち、遭難した船を救ってほしいと懇願する。何をしていいのか判らないタクヤに、病床にある船長(宍戸錠)が説明するには、夢を持つ者が操舵するこの船をあやつり、港に導くことができるのは子供であるタクヤだけなのだ。だが、舵を手放したタクヤは船を砂漠の中央に赴かせてしまう。彼はそこに母親の姿を認め、その影を追う。そこはタクヤの心の風景だった。〔61分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 霧子のタンゴ(1963/日) | 千代(松原智恵子)は老いた祖父(松本克平)の暮らしを助けるためにも、ナイトクラブのクロークを毎夜続けていた。彼女を愛しく思うコックの菊川(山内賢)だったが、恋を知らない千代の前では友人に甘んじていた。ある日、菊川の友人でブルジョワ育ちの俊一(小杉勇)が、千代に預けたコートに入った大金がない、と騒ぐ。千代は知らないと言い張り、姉の多恵(南田洋子)も菊川も役に立とうと助言を惜しまなかったが、彼女はついに店を追われる。だが、俊一の父(清水将夫)は彼女の冤罪を知って経営する会社に迎え、俊一も千代に詫び、沸き起こる思いをぶつけるのだった。そして、俊一と千代のキスを菊川は目撃し愕然とする。〔86分/白黒/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 東京市街戦(1967/日) | 敗戦後の焼け跡で、傍若無人の限りを尽くす三国人組織・青竜会の李(小池朝雄)は、娼婦のトキを慰み者にして惨殺したが、日本に彼を裁く法律はなかった。数日後、トキが面倒を見ていた孤児たちのボロ家を訪れた男(渡哲也)がいた。彼をトキの弟・健太郎と見た平松組のひとり娘・あや(松原智恵子)は、野外マーケットに魔手を伸ばす悪党を追い出す男の腕にその思いを深め、力を借りたいと願い出る。父の組長(佐々木孝丸)も同意するものの、古株の幹部である政(宍戸錠)らは高見の見物に出るのだった。男は健太郎と皆に呼ばれながら平和裏にマーケットを運営するが、青竜会の陰謀は進み、組長は刺客・高(米倉斉加年)に狙われる。〔89分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 男の世界(1971/日) | 夕子という女を殺し監獄に送られていた白石(内田良平)が娑婆に出た頃、外国を転々としていた夕子の恋人・紺野(石原裕次郎)が帰国した。ジョニー(チコ・ローランド)の爪弾く懐かしいメロディと、昔馴染みの刑事(宍戸錠)の警告に迎えられた紺野だったが、彼は白石への復讐心など持たないと答え、出会った素寒貧の若者たち、修(沖雅也)と伸子(鳥居恵子)の夢を叶えることに没入するのだった。だが白石の弟分である窪田(三田村元)は、制する白石に従わず紺野を狙撃する。掠り傷で済んだ紺野だったが、その事件に出くわした修は軽率にも窪田への恐喝に走る。逆に捕えられた修と伸子を案じ、紺野は白石の提示した交換劇に乗った。〔82分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | ある兵士の賭け(1970/日) | 1960年。神奈川県座間の米軍キャンプから、ふたりの男が九州の別府に向けて歩き出した。米軍大尉アレン(デール・ロバートソン)と、付き従う一兵卒ディクソン(フランク・シナトラJr.)だ。二週間で目的地にたどり着けるか否かを米軍将兵に賭けさせた上で、収益金を別府にある孤児園・白菊寮に寄付するという彼らの美談に日本中が沸いた。だが、報道カメラマンの北林(石原裕次郎)はその偽善性に疑問を抱く。かつて彼が従軍した朝鮮戦争の最前線において、アレンは無辜の夫婦を射殺し、夫婦の息子を孤児にしたのだ。そんな男にサンタクロース役など似つかわしいものか…。憎悪を隠し、北林は白菊寮の寮母・山田(新珠三千代)を訪ねる。〔136分〕 | [投票] |
★3 | 抜き射ちの竜 拳銃の歌(1964/日) | 水原興行の幹部が次々に凶弾に倒れた。警察は銃弾一発で倒すやり口から抜き射ちの竜(高橋英樹)の仕業と勘繰ったが、彼を知る前田刑事(菅井一郎)は「堅気になった筈だ」と庇うのだった。言葉どおり銃を棄てダムで働いていた竜は、偶然に駅で弟分の健次(谷隼人)と出会い見失うとともに、彼を連れていた女をやくざから救う。健次のアパートに向かった竜を待ち受けていたのは、コルトのジョー(宍戸錠)の罠であり、殺人犯の濡れ衣を着せられた竜は前田の口添えで救われた。ジョーは竜の鉄拳一発で借りを返したとし、健次の傍にいた黒木組の令嬢・梨江(山本陽子)と再会させる。彼女の裏には黒木・水原に対抗する三津田組の影があった。〔92分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 汚れた心(2011/ブラジル) | 第2次大戦後、ブラジルの日本人居留地のひとつ。元陸軍大佐のワタナベ(奥田瑛二)は、敗戦の知らせを敵の情報撹乱として糾弾する集会を邪魔され、日章旗を踏みにじられた。行動を指揮したブラジル軍伍長を罰するべく、写真館の主タカハシ(伊原剛志)を含めた男たちは集まるが、多勢に無勢で拘束される。だが日本人団のひとりでありながら、敵の通訳に廻ったアオキ(矢崎勇)に憤ったワタナベは、釈放後彼を斬れとタカハシに命じた。その頃、タカハシの妻で教師のミユキ(常盤貴子)は、アオキ家の壁に大書された「国賊」の二文字に慄然とする。そしてタカハシはアオキに剣を向け、「国賊」粛清の波が日系人社会を覆ってゆくのだった。〔107分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!(2011/米) | ユース・アメリカ・グランプリは、全世界より集結したバレエダンサーの卵たちの国際的な登竜門だ。この年も、いずれ劣らぬ強豪たちが舞台上で鎬を削る。コロンビアの決して裕福でない家庭から、家族の希望を一身に背負ってステージに臨むジョアン。紛争の渦中にあるシエラレオネで両親を失い、白人義父母に報いるべく外見のハンデをはね返して奮闘するミケーラ。日本系のステージママに進路を決められ、遊び気分の弟とともにバレエ界に飛び込むも、孤独に屈せず技術を磨くミコ…彼らにとってバレエ界はあまりに過酷ながら、心身ともに傷ついてもなおも這い上がり、戦うに相応しい世界だった。ファイナルに挑む若者たちの果てしなき苦闘を追う。〔94分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | みんなで一緒に暮らしたら(2011/仏=独) | パリ郊外。プレイボーイの老写真家クロード(クロード・リッシュ)には、75歳の現在も誕生日を祝ってくれる仲間があった。すでに呆けはじめている愛犬家のアルベール(ピエール・リシャール)と彼を支える元教師のジャンヌ(ジェーン・フォンダ)。そして市民活動を続ける闘士ジャン(ギイ・ブドス)と、それを疎み孫を可愛がる祖母らしい生活を望むアニー(ジェラルディン・チャップリン)の4人である。だが年を重ねたクロードを心配する息子は、彼を老人ホームに収容させる。それを我慢できない仲間たちは、アニーの持ち家を皆の共同生活の拠点とし、アルベールの愛犬世話人ディルク(ダニエル・ブリュール)とともに暮らし始めた。〔96分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | サチコの幸(1976/日) | 戦後間もない新宿二丁目。ここでちょっと評判の娘が、前向きでいつも明るいサチコ(三浦リカ)だ。彼女に元気を分けてもらいに、男たちは店に足しげく通うのだ。それでも代金を持参できない靴磨き少年・次郎(高野浩之)のために彼の住みかを訪れたサチコは、むかし心を寄せた男・ケン(丸岡晴久)の話をするのだった。そんな彼女に、客の作家・桃谷(小鹿番)はカストリ雑誌を本屋に届けて代金にしてくれと懇願する。人目を避けて闇本屋に雑誌を託したサチコは、道案内を頼んだ青年・広沢(寺尾聰)に惚れられ、あろうことかプロポーズを受けた。だが、そんな折サチコはケンと再会する。70年代劇画の雄・上村一夫作品の映画化。〔87分/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 名月佐太郎笠(1955/日) | 旅がらすの佐太郎(高田浩吉)は、いかさま博徒の弥ン八(田崎潤)に男惚れされて渋々同行していたところ、角兵衛獅子の少年亀吉(小畑やすし)に空腹を見抜かれて握り飯を振舞われる。だが、角兵衛獅子の一行は謎の武士たちに追尾され、親方(市川小太夫)は剣で応じたものの斬られて深手を負った。武士たちを追い払った佐太郎に、親方は亀吉が実は松平家の落胤であることを告げ、彼を亡きものにしようとする赤間(阿部九洲男)の手から守ってほしいと懇願する。それを陰から盗み聞きしていた山賊一味のお紋(津島恵子)は、佐太郎の手から亀吉を奪い取るべく動き出す。佐太郎の冒険が始まった。〔83分/スタンダード〕 | [投票] |
★3 | マリー・アントワネットに別れをつげて(2012/仏=スペイン) | フランス革命時。既にバスティーユ監獄は落ち、王政は風前の灯となっていた。その中にあって、年若いシドニー(レア・セイドゥー)は王妃マリー・アントワネット(ダイアン・クルーガー)のよき朗読係として、毎日その無聊を慰める生業に身を投じていた。王妃を崇拝する彼女は、王族への良からぬ噂を遠ざけて忠誠に励むが、資料編纂官のモロー(ミシェル・ロバン)より聴いた革命派の進撃については否定できないものを感じ取っていた。そして市民代表は286人の斬首刑に処する人々のリストをばら撒き、貴族たちの恐怖は現実のものとなる。その渦中で、王妃のポリニャック公爵夫人(ヴィルジニー・ルトワイヤン)への偏愛がシドニーの心を掻き乱す。〔100分〕 | [投票] |