★2 | ファイナル・デスティネーション(2000/米) | アイディアはよかったんだけどねー。って感じでした。前半ぐらいまでは、そのアイディアを絵にしてゆく勢いが面白さを生んでいたけど、だんだん「どこで、どう死ぬか」という今ではギャグの『13日の金曜』状態になってしまって・・・。怖さと笑いの境界って、難しいもんですねー。 | [投票] |
★4 | タンデム(1987/仏) | 「ほとんど一般化できないけど、すごい共感がある」テーマ、とでも言えばいいのかな。すばらしい。男について、考え抜いている、とさえ思った。そして救済としての女が出てこないところも、辛口でいい。最近のP・ルコントって、へんに軽いロマンス物ばっかり、と思っていたので感心。でも、いつからこういうテーマを捨てたのだろう・・。 | [投票] |
★3 | 私家版(1996/仏) | 大好きなT・スタンプですが、この年代の彼なら『プリシラ』や『イギリスから来た男』の方が好き(『コレクター』と『世にも怪奇な物語』が一番好きだけど)。彼の中にあるはずの過去の愛が(たぶん娘のせいで)ぼやけてしまっているのでは?英国人の思い詰めたら冷徹、って感じが、ちょっと戯画化された印象になってしまった。フランス人が作ったからかな? | [投票] |
★5 | ドンファン(1995/米) | 乱暴にいえば、ストーリーなんてどうでもいいんです。『乱暴者』とか『欲望という名の電車』とかのM・ブランドって、いまのJ・デップでしょ(もっとすごいか)?でも、同じように世界の不良と女の子たちにインパクトを与えた希有の存在のふたつの年齢が、ひとつのフィルムのなかに居る。それだけで5点だもんね。 | [投票] |
★5 | ローマの休日(1953/米) | 酒臭いという台詞、ベッドから転がすアクション、ドオモの前の本当に暑そうなロケ、けっこう狡い登場人物たち、そして最後などなど。較べると、現在のロマンスストーリーのほうが、予定調和で夢物語な気がする。オードリー物の凄いのは、おとぎ話のようで、案外、どれもリアルなことではないかな、と、いつも思います。 | [投票(4)] |
★5 | セブン・イヤーズ・イン・チベット(1997/米) | なかなか着かない前半が、チベットの遠さと西洋と東洋の差を、映画的に表していて、すごくよかった。簡単に外部を受け入れない不寛容な宗教的態度と、頭で判っていても自分は変わろうとしない西洋人、という設定も、すごくいい。これはブラピの鈍感さが、とてもよく機能してたと思う。さらにラマ役少年に1点。 | [投票] |
★2 | キリング・ミー・ソフトリー(2002/英) | 絵もきれいだしH・グラハムも色っぽいし、猟奇的な匂いもいいんだけど、なんかちぐはぐ。SMはイギリスっぽくないし、登山というのも予定調和だし、心理的な問題も説得力ないし・・。チェン監督は、ハリウッドのプロデューサ達にレイプされちゃったんだろうなー、と思ってしまった。 | [投票] |
★4 | 普通じゃない(1997/米) | 『ベティ・サイズモア』もそうだけど、こういうワザと低温にしたユーモアというかギャグって、ひとつのジャンルとしてあるのかな?あったら誰か教えてください。けっこう好きな温度なのですが、でも、よくこう言うのにお金を出す人がいるなー、と感心。映画の豊穣さの、一例だと思います。 | [投票] |
★3 | サウンド・オブ・サイレンス(2001/米) | 前半、秀逸な深い心理サスペンスの予感で、後半はよくできたB級アクション。まあ、一気に見せてくれたから見終わったときは、ま、いっか、と思っていたけど。こうして思い出すと、なんだか、木に竹、じゃなくて木にプラスティックを接いだ印象なのでした。 | [投票(1)] |
★3 | スパイ・ゲーム(2001/英=米) | 才能あふれる若さの尊大さと未熟さ、経験豊かな老成のズルさと諦念。その対比は、ふたりの俳優のそのままの存在感として十分に胸に刺さるものだった。刺さるものだったけど、ストーリーが、とくに後半が、それと見合っていたとは、どうしても言えないもんね。そこが凄く惜しくて。残念でした。 | [投票(1)] |
★4 | 八月のクリスマス(1998/韓国) | ああ、こういう人が確かに生きて死んでいったのだな、という「実感」が刻まれる。それは映画のなかではなく、こちらの心の中の変化なのだけど、そういう実感を与えてくれる映画(とキャラクター)はとても希有。それはこの映画で「街」がもう一つの主人公なことと関係していると思います。愛すべき作品。 | [投票(2)] |
★4 | 無伴奏「シャコンヌ」(1994/仏) | 後半、まるでバッハのこの曲へのプロモーション・ビデオかと思っていたら、そうか、この曲に捧げた人生であり、映画なのね。はっきりって「シャコンヌ」一曲の大きさのほうが映画よりでかい(あたりまえか?)。音楽以外では、パリの地下鉄駅をよく捉えているところが個人的にはジンときました。 | [投票] |
★4 | ギフト(2000/米) | タブロイドぽい娯楽ホラーの器を借りて、じつは、すごーく魅力的な人々が沢山描かれていて、素晴らしい。ヒロインからして人より優れた所があるのに、自分に自信がなくて人から必要とされることを必要としている。だから人からの頼みを断れない(それが物語を推進させるんだけど)。一生忘れられないキャラがいっぱい! | [投票(1)] |
★3 | グリーンマイル(1999/米) | スティーブン・キングって「裏ディズニー」なんじゃないか、って思ってるんですけど(さらにその裏がティム・バートン・笑)。感動させるためなら手段を選ばない職人「ホラー版」って感じ。で、ディティールまで見事に書き込まれているので(たとえはMr.Jingle)、え?とか思いつつも、しっかり堪能できちゃう。これぞ娯楽の一級品!。 | [投票(1)] |
★4 | 耳に残るは君の歌声(2000/英=仏) | 言いたいこと、見せたいものが、たくさんあったのね(笑)。個人的には、ジプシーの溜まり場で、順繰りに歌を歌うシーンかな。インドから中近東、そこからスペインにまで行ってフラメンコにもなるラテン音楽の、哀愁の神髄のようなシーンで、泣きそうになりました。別の場所で、リッチに『暗い日曜日』まで歌わせていて音楽への痛みと愛に溢れていた。そして、J・デップの眼差し! | [投票] |
★4 | ピアノ・レッスン(1993/豪=ニュージーランド=仏) | 意志の物語。ヒロインの中の唯我的な自己世界が、野卑で激しい自然のなかのピアノという自律的な強度をもった美の存在との相似形とともに描かれる。そして、その調和がこわされるとき、彼女は初めて他者を受け入れる。だから「自分の強い意志が怖い」っていう台詞は自明すぎて野暮と思ったけど、それでもこれを「女のワガママ」の映画と見る人がいるので、しょうがないのかな。 | [投票(1)] |
★5 | イングリッシュ・ペイシェント(1996/米) | 罪深い記憶に囚われて生きながら死んでしまった心を、見事を描いた作品。人間の心は、ここまですざましく病んで壊れていくんだ、ということを見せつけられるようで、とても貴重な映画だった。心が壊れてゆく過程を描くという意味では『ソフィーの選択』と双璧かも。編集が、繊細で大胆で巧み。 | [投票(1)] |
★3 | 15ミニッツ(2001/米) | TVの深夜枠とかで、偶然やっていたら、それなりに面白く観て、ゆっくり眠れそうな一編ですね。でも、映画館でみたら、このままじゃ帰れない!なんかもう一本みよう、って感じになっちゃいそう。ここ5〜6年のデ・ニーロって、なんだか作品全体をゆがめている気がする。どの映画にも主人公の自室に似たような酒場があるし・・・。映画を私物化している感じ。しかも、
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★3 | ポワゾン(2001/米=仏) | 彼女の唇が、象徴であり、暗示であり、イコンであって、前編を貫いているわけね。下唇がふたつに割れているのが、なかなかいいと思いました。だから、わたしは、ラストの数分がなければ間違いなく2点でしたね。あんな淫蕩な唇イコン使っておきながらまさか・・と思ったら、やっぱりね(笑)。そうこなくっちゃ、って感じでした。 | [投票] |
★3 | ヴィドック(2001/仏) | うーん、3点はあまいかなー。でも、フランスがフィルムの色彩や質感の可能性を深めた業績は、深いと思うし、映画はやっぱし観た眼のコケオドシを楽しむ娯楽でもあるとおもうから、ちょっと甘くつけちゃう。ストーリーは3流のマンガ程度で映像は一級という奇形を楽しむ見せ物小屋、って感じかな。 | [投票(3)] |