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水那岐さんのコメント: 更新順

★1錆びたナイフ(1958/日)慎太郎の小説など一冊も読んだことはないが、活字で列記されたとしても気恥ずかしいカッコつけの台詞を喋らされる俳優の身にもなれと言いたい脚本だ。そして相も変らぬ苦悩する主人公が先っ走りの弟をうれうポーズを、当の弟裕次郎に演じさせるのだから、弟こそいい面の皮だ。…また詰まらぬものを観てしまった。ふぅ。[投票]
★3暴力の街(1950/日)実に瑣末な事だが、暴力団員たちの演技が稚拙であり、主人公たちが真剣に立ち向かってゆく恐怖が伝わってこない。まだ日本映画界にリアリズムが徹底する前の作品らしく、映画史的には日本の「政治の季節」を代表する重要な位置を占める作品だけに、この稚戯というに相応しい演技の存在を惜しむ。[投票]
★4続・あの空に太陽が(1978/米)中学生時代にカップルに囲まれながらひとりで観た。恋愛映画というよりは頑張る青春映画の色が濃く、観ていて照れ臭さを感じなかったせいもある。マリリン・ハセットは最初から半身不随のため展開は地味だが、暖かく力強い。[投票]
★4バチ当たり修道院の最期(1983/スペイン)堕落しきった尼僧たちを呑み込んで、轟音のなか崩壊してゆく汚濁の修道院…かと思っちまったじゃねえか、邦題。実際は世間の目から見ればほんのちょっと職から逸脱した尼僧の哀しい、でも人間臭いコメディ。哀切なテーマ音楽は彼女らの心を映すように厭世的だ。アルモドバルらしい「洗練された下品さ」はこの時点で既に完成していた。[投票(1)]
★3悪名波止場(1963/日)クラブで歌う混血娘の歌がなかなかソウルフルでいい。本編上での、「おなご船」の女たちの活躍も痛快。田宮二郎、いい体してるもんだ。[投票]
★2悪名無敵(1965/日)いささか説教臭い一編。朝吉の正義感は判るのだが、娼婦をふたりだけ救ってあとは喧嘩で一挙解決というのは、いささか片手落ちの気がしてならないのだが。[投票]
★2キングコング(1976/米)史上最もバカで露出狂のコング・ガール、ジェシカ・ラング。彼女は星占いとおだてはサルにも通用すると信じている。そんな彼女には、東映ポルノ風に『サル殺しの帝王』の称号を授与しよう。で、肝腎のサルはというと…。(05/12/23再見) [review][投票(1)]
★4キング・コング(2005/ニュージーランド=米)いい加減コングは33年度版の呪縛から解き放たれてもいいと俺は考える。神話は短くて単純であるがゆえに不滅とされるのだが、その時々の時代性を盛り込んだ外典のほうが、少なくとも現代を生きている俺には価値がある。 [review][投票(13)]
★4キング・コング(1933/米)これが日本のオリジナル映画なら、山師デナムはコングにぶちのめされてあえない最期を迎えていたろうな。アメリカは「正義」の国であり、「情」の国ではない。 [review][投票(5)]
★2HINOKIO ヒノキオ(2005/日)一見口当たりのいいお菓子のような愛すべき映画とも映るが、この監督が監督経験が不慣れなせいか、イベントは唐突でエキセントリックに過ぎ、大人の観客から見れば困惑を誘われる。皆さん、監督の未来を考えて甘く採点しておられるが、自分にはこの感覚はちょっと許せなかった。 [review][投票(2)]
★2SAYURI(2005/米)今さら、アメリカ資本で「紫のバラの人」もないものだ、と思うのだが。失笑を誘うシーンは少ないが、この時代に和風シンデレラ・ストーリーに惹かれるものもまたない。 [review][投票(1)]
★2失われた地平線(1937/米)理想郷と呼ぶにはお粗末すぎるセット。リメイク作を含めて、この主題には相応の豪華絢爛さが必要であると理解される。青臭く詰まらない問答もこの作品には必要なのだろうが、中学生の理想論がいいところだ。[投票]
★3新・悪名(1962/日)田宮の「手錠パンチ」がなかなかカッコ良く、ぶっ倒れ方までサマになっている。最終決戦に臨む「闇市・パンパン・オカマ・三国人連合軍」対ヤクザの紛争は、この時代だからこその壮観である。[投票]
★4あらしのよるに(2005/日)ヤギ側声優陣のあまりの下手さが、原作者によって受け取り方を許されたもうひとつの可能性を思い起こさせる。 [review][投票(3)]
★4バッド・エデュケーション(2004/スペイン)ほとんど男しか登場しない愛欲のパズル。その爛熟美に酔わされる。サハラを演じるガエル・ガルシア・ベルナルの女装の、あの堂に入った見事さといったらない。同様に劇中劇の神父も、堕落した聖職者のストイックな仮面が出色(現実の神父は一見ニコルソンかと思ってしまった:笑)。ストーリーのピカレスク的要素はアルモドバルの面目躍如。[投票(2)]
★4太陽への脱出(1963/日)いささか荒唐無稽だが、舛田利雄流ハッタリ社会派映画を満喫した。裕次郎はボンボンから男の顔になり、仕事としてもベストワークをこなしている。もっとも、東南アジア人を演じる日本人俳優たちはウソも度が過ぎているが。[投票(1)]
★3クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃(2005/日)確かに内容のない映画である。大部分のオトナ観客は拍子抜けしたことであろう。だが、ストレートな下品さこそ「クレしん」の本来のツボであり、コドモ観客連れのオトナは、ひとすくいのサラリーマンと主婦の悲哀とひそかな愉しみが付け加えられただけで感謝すべきなのではないか? [review][投票]
★3第三の悪名(1963/日)続・悪名』と『新・悪名』を観ていなかったので、人物の相関関係に随分とまどってしまった。長門裕之はいかにもやくざには不似合いなインテリ役なのだが、その不似合いさ具合が半端ではなく、彼と他者のからみを見ていると一瞬『悪名』シリーズを見ていることを忘れそうになる。[投票]
★5みすゞ(2001/日)少女の感性をそのままに、衝撃的なほど優しく、練りこまれた言葉を詩に綴った女。その前で自分は言葉を失ってしまう。彼女がいつまでも少女であることを許されず、普通の女の生き方を強いられたことが彼女の不幸だった。田中美里はそんな彼女の茫洋とした、だが感覚豊かな性情をナチュラルに演じた。文豪というのではない、家社会に押し潰されてゆく女の姿は彼女あってのものだろう。[投票]
★4バオー来訪者(1989/日)この手のアニメーションとしては作画もよく、話も無難にまとまっている。だが荒木飛呂彦ファンなら、特異なポーズやハッタリのきいたセリフ回しはもっと望まれるところだろう。 [review][投票]