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煽尼采さんのコメント: 点数順

★3毎日が夏休み(1994/日)演じる役者の芝居臭さも含めた厭らしさ漂う世界から超脱する、佐伯日菜子の麗しき棒読み。俗世に対する佐野史郎の聡明なる愚鈍さを、良い意味での常識で救う佐伯の安定感。日本映画史上に記憶すべきコンビかも。 [review][投票(1)]
★3知りすぎていた男(1956/米)ヒッチコック先生の今回の実験テーマは「音響性と空間性」。「声」と「音」の作劇術。先生のドライな作劇に感情のリアリティを添えるのは数少ない女性陣。 [review][投票(1)]
★3闇の列車、光の旅(2009/メキシコ=米)シティ・オブ・ゴッド』を思わせる身も蓋も無い暴力。暴力によって区切られる境界と、暴力と自らを区切る境界。 [review][投票(1)]
★3コクーン(1985/米)全体的には、いかにもアメリカらしい能天気さと単純さばかりが目立つ、かなり甘々な出来で、あまり評価する気になれないのだが、異星人と老人という奇妙な組み合わせの異質性と同質性のもたらす情動には、「『コクーン』的」と呼ぶしかない独特なものがある。 [review][投票(1)]
★3SAYURI(2005/米)エンドロールの最後の最後まで、リズム感と美意識が行き届いた世界観の構築は見事。かなり手前勝手な日本像を構築してくれているのは肯定できないが、その華麗でエネルギッシュな描写力で146分を飽きさせないのは立派。 [review][投票(1)]
★3アイガー北壁(2008/独=オーストリア=スイス)的確なショットを重ねることで、登攀という行為に於ける、またその行為を取り巻く状況との間にある、距離感を演出する構築性。登山道具「ハーケン」の名が出るたびにハーケンクロイツを連想させる時代背景も効いている。だがヒロインの人物造形は痛恨のミス。 [review][投票(1)]
★3裸の島(1960/日)台詞を禁じる手法が実験的とは言えるが、その喜怒哀楽のドラマはむしろ単純化され、分かり易すぎる感もある。殿山泰司は肉体で懸命に演技しているが、その「台詞が聞こえてきそうな」演技は無言のままに多弁にすぎ、虚構じみてもいる。 [review][投票(1)]
★3噂のモーガン夫妻(2009/米)セックス・アンド・ザ・シティ』で馴染んだサラ・ジェシカ・パーカーは吹き替えを介してのものだったので、冒頭から響く彼女の意外にキュートな声には新鮮に魅せられた。 [review][投票(1)]
★3レッド・ドラゴン(2002/米)マイケル・マン監督による実写化が既に為されているが、マン監督作の、単純な正義のヒーローとして描かれていたグレアムや、犯人の狂気の背景が蔑ろにされていたこと等の、底の浅さが多分に補われている点が嬉しい。 [review][投票(1)]
★3THE 4TH KIND フォース・カインド(2009/米)再現ドラマ部の幾分チープな演出も却って、作り事らしさの背後に「事実」を透かし見せるような効果が無くはない。『アルマズ・プロジェクト』などに比べれば、反則技的な「録画ビデオ」の利用も巧く機能している。僕もこの手の話は好きですからね。 [review][投票(1)]
★3女の子ものがたり(2009/日)女の子三人が一緒に仲よく収まるショットが大部分を占め、あとは風景の中に人物がポツンと見える遠景ショットが印象的。この二つのショットが作品の世界観を簡潔に決定づけている。 [review][投票(1)]
★3シックス・デイ(2000/米)トータル・リコール』の二番煎じという印象は拭えないが、ポール・バーホーベンの変態性に敵う特異性は無い反面、それなりに「すぐそこの未来」を演出する姿勢は評価したい。記録・複製技術としての映像による、クローンの魂の問題。 [review][投票(1)]
★3映画は映画だ(2008/韓国)俳優とヤクザが共に似たような短髪・ヒゲヅラ、前者が白、後者が黒のシャツ、前者が撮影時にはその上に黒の上着をまとうという、あまりに図式的な構図がいかにもキム・ギドク。 [review][投票(1)]
★3燃えよドラゴン(1973/米=香港)ブルース・リーの肉体の躍動という点では、広い空間で存分にアクションするシーンが少ない気がして不満。リーに詰まらないスパイ活動などさせなくていい。リーが少年に武道の教えを説く名シーンは、その台詞回しにさえ肉体と魂の躍動を感じさせる。 [review][投票(1)]
★3ドラゴン危機一発(1971/香港)ちょいエログロと、チープさと義侠心の混交。アクション・シーンに刃物が介入することで、肉体そのものが武器となる純粋性が幾分か損なわれているのが残念。 [review][投票(1)]
★3第三の男(1949/英)全篇に渡って人々の「視線」が演出されている点や、ワンカットのインパクトに目を見張る瞬間が何度か訪れることなど、面白げな箇所は幾つもあるのだが、どうにも主人公がグズグスな「善」でしかないのが弱い。 [review][投票(1)]
★3グローリー(1989/米)黒人を一人前の兵士として扱う厳格な態度が、却って、白人による強圧的な支配に似てしまう葛藤。それ故に、死を賭けることが「Glory」をもたらすこと。また、オバマの大統領就任によって、或るシーンの意味合いが永遠に変わったように思う。 [review][投票(1)]
★3コックと泥棒、その妻と愛人(1989/英=仏)美と醜とが互いを際立たせ合う。反復される横移動に時折、縦の構図を加えるシンプルな構成。レストランを挟むように配された厨房とトイレ。地獄の拷問部屋のようにケバケバしい厨房に対し、トイレが最もクリーンな空間であるという矛盾と皮肉の批評性。 [review][投票(1)]
★3ディア・ハンター(1978/米)三人の友人、三発の銃弾。 [review][投票(1)]
★3路上のソリスト(2009/米=英=仏)「声」と「音」を巡る二人の男の物語。タイトルの入り方にも見られるちょっとしたセンスが好ましいが、必ずしも全て成功しているわけではない。更に、肝心の演奏が大して響いてこない出来だという痛恨事。 [review][投票(1)]