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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★2メメント(2000/米)毒が薄く、顛末が他人事にしか思えない。我が事のように戦慄させられる体験は得られず、よくできた謎々が解けた後はなあんだという感想に似ている。話の前提となっている、妻殺しには復讐するものだというアメリカの常識のほうがよほど毒々しい。[投票]
★5やさしい女(1969/仏)映画の原作は純文学であってはならない、というヒッチコックの提言を覆す狂暴な知性。ドスト氏の小説はこの映画の後に書かれた一解釈に過ぎないのではないかと思われるほど、本作は普遍に達している。 [review][投票]
★4その後の蜂の巣の子供たち(1951/日)マスコミの美談づくりの批評として考えさせられるものがあり、その刃はなんと前作『蜂の巣』にも及ぶ。このオチはともかく爆笑もの。大阪ミナミの無残な焼跡には驚かされる。[投票]
★4暁の合唱(1941/日)冒頭の娘の自立した決意からして、石坂洋次郎は戦前からすでに石坂洋次郎だったのに驚く。 [review][投票]
★1サヨンの鐘(1943/日)李香蘭が豚や家鴨や子供たちを引き連れ歩む山道の躍動感に心が踊る。彼女の天真爛漫は罪であろうか。高砂族がこれほど日本語が上手い訳がない。方言への感性の欠落は清水の欠点のひとつだと思うが、本作ではこれが国際的に拡大されてある。虚しい国策映画。 [review][投票]
★3若親分千両肌(1967/日)水溜りに映える山並み。藤村志保佇む貨物駅。夕暮れの描写がどれも美しい。さすが大映。海軍が極秘事項をぺらぺら喋るだろうか等々、展開の無理矢理感もまるっきり大映。[投票]
★4大江戸五人男(1951/日)花魁の花柳小菊という女優さん、淡島千景と間違えて見ていた。やたら艶っぽい。 [review][投票]
★5港の日本娘(1933/日)女について回るばかりの木偶の坊、斎藤達雄の愛おしさよ。 [review][投票]
★3ストレンジャー(1946/米)単品ではらしからぬ大人しさだが、「平和と民主主義は鳩時計しか生まなかった」という『第三の男』(49)の名科白と重ね合わせると、古時計マニアの味わい深い物語になる。一番の見所は冒頭の美人スパイ。[投票]
★3フランケンシュタイン(1931/米)余りにも窮屈な倫理観。フランケンシュタイン博士の墓掘りなど、科学者として先駆的な態度ではないか、と云いたくなる。別に生きた人間で人体実験をした訳ではないのだ。もっとも、遺族に詫びのひとつも入れなくてはならないだろうが。 [review][投票]
★3風花(1959/日)ユーモアを欠いた昼メロ、典型的な木下の凡作。しかしさくらの捨雄への情愛にはホロッとさせることろがある。見所は大立ち回りの末に土間に転落する永田靖の熱演。[投票]
★2まほろ駅前多田便利軒(2011/日)よかったのは剣呑な柄本佑と「フランダースの犬」。わざわざ米軍基地をバックにして「俺はただの便利屋」と嘯くシニカルな連中の生温い生態、と云ったところ。[投票]
★5ほえる犬は噛まない(2000/韓国)和みのブラックユーモア集。金にならない善意の徹底。並木道でゆらゆら揺れるキャメラが心地よい。 [review][投票]
★3マイ・ビューティフル・ランドレット(1985/英)外国人と商才について考えさせられる作品。日本のパチンコ屋やフィリピン・パブについてこのように撮られたら、きっと興味深いものになるだろうと思う。 [review][投票]
★2ぐるりのこと。(2008/日)世の諸悪対藝術という余りにもナイーブな対照をいまだに信じているとは滑稽至極。ほとんど宗教だ。助演陣の失礼なバカぶりが昼メロ調。[投票]
★3福沢諭吉(1991/日)いくらなんでも大風呂敷の広げ過ぎだが、ひとつの極端として記憶されるべき素晴らしい失敗作 [review][投票]
★3愛のお荷物(1955/日)冒頭の薀蓄と国会中継からフランキー堺のソロドラム辺りまで、実に愉しい。三橋達也高友子の兄弟喧嘩の件など、とても生き生きとしている。後半は存外平凡な収束に向かい、残念。 [review][投票]
★4わが町(1956/日)尺の短い半生記にはろくなものがないが、本作は見事な例外。 [review][投票]
★5悲愁物語(1977/日)個人的には清順の最高傑作。タイトルと予告編は真面目なのがまず素晴らしい。 [review][投票]
★2張込み(1957/日)被害者の心理をご親切にも観客にいちいち説明してくれる高飛車な映画のどこが面白いのか不明。鉄ちゃん振りを発揮する金があったら、余りにもショボい工事の発破をもう少しなんとかすればいいのにと思う。大木実の暑苦しい顔しか記憶に残らず。[投票]