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disjunctiveさんのコメント: 投票数順

★3ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013/英)メタボがサモハンになるのに理屈などいらない。 [review][投票]
★4監督失格(2011/日)関係が終わったことについて責任の所在がない。憎悪は未練を断つための手段だが、彼我ともに関係の途絶に責任がないため、恨みの持って行き場がない。語り手がようやく発見するのは、その憎悪の生まれる場所である。 [review][投票]
★3エアポート’80(1979/米)'75のカレン・ブラックが地獄の蓋が開いたような顔貌で表現していた緊張を実感させるためのタメが、こちらには見受けられない。事が円滑に進みすぎている。 [review][投票]
★3バンク・ジョブ(2008/英)無能力や腐敗あるいは左派への嫌悪と、受け手の感情を起伏させるきっかけには事欠かない。しかし、これらの嫌悪感が各陣営に無原則に散布しているため、受け手は共感すべき相手を見出せなくなり、かえってその感情は中立化する。 [review][投票]
★3エアポート’77 バミューダからの脱出(1977/米)自助努力がハッチを開けるというひとつの段取りに集約されていて、ハードルを次々と超える感じが出ていない。また、それが目的になっていることの認知自体が徹底していない。 [review][投票]
★4カジノ(1995/米)有能さという観察に値する好ましさをデ・ニーロらが担うとすれば、シャロンは生物としての雄の宿命的な悲痛を焦点化することで、宇宙の構成を概観する力に物語を委ねようとする。 [review][投票]
★3大殺陣(1964/日)人体を破壊するというよりも、この作り事からどうしたら人体を破壊したという実感を得られるのか、という焦燥があり、さらにこの感覚は逆転して、これだけ焦燥するのだから、何かが起こったという実感は生まれるだろう、という願望がある。 [review][投票]
★3インヒアレント・ヴァイス(2014/米)当為性の微光が人情話と交織したい底意は否定しようもないため、偶然からの崇高な解放というよりも、懐古趣味の条件反射というか、舞台を成立させるためのテクニカルな要件に規制された思考や行動が、一種の混濁として現れているように見えてしまう。[投票]
★4八月の濡れた砂(1971/日)準拠点としての藤田みどりの役割が事前には軽く見られていて、事後にならないと、その案外と広漠とした影響が実感できない点に、喪失感の表現が託されている。原田芳雄と渡辺文雄が相変わらず安定していて観察が楽しい。[投票]
★3007/ゴールデンアイ(1995/米)瞬間的な印象に反応しがちなナターリアは、ボンドへの発情に際し、細かな段取りを踏まない。Qのバゲットサンドや出歯亀海兵隊が伏線を踏んで、私たちをよろこばせるだけに、彼女の造形のまとまりのなさが気になる。 [review][投票]
★3チャッピー(2015/米=メキシコ=南アフリカ)成功したナードという語り手の知的解体的な自己投影によって、主人公の行状が観察に値しなくなる。成功したから、課題がない。AI云々は卑近の課題であって、どうしても解消したい人生の課題とは性質が異なる。 [review][投票]
★4007/ゴールドフィンガー(1964/英)ダーティボムの解体にあたって、土壇場で職人に救われる構成が、多彩な感傷に貢献している。あそこには、ボンドが独りで戦うことの哀切さがあって、かつ、かかる尽力が認知されていることも表現されている。Qたちを初めとする裏方の職人性も、そこで報われる。 [review][投票]
★4ブルーバレンタイン(2010/米)過去と現在の相互参照によって、たとえ昔日に危機があったとしても、今ではミシェルは俺ものだという安心感はある。だが、可能性の担保が恋愛を燃え上がらせるが如く、やがてわれわれは、疲れた主婦のタヌキ顔が男を手当たり次第に狂わせる魔性へと変成する過程を目撃する。[投票]
★4荒野の決闘(1946/米)バーテンダーのジョセフ・ファーレル・マクドナルドをはじめとする群衆は、その表情を以て、状況が緩和されたのか緊張されたのか、受け手に教えてくれるだけにとどまらない。彼らは状況を定義することで、凡人のモラルをも表現する。 [review][投票]
★3LOOPER ルーパー(2012/米)ウィリスの話が捨て石にされるとは思ってもいないから、中盤でエミリー農園の話が長々と始まると、進行しつつある事件を意味のあるまとまりとして把握できなくなる。クラビティのサンドラの愚痴のように、演出家脚本のバランスの悪さが露呈している。 [review][投票]
★3クロニクル(2012/米)どんなに破壊を行っても、感傷とアクションを幸福に出会わせる文化祭の大道芸には、映像のテクニカルな面でも、まるで及ばない。そもそも、なぜあのような破壊が行われつつあるのか、修羅場の最中で我に返るほど、大友克洋をやる必然性がよくわからない。 [review][投票]
★4罪の手ざわり(2013/中国=日)語り手の資質にとって異質なものが表現されるとき、現象は記号じみてくる。この偽物感は、本編の方にも、俗物が背伸びしてインテリを装うかのような気まずい感覚をもたらしかねない。 [review][投票]
★3柘榴坂の仇討(2014/日)取り立てのところで、滅びゆく人種の連帯感がよく表現されていて、彼らの美意識や人種性の中身以外に、それが知らないところで共有されていること自体にも感動があるように思う。 [review][投票]
★4恋愛日記(1977/仏)ただモテるという現象が先行していて、モテを誘発した男の人徳らしきものは、モテるという挙動を重ねるうちに、自ずと表現されるだろうという期待がある。男は、現象に追いつくべく、そして、自分を知るべく、疾走を続ける。 [review][投票]
★4トリュフォーの思春期(1976/仏)犯罪の計画にせよ、虐待の解明にせよ、来るべきものは判然としている。わからないのは、林間学校のキスで、その計画は悪意を思わせるようでいて、未来はまるで異なっている。 [review][投票]